理解のデザイン〜コミュニケーションをデザインする〜 産業技術大学院大学 デザインミニ塾 開催レポート

UXアーキテクトの伊藤です。

2012年9月25日(火)に開催された、産業技術大学院大学主催のAIITマンスリーフォーラム「デザインミニ塾」に参加してきました。

テーマは「理解のデザイン〜コミュニケーションをデザインする〜」で、コンセント代表取締役の長谷川が講師として登壇しました。

伝わらない理由や「インストラクショナル・デザイン」について説明する長谷川


講演では、情報アーキテクチャの観点から、情報や送り手の意図はなぜ伝わらないかについての説明や、理解を促すための「インストラクショナル・デザイン」の紹介が行われました。
参加者は年代が高めの方が比較的多く、また会場のある品川シーサイド駅には楽天のオフィスがあるせいか、社員の方の参加も多いように見受けられました。

100名以上の参加があった今回のデザインミニ塾


イントロでは、情報の送り手と受け手のコミュニケーションがうまくいっていない例として、駅の自販機や案内版の例が紹介され、伝わらない理由として次の5つの要素が挙げられました。

なぜ伝わらないかの5つの要素
  • 情報過多
  • 一貫性の欠如
  • 文脈のずれ
  • 優先度の欠如
  • 情報自体のむずかしさ

次に、理解を促すデザインとして「インストラクショナル・デザイン」の概念と、その提唱者であるリチャード・ソウル・ワーマン氏、さらに「インストラクショナル・デザイン」を行う職業として、「インフォメーションアーキテクト(IA)」が考案されたことが紹介されました。リチャード・ソウル・ワーマン氏は「TED」というイベントの創始者としても有名です。

設計にあたって目指すこととして、
  • 利用者が情報を探しやすく、理解しやすくする
  • 送り手のメッセージを的確に届ける
  • 変化に対応する

の3点があげられ、またこれを実現するために「人間中心設計プロセス」が用いられていることが紹介されていました。3点目の「変化に対応する」は、運用フェーズでコンテンツの更新が行われるウェブサイトでは重要な観点だと言えます。



今回の講演では、情報をわかりやすく整理する際の概念と観点が紹介されました。
私は普段の業務ではUXアーキテクトとして、主に調査や設計という面からウェブサイトの構築に携わっています。講演は実務で普段行っていることをあらためて言語化して整理するのに役立つように感じました。

コンセントは、企業と伴走し活動を支えるデザイン会社です。
事業開発やコーポレートコミュニケーション支援、クリエイティブ開発を、戦略から実行まで一貫してお手伝いします。

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