Apple Watchファーストインプレッション

コラム

2015.05.08

※本コラムは、長谷川のブログ「underconcept」からの転載です。

Apple Watchを購入観点でじっくり見てみたら、ぐっときたのは無印ではあるものの13万円もするリンクブレスレットモデルではないか。さすがにちょっと、と躊躇して、会社で試験機として買った無印38mmスポーツバンドモデルでGW中に試用。以下ファーストインプレッション。
(上野学さんからご指摘いただき一部修正しました)


1. Apple Watchでなにをすべきかの期待値


こういったウォッチデバイスへの世の期待値が形成されていくことに伴って解決されることと思われるが、いまのところはApple Watchでなにをやるべきかについて迷ってしまう。これは、ユーザーサイドもだけど、サプライサイドも迷いが見られる。

ユーザー側には、まずはApple Watchで何ができて何ができないかの想像がつかないという問題がある。たとえば、ダイエットアプリのNoomは入力した結果を見るだけ(なのであまり使う必要はない)が、Evernoteは新規ノートを書き込める(のでけっこう有用)といったばらつきがあり、どこまでApple Watchに期待していいかがわからない。

これにともなって、ハニカムメニューのレイアウトをどうしたらよいかを決める基準が持てないのでわりとデフォルトからちょっといじって放置してしまっている。そもそもハニカムメニューを積極的に使うべきなのかどうかはまだよくわからんが、少なくとも利用頻度や、特性の類似性などで勝手にグループ化してくれたほうが便利な気がする。

同様に、「通知」に出てくるべき内容の取捨選択も自分で決めるのは難しい。現在、アプリ単位で外したり入れたりする仕様だが、筆者の状況では、Skype、Facebook、LinkedIn、SMS、メール(複数アカウント)、Google+といったコミュニケーション手段が混在しており、それぞれのなかで優先順位の高いものと低いものとがある。要は相手次第であって、アプリ次第ではない。いろいろ試した結果、FacebookとSMSだけ生かして後は通知させない設定にしてみた。さらにコミュニケーション以外の他のアプリからの通知はすべてオフにした。つけはじめに比べると急激に通知量は減ったが、いまのところ不便はない。できれば来た通知を選んで残す外すを決められる適応型インターフェイスにしてもらいたいところ。

設定における細かい話だと、Apple Watch側でにアプリを持たなくとも、iPhoneへの通知をそのままApple Watchにもってくることができるが、これらの違いや意味はちょっとユーザーには伝わらない。結論としては「なにを設定しておくべきか」を事前にユーザーに選択させるのは無理があるということがいえるだろう。


2. 意外と電話に使える


Apple Watchには物理ボタンが二つあり、その一つ(デジタル竜頭じゃないほう)は、お気に入り電話帳を呼び出すボタン。当初、電話はほとんどしないしと思って、プライオリティが低いと考えていたが、意外と便利に使えることが判明した。

Apple Watchを使ってみてからゴールデンウィークに突入したので家人との連絡の頻度が上がったということもあるが、iPhoneを出さなくとも電話ができる、かつそのデバイスをいつも身につけているというのは意外と便利だったのだ。iPhone 6 Plusにしてからいつもポケットに入れておくとかさばるので、鞄に入れっぱなしにしがちであったのがそもそも本末転倒なのかもしれないけど。

Skype等も含め通話のためのBluetoothヘッドセットはまあまあ持ち歩いているのだが、さすがにいつもというわけにはいかないので急に電話がかかってきたときとかに出るのに重宝した。そんなにつかわないけど、来るときは来る、というのがポイントだと思う(そのためにApple Watchに数万円払うのかというと疑問は残るが)。相手にどう聞こえているかはまだちゃんと確認していないが、スピーカーフォンとしてのApple Watchは問題なく使えている。

個人的には、最近メッセンジャーとしてFacebookメッセージをよく使っているので、電話帳からのメッセージは標準SMSだけでなく、一般のメッセージアプリにも対応してくれるとうれしいです。


3. Siri端末としての可能性


二つの物理ボタンおよびフェイスのタッチはいまだになにで何ができるのか混乱する。「グランス」と呼ばれるモード?がなんなのかもまだよくわかっていない。アプリ等を積極的に呼び出す使い方はあまり想定されていないのだろう。やはりApple Watchの真骨頂はSiriだろう。日常で便利さを感じたのは「明日の天気」とか「タイマーを10分にセットする」といったちょっとしたコマンド。これらをメニューを経由せずに、さくっとモードレスに使えるのはたいへん便利。いまのところは竜頭の長押しだが、Siri呼び出しの方法はかなりキモ。やはり「OK、Siri」?(補足:気づいていませんでしたが「Hey Siri」で立ち上げられました)


4. 既存端末との住み分け


筆者はライフログの実験のため、Nike FuelBandで過去数年分のログをためている。で、未だに左手にFuelBand、右手にApple Watchをつけているが(はい、自分でもあほらしいと思っています)、当然ながらFuelBandとApple Watchのアクティビティアプリはかぶっている。

すでにWithingsとRunKeeperとのバックグラウンドトラッキング(自動での一日のアクティビティ記録)はオフにしているが、Apple Watchをつけない日もあることを考えると、FuelBandを完全に捨てるのもなんなので悩ましい。Nike+ Fuelアプリには、FuelBandをつけていないときにiPhoneの内蔵万歩計で代替する機能もあるが、前述のとおりiPhoneを鞄に入れっぱなしにしていることが増えてこれは誤差が大きくなってしまった。Apple WatchでNike+ Fuelを貯めるというアプリがでてもいい気もするが、Appleは許さないだろうなあ。

ちなみに、自転車で出勤するとき、Apple Watch(ワークアウト)、iPhone(RunKeeper)、FuelBand(セッション)の3つでの同時記録を試みたが、ぜんぶ立ち上げる工程が複雑すぎて、ワークアウトアプリとRunKeeperしかログをとれていなかった(ちなみに、言わずもがなだが自転車自体にもサイクルコンピューターがついているので、そこでも距離等は記録されている)。RunKeeperは地図上に経路が出るが、ワークアウトアプリは距離が出るだけ、それぞれの誤差はRunKeeper: 7.21km、サイクルコンピューター: 7.30km、ワークアウトアプリ: 7.35kmと、まあ1%程度なので許容範囲。

ここまでくるとどこまで記録マニアなのかという気もするが、RunKeeperがあとで地図も見られることも考えると一番これからも使うような気もする。iPhoneを鞄に入れっぱなしでスタート/ストップできるのは大変便利なので。

余談だが、「ワークアウト」アプリを立ち上げる際に、Siriで「ワークアウトを始める」というとアプリが起動する。のだが、その「ワークアウト」というアプリ名を失念してしまい、「アクティビティを始める」とか、「ムーブを始める」とか、いろいろ試してしまった。アプリ名を知らないとSiriは使えないことを思い出させられた。

デバイスメーカーからすると自社のプロダクトおよびサービスで囲い込みをしたい気持ちはよくわかるが、ウェアラブルな製品はそれ単体ですべての状況に対応するとは考えがたいので、サービスでの相互乗り入れや互換性はやはりほしい。


まとめ


まだ、世のアプリ開発側がApple Watch前提になっていないために、いろいろな迷いが生まれているが、これを機に、ウォッチ型端末への期待値の標準化がなされていくだろう。で、もうちょっとできることのスタンダードは収束していくことと思われる。これは供給側も利用側も双方についていえる。こうしてみると、Apple Watchだけでなく、iPodにしても、iPhoneにしてもApple製品は世のデバイス生態系の標準化がなされていくことに関して常にリードをとれているということが見て取れる。

加えて、Siriの活用を前提としたアプリの使い方、情報の提供についてもApple Watchをきっかけによりこなれていくことが考えられるが、これはまだかなあ。


PostScript


ちなみに、このテキストは同時期に出た新型MacBookで書いてみている。今回久しぶりに既存マシンからのデータ移行を行わず、アプリもクリーンインストールして、データはDropBoxとiCloudにての移行。特に問題はなくセットアップできたが、いかんせんUSB Type-Cしか端子がついていないマシンなので、無線LANにての同期しかない。いやー、時間がかかった。

前評判が悪い新型キーボードは、JISキーボードだとたぶんぜんたいが若干左に寄り気味な感じで微妙なタイプミスが頻出している(トラックパッドとの兼ね合いもありJIKのあたりにストレスを感じる)。覚悟していたストロークは思ったより抵抗はない。むしろMacBook Airに戻ったら深すぎて違和感を感じた。せっかくなので?、ローマ字ではなくカナ入力を1時間くらい試してみたが、まだなれないのでローマ字に戻してしまった。

USB Type-Cは形状もLightningとにていて紛らわしい。これはType-C一本に集約するのであろうと思われるが、しばらくはType-CとMicro USBとLightningとで混乱しそう。意外に便利だったのが、USB同士ということでANKERのPowr IQ USB充電アダプタでMacBookが充電できたこと。サードパーティの対応も含め、こっちが標準になるのかな。