ニチイ学館 広報誌『Tomoniile[ともにーる]』

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プロジェクト概要

[ターゲットと目的]
ニチイのサービスのご利用者やそのご家族、協業パートナー様、また自社スタッフやその家族まで含む全ステークホルダーに向けて、ニチイの取り組みを伝える広報誌です。

 

[リニューアルの背景]
元々の主事業であった「医療」「介護」の情報誌として発刊していた『Tomoniile[ともにーる]』を、会社の事業領域の拡大を見据え「教育」「保育」の2事業を加え、ステークホルダーに対して、ニチイの事業内容の理解促進を目的とした広報誌としたい。そして、「広報誌も会社の成長に合わせて成長する内容に変えたい」という意図でリニューアルのご依頼をいただきました。しかし、取り組みの内容は専門性が強いため、専門用語なども多い中、どうやって一般読者にわかりやすく伝えるかが課題でした。

 

 

問題解決までのアプローチ

1.「Tomoniile」ならではのコンセプトを設定
冊子の個性・切り口を強めるために、1冊を通してのコンセプトとして「読まれるだけでなく、使われる・伝播していく広報誌」を掲げました。

 

2.活用シーンの設定
より読者のニーズに近い企画を組み立てる上で、読者が情報をどのようなシーンで読み、どのように活用するかを予測し、企画内容に反映していきました。

 

3.「役立ち感」「お得感」の強化
読者が思わず「これは役に立つかも」と気になってしまうようなフック、「さくさく読みやすいのにしっかり学べたな」と感じられる豊富な情報量を意識しました。

 

4.人の顔と生の声を増やす
お客様・スタッフ双方の顔が見えることで増す信頼感や記事の信憑性、生の声だから得られる共感などを重視し、それらを多用したコンテンツを設けました。

 

 

クリエイティブのポイント

●やさしい・やわらかい・あたたかい雰囲気に「視認性」をプラス
全体の淡い雰囲気を生かしつつ、読者層には高齢者も含まれることから、見出しや本文等の文字情報は大きさ・太さ・行間をしっかりと維持し、高い視認性を意識しています。

 

●デザインのメリハリで拾い読みしやすい誌面
すべて読まれる前提ではなく、何か一つから読者の目にとまるように、デザインのメリハリで一番伝えたい情報をしっかりと立たせ、「どこに」「何の」情報があるかを一目で伝えることを大切にしています。

 

 

 


お客様インタビュー(株式会社ニチイ学館 様)


 

株式会社ニチイ学館様は、「やさしさを、私たちの強さにしたい。」をブランドスローガンに、医療関連事業・ヘルスケア事業・教育事業・保育事業・生活支援事業を展開、誰もが安心して暮らすことのできる社会の実現に努めている企業です。

 

創刊から4年になる『Tomoniile[ともにーる]』は、全ステークホルダーを対象に事業を紹介する広報誌。2012年のリニューアル時から、コンセントでお手伝いしています。

 

リニューアルの背景や広報誌に込められた想い、企画・制作していく上での考え方などから、広報誌のあり方をお聞きするべく、広報課の関様、山崎様にお話をうかがいしました。

 

Index

■1.「常に近くにありたい企業」という想いを込めて
■2.企業が成長した。だからツールも成長を
■3.部門をまたぎ、一緒につくっていくことで、有効性の実感に
■4.効果測定では、仮説の設定が重要
■5.お互いでよりよいものをつくっていける環境を
■6.手を抜いていい企画はない
■7.「共感」が判断のポイント
■8.目的は「広報誌をつくること」ではなく、「ニチイを好きになっていただくこと」

 

お話をおうかがいした、株式会社ニチイ学館の関 隆顕 様<写真右>と山崎 駿祐 様<写真左>

 

 

 

■1.「常に近くにありたい企業」という想いを込めて

 

 

—広報誌『Tomoniile[ともにーる]』はどのような目的でつくられているのでしょうか?

 

【関 様】
ブランド・スローガンにもありますように、“やさしさ”をキーワードに、当社サービスに接している皆さまに、ニチイという会社を知っていただきたい、好きになっていただきたいと思い、つくっております。

 

対象としている方々は、介護サービスのご利用者様といったお客様とそのご家族、医療機関など取引先の方々、教育講座の受講者様や私たちスタッフ、スタッフの家族…というように、全てのステークホルダーです。
たとえば医療事業との接点だけお持ちの方にも他の事業への理解を深めていただきたいと考え、広報誌では医療・介護・教育・保育というニチイの4事業を紹介しています。

 

 

ー『Tomoniile[ともにーる]』という名前の由来を教えてください。

 

【関 様】
発刊当初は、「医療」と「介護」にかかわる人、それらを必要とする全ての人とともに歩みたいという想いで、『ともにーる(Tomoniile)』と命名しました。また、リニューアルのタイミングでも、“お客様をはじめ当社と関わる全ての人と常にともにある”という想いを込め、『ともにーる(Tomoniile)』を引き継ぐことにしました。
今でも、常にお客様と近い存在でありたい、好きになっていただける企業でありたいという想いでつくり続けています。

 

「常にお客様と近い存在でありたい」と命名された広報誌『Tomoniile[ともにーる]』

 

 

 

■2.企業が成長した。だからツールも成長を

 

 

—リニューアルのきっかけをお聞かせください。

 

【関 様】
2012年5・6月号(vol.19)がリニューアル第1号になるのですが、検討自体は2011年から始めていました。
当時は、保育事業や語学事業をスタートさせるなど、転換点を迎えていた時期。一方、その頃の『Tomoniile[ともにーる]』は、医療事業や介護事業といった以前の主力事業に絞った内容でした。

 

事業領域が拡大するのだから、ニチイのことを伝える広報誌として内容を広げるべきだと考え、運用面での課題もあり、リニューアルをしようということになりました。

 

 

—事業領域の拡大に合わせてのリニューアルだったのですね。

 

【関 様】
そうですね。企業が成長した、だからツールも成長させる必要がある、と。

 

経営企画本部 広報部 広報課 課長補佐 関 隆顕 様

 

 

 

■3.部門をまたぎ、一緒につくっていくことで、有効性の実感に

 

 

—どのような社内体制でつくられているのでしょうか?

 

【関 様】
私たちが扱う情報は、どうしても専門的になり敷居が高く感じられてしまいがちですので、お客様やニチイのスタッフといった「人」を通して事業を理解していただきたいという想いがまずありました。
『Tomoniile[ともにーる]』では、医療・介護・教育・保育の4事業それぞれのページを設けているのですが、各事業でどんな人を紹介するべきか、その人選にあたって、医療なら医療関連部門、ヘルスならヘルスケア関連部門の方に意見を聞けるように、各事業部にも広報誌づくりに参加してもらい、毎号、企画を一緒に考えるようにしています。

 

事業部のニーズに応えながら一緒に企画をつくっていくと、自分のやりたいことがカタチになるので、有効性を実感してもらえます。お客様からいかに気に入って読んでいただいているか、事業部の活動にどのように活用できるかといったことなど、広報誌の有効性が見出せることで、より積極的に参加してもらえるようになってきていると感じています。

 

 

—有効性というのは具体的には?

 

【関 様】
社内でアンケートをとった時に、「営業先での会話の糸口になった」「それをきっかけに次のアポイントや資料請求につながった」「そこから最終的に受託に結びついた」という声もあり、そういった点で非常に効果的なのではと思っています。

 

『Tomoniile[ともにーる]』には、たとえば医療制度改正などその時期に応じたテーマを扱う特集企画があります。「専門分野の方だけではなく、一般のお客様が読んでもわかりやすく」ということを心がけているのですが、医療機関のお客様から「社内研修の資料としても使っています」というお声もいただきました。難しい情報を噛み砕くことで、より整理されてわかりやすくなったということがあるのかもしれません。
また、『Tomoniile[ともにーる]』を見て「うちも出たい」と言ってくださる法人のお客様もいたりと。そういったお声をいただくのは非常に嬉しく思っています。

 

広報誌の存在価値を高めていくためにも、部門をまたぎ一緒につくっていく体制や、社内でのコミュニケーションは大事じゃないかなと思いますね。

 

 

 

 

■4.効果測定では、仮説の設定が重要

 

 

—コーポレートサイトや広報誌の存在意義を社内に示していく上で、たとえばその媒体の存在が直接売上につながったと実証するのは難しい、効果測定をどうしたらよいか、という課題を抱える企業も少なくないと思います。
なにか工夫されていることがありましたらお聞かせください。

 

【関 様】
以前参加したセミナーで、ある方が「効果測定こそクリエイティブが求められる」というようなことをおっしゃられていて、すごく共感できました。

 

広報誌に対して社内で重要性を認識してもらっています。ただ予算をたてて行っていることですので、『Tomoniile[ともにーる]』の存在意義を社内に示していくことは広報担当者の大事な仕事の一つだと思っています。

 

効果測定では仮説の設定が非常に重要だと感じています。「広報誌の発行を通して実現したいこと」や「コンセプト」などを設定し、「こういう広報誌をつくり、このように運営・展開すれば、こういった目的が実現するのでは」という仮説をまず立てます。そしてその仮説を検証するためには、どのようなデータをとればいいのか、どう分析すればよいのかを設計していく。

 

社内アンケートなどを通して実際の使われ方を定性的に評価すると同時に、コーポレートサイトへの送客数やそこからの契約数といった定量的な側面も複合的にみて判断をしていく、という方法は一つあると思います。
「いかに戦略的に仮説を立てて実施していくかが大切」というところは意識していますね。

 

 

—まずは仮説を立てて、それを検証するためにはどんな事実をみればよいかを設計する、ということですね。

 

【関 様】
私たちも今、完全にできているというわけではなく、まだまだ発展途上だと思っています。

 

 

 

■5.お互いでよりよいものをつくっていける環境を

 

 

—先ほどお話にあった「専門的な情報をいかにわかりやすく伝えるか」ということがリニューアルのキーポイントの一つだったと思うのですが、 この点でパートナー企業にどのような機能を求められたのでしょうか。

 

【山崎 様】
リーディングカンパニーとしての啓蒙活動もしていきたいという考えがありましたので、情報発信をするにあたり「一般の方にとってもわかりやすく」というのは重要な要素でした。

 

経営企画本部 広報部 広報課 山崎 駿祐 様

 

パートナー選定にあたってはコンペを開催しましたが、専門的な情報が多いので、パートナー企業には私たちの意図を掴んでもらい、内容をきちんと理解して一緒に運用していただきたいと考えていました。そして、これがコンセントさんを選んだ理由でもありました。
コンペ時の要件に対して、スタッフそれぞれの方が共通認識をもっていたところと、「誌面をよりよくするためにこうした方がいい」と熟考し、的を得た質の高いオリジナルの提案をいただけたところが決め手です。「こうしたいんだ」という一方的なものではなくて、お互いでよりよい広報誌をつくっていこうとする環境ができるのではと感じました。

 

 

 

■6.手を抜いていい企画はない

 

 

—広報誌をつくるにあたって、気をつけていることを教えてください。

 

【関 様】
1年1年継続していくわけですが、「ルーチンにならないように運用する」ということには気を遣っています。お客様もずっと読んでくださるとは限らないですから、手を抜いていい企画というのはないんです。

 

制度の話など、年間である程度目処が立つものもありますが、旬のネタなど、その時々によって変動する要素があります。ですから、今号は誰を紹介しようかとか、インフォメーションでは何を伝えようかなど、事業部とも調整しながら情報収集をしたり企画構成を考えています。

 

 

—社内の情報を集めるのは大変ではないでしょうか。

 

【関 様】
『Tomoniile[ともにーる]』に関して言えば、各部門に担当者がおりますので、彼らとの定期的なコミュニケーションを通して情報が集まってきます。ただ私たちは広報課ですので、日々の広報活動の中で収集した情報を分解・再構築して、それを企画におとしていくようにしています。企画会議も毎号必ずやるようにしていますし。

 

各部門の担当者との協力体制という太いラインを整えた上で、流動的な企画に関してはスクランブル体制で取り組むようにしています。たとえば、2013年3・4月号(vol.24)に掲載した「ニチイケアセンター石巻」の記事。関係者と連携しながら、再開したという事実をただ発信するのではなくて、再開に込められた社内の想いを読み解いていって、誌面のどの位置でどういうかたちで扱うのがいいのかと、検討に検討を重ねていきました。コンセントさんにも、ここにこういうふうに掲載したらどう影響があるのかというところから、一緒になって考えていただきました。

 

関係部門と連携しながら「背景にある想い」が伝わるようにつくることが大切

 

 

—ルーチンでこなすのではなく、伝えていくべき情報と伝え方をその時々に応じてしっかり考える、ということですね。

 

【関 様】
毎回必ずというわけではないですが、各事業部と連携をとり現場の声を聞きながら、いい誌面づくりをしていきたいという想いがあります。「特集はこう」「事業部ページはこう」というように毎回コーナーが決まっているからこの原稿を出して、というのではなく、その時々によって変わる戦略やニーズを一緒に考えながら誌面をつくっていけると非常にいいのではと思います。「一緒に参加してもらう」ことが大事なのではと。
今後も、事業部と連携しながらこういった企画を増やしていきたいと思っています。

 

 

 

■7.「共感」が判断のポイント

 

 

—『Tomoniile[ともにーる]』には、人の笑顔があふれていますね。写真や冊子全体からやさしさが伝わってきます。

 

【関 様】
撮影は毎回大変です(笑)。「今回こういうかたちで撮ってみたらどうだろう」ということは、コンセントさんにもご相談させてもらっています。

 

 

—写真1枚で伝わる印象が変わりますものね。

 

【関 様】
はい。やっぱり「やさしさ」をキーワードにしていますし、「人を通して伝える」というところに重きをおいていますので。そこをルーチンにしてしまうと、コンセプトが損なわれてしまいますから。

 

 

—企画や写真、デザインを判断するときの軸が、「やさしさ」「人を通して伝える」ということなのですね。

 

【関 様】
そうですね。あとは「読んでいただいている方にいかに共感していただけるか」という点です。

 

先ほどの「ニチイケアセンター石巻」の記事にしても、まず見て再開の背景が伝わる、読んで理解していただける、その上で「なるほど」「すばらしい」と共感していただけるように。それが叶えられるかという点が判断の基準になっているのだと思います。

 

 

 

 

■8.目的は「広報誌をつくること」ではなく、「ニチイを好きになっていただくこと」

 

 

—リニューアルの手応えはいかがでしたか?

 

【関 様】
実感できる効果はありました。実際の使われ方やお客様の反応を見て、営業として非常に使いやすいツールとして活用されているなと。先ほども申しましたが、取引先のお客様から研修の資料として使ってもらった、という声を聞きますと、リニューアルした効果はあったのではと実感しています。

 

ただ、『Tomoniile[ともにーる]』を見て、ニチイのことを好きになっていただいたか、共感をしていただいたか、というところでは、まだまだやれることはあると思っています。

 

 

—「まだまだやれること」というのは具体的にどんなことでしょうか?

 

【関 様】
私たちのお客様は継続してサービスをご利用いただく方が多く、介護サービスのご利用者様だけでも15万人はいらっしゃいます。それに対して『Tomoniile[ともにーる]』の発行部数は7万〜8万部ほど。つまりお客様全員に届いているわけではないんです。ではもっと刷ればいいのかといえば、予算の問題などもありそう単純にはいきません。
ですので、いかに多くのお客様の手に届けるかというところは課題の一つで、運用面ではまだまだ工夫が必要だと思っています。

 

 

—最後になりますが、今後の展望やコンセントへの要望をお聞かせください。

 

【関 様】
コンセントさんには、単に作り手というよりも、今のように今後もパートナーとして泣き笑いをしながら、私たちと一緒につくっていただきたいと思っています。

 

制作面においては、介護や医療など私たちの取り扱う情報は専門的になりますので、事業内容の理解をより深めていただければと。私たちはどうしても先入観がありますので専門用語を使いがちです。ですからコンセントさんには第三者の目線で、「これはこういうことを言っているのだから、こう伝えるべきだ」といったように、私たちにとって時には耳の痛いことであったとしても、どんどん言っていただきたい。それが結果的に読んでくださる方々のためになるのですから。そういう関係を築いていきたいです。

 

私たちの目的は、広報誌をつくることではなくて、あくまでもその先にある「ニチイのファンになっていただくこと」。広報誌はあくまでもその目的を実現するための手段の一つに過ぎません。目的を実現するためには、どのような媒体でどういうコミュニケーションをとるのが最適なのか、その結果、共感が得られるか否かというところを含めて、プロフェッショナルとしての戦略的、発展的なご提案をいただけると嬉しいですね。

 

【山崎 様】
「もっとこうした方がいい」と議論になったりすることで、一緒につくっている感じがとてもありますし、私も勉強させてもらっているところもあります。
その部分は継続していただきながら、ニチイはこれからも事業が拡大していきますので、それに合わせてコンセントさんも事業内容の理解を深めていただければと思います。

 

 

 

—どんなにいい広報誌をつくっていらっしゃっても、そもそもその存在を知らないと到達しようがないので、知るきっかけとしてWebを使えるようになるといいですよね。大切な観点とされている「共感」をつくれる可能性が、Webにはとてもあると考えています。行動の起点としてのWebの活用を含めたご提案ができるようにしていきたいです。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

(取材・文 株式会社コンセント)

クライアント

株式会社ニチイ学館 様

担当領域

コンテンツストラテジー策定/コンテンツ企画立案, クリエイティブディレクション, アートディレクション, デザイン, 編集/コピーディレクション/ライティング, 撮影/取材, 印刷
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