【レポート】「モバイルファースト時代の企業ウェブサイトのあり方」セミナー

コラム

2012.02.10

広報担当の岩楯です。
1月24日、多目的クリエイディヴ・スペース「amu」にて、「モバイルファースト時代の企業ウェブサイトのあり方」と題したセミナーを開催しました。その様子をレポートします。

セミナーは途中休憩をはさんで3時間を二部に分けて構成。第一部ではコンセント長谷川からモバイルファーストの概念を、第二部ではコンセント塩崎から、モバイルファースト時代におけるコンテンツの考え方をご紹介しました。

 

◆第一部「モバイルファースト時代」の企業ウェブサイトのあり方(講師:コンセント長谷川)

第一部「「モバイルファースト時代」の企業ウェブサイトのあり方」

第一部では「モバイルファースト」の概念を紹介、その後、モバイルファーストを理解するための3つのポイントについて話していきました。

モバイルファーストは、単なるスマートフォン対応のことを指しているのではなく、企画やデザインプロセス等において、モバイル版から先に考えて進めていこうという考え方である、と説明した上で、GoogleやAdobe、Facebookといった既にモバイルファーストを導入している企業を紹介。
モバイルファーストという考え方を理解するための3つのポイントである、

1)モバイル端末の普及による可能性
2)モバイル端末の制約から生まれる選択と集中
3)新しい技術による革新

について話を進めていきました。

PCと比較してモバイルの利用者数が増えていること、ウェブサイトからモバイル版サイトへ利用シフトが起きているといった現状を、数値を見ながらひもといていきました。私物のスマートフォンやPCの業務利用を解禁する企業が増えているといった時代背景もあり、モバイル端末利用の普及をさらに促進しています。
そのため、ユーザーが何らかの情報に触れる際、PCではなくモバイル端末を介してというケースが増えており、企業にとってモバイル端末への早急な対応が、ユーザーとのタッチポイントを設計する上での重要なテーマとなっています。

また、モバイル端末には、PCに比べて画面領域が小さい、通信速度が遅いといった制約があります。情報量が多すぎると、ユーザーが情報にたどりつくのに時間がかかったり、情報を探せないということも起こり得ます。ユーザーが情報を得やすくするためには、そもそもどのような情報が必要とされているのか、優先して伝えるべきコンテンツは何かをあらためて考える必要があります。企業にとって、モバイル端末の制約は、コンテンツの「選択と集中」という機会を生むことになるのです。

さらに、どんな動きでどんなことをさせるかというジェスチャーインターフェイスや音声入力などのモバイル端末の新しい技術により、UIの可能性が広がります。

モバイルファーストの考えを導入することは、「誰に」「どんな時に」「どんな場所で」「どのように」伝えていくのか、新しいコンテキスト(文脈)を考えることとなり、Webコンテンツは今後「より利用者の視点にたったサービス連携」と「状況に合わせた情報提供」が必要不可欠となる。情報をデザインすることの意義が明確となり、コンテンツの中身自体がより重要になってくるという示唆で第一部を終えました。

 

◆第二部「モバイルファースト時代のコンテンツ戦略」(講師:コンセント塩崎)

第二部「モバイルファースト時代のコンテンツ戦略」

第二部の講演では、第一部でのモバイルファーストの考え方や概念を受け、具体的にコンテンツをどのようにつくっていけばいいのかということについて話を進めていきました。

モバイルファースト=スマートフォン対応ではないのですが、制作の現場では、企業の方からスマートフォンサイトについての質問をいただくことが多いため、まずは各社の事例を通して、スマートフォンサイトのUIにどのような特徴が見られるのかをPCサイトと比較しながら紹介していきました。
第一部で話したコンテンツの「選択と集中」が行われていること、選択と集中の結果どのようなUIとなっているか、また設計の際のポイントや注意点などを確認していきました。

基礎知識をつけたところで、コンテンツ戦略へと話を進めました。
PCサイト、携帯サイト、スマートフォンサイト・アプリ、タブレット型コンピュータサイト・アプリと、対応すべきサイトが増える中、全体のコンテンツ群をどのようにつくり運用していけばいいのでしょうか。個別のサイトでは運用できているとしても、全体を俯瞰して管理していくことは難しく、なにから進めたらいいのかわからない、既に対応しているもがもっと効率よく運用できないかなど、企業の方が抱える悩みやはいろいろあるでしょう。

そこでご紹介させていただいたのが「コンテンツストラテジー」です。
コンテンツストラテジーとは「企業のビジネス資産となり得るコンテンツ創出の仕組みとメンテナンスの仕組み」です。

コンテンツインベントリーなどを使い情報の棚卸しや分析を行い、全体・個々のサイト・個々の企画といった各階層ごとに目的や想定ユーザ・評価指標などをコンテンツストラテジーブリーフに落とし込み、運用・評価・改善を行っていくというプロセスで、一過性ではなく、継続的なコンテンツ運用が可能となります。
想定ユーザに対して、どのような目的でコンテンツをつくるか、コンテンツ戦略をシートとして視覚化することで社内共有もしやすく、具体的な情報を取捨選択していくときの基準ともなります。また、実際につくったコンテンツが、ブリーフにまとめた戦略通りになっているかを評価していくことで改善ポイントも見つけやすくなります。

最後に、コンテンツ戦略が見えてきた後、具体的にどのように新しいデバイス運用に対応するか、スマートフォンを例にご紹介。スマートフォンではプロトタイプ作りも簡単なので、コンテンツストラテジーブリーフとUIテンプレートとを用意し、社内でイメージの共有をしていきましょうというご提案でセミナーを終えました。

開催のご案内をさせていただいてからすぐに定員を超えるお申し込みをいただき、本テーマへの関心の高さをあらためて実感したセミナーとなりました。

 

今回のセミナーでご紹介したコンテンツストラテジー実践ツール「コンテンツストラテジーブリーフ」は、コンセントラボにて公開しています。
Contents Strategy Brief(コンテンツストラテジーブリーフ)

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