ラボ

2015.01.22

※本コラムは、2014年12月1日発売の宣伝会議1月号への寄稿原稿のオリジナルです。


データで示されるCX向上の必要性


近年、企業にとって、カスタマーエクスペリエンス(以下CX)をどう扱うかという議論は、サービスクオリティをどう上げるか、顧客満足度をどう高めるかというものから、ブランドや事業そのものをどうデザインするかという、より大きな課題へとシフトしています。

米国における調査では、顧客の89%が不満足なCXが原因で他のブランドに乗り換えている、と回答しています(RightNow社『The 2011 U.S. Customer Experience Impact (CEI) Report』より)。つまり、CXのクオリティというのは、個々の商品やサービスだけの一時的な成果にとどまらず、継続的なブランド構築に対する重大なリスクとして慎重に取り扱うべき課題となってきているのです。

実際に、Oracleのカスタマー・エクスペリエンスに関する調査の報告書「Global Insights Succeeding in the Customer Experience Era」のなかで取り上げられている世界各国の企業経営幹部へのアンケートでも、有益で一貫した、ブランドにふさわしいCXを提供できないために生じる損失が年間売上の20%におよぶと推定しています。また、93%の経営幹部が、CXの改善は今後2年間の最優先課題上位3つのうちの1つであると答えています。

このように企業のCXへの対応は、世界的に見ても注力しなければならない課題として緊迫感が増しているのが、データからも見てとれます。


CX向上に有効なサービスデザイン


では、有効なCXを構築するにはどうすればよいのでしょうか。

その答えのひとつは、自社の既存の商品やサービスを基準に最適なCXを考えるのではなく、CXを基点として商品やサービスそのもの、ひいては組織構造自体をダイナミックに最適化させていくという視点の転換です。

そのようなCX基点でのアプローチとして有効なのが「サービスデザイン」です。
サービスデザインの「サービス」とは、飲食業などの「サービス業」だけではなく、製造業も含んだあらゆる事業活動を指しており、サービスデザインは、「モノ」ではなく「コト」を優先的な判断基準とする考え方である「サービス・ドミナント・ロジック」(※)がもとになっています。

これは、顧客に提供されるものは全てが「サービス=コト」であり、「モノ」はその構成要素のひとつにすぎないという考え方です。

CXの本質は、顧客が感じる価値にもとづいた「コト」を企業が提供できているかということ、そして、その「コト」が顧客行動の中の複数の接点(タッチポイント)、チャネルにおいて、一貫したものとしてデザインされ、実際に顧客に届けるための企業内オペレーションや組織設計にまで踏み込んで最適化が図られているかということに尽きます。(図1)

(図1:顧客の体験価値は一貫性を伴ったものとして扱う必要があり、チャネルを横断した視点をもつことが肝要)

サービスデザインがCX向上に有効なのは、「コト」を中心として事業全体を再構築するためのアプローチが明確に示されており、顧客にとって価値ある「コト」とは何か、それを一貫して提供できる方法は何か、双方を同時に検討できる点です。

※「サービス・ドミナント・ロジック」について詳しくは以下を参照してください。
ラボコラム|UXの本質について

 


具体的なプロセス


例えば、カスタマージャーニーマップについて考えてみましょう。カスタマージャーニーマップとは、サービスと顧客行動との関係性を可視化するツールです。タッチポイントはどこか、そこに内在している顧客感情や期待価値、文脈性(そのサービスを使用するにあたってのシチュエーション、時間的要因や、物理環境、人間関係など)は何かなど、全てを俎上にあげて最適なCXを議論するために用いられます。

各タッチポイントにおける価値ある「コト」=「体験価値」がカスタマージャーニーマップにより明示されたら、それを具現化するために顧客が実際に触れられる(Tangibleな)接点としてのインターフェース(製品自体の性能なども含む)を検討します(図2:Interaction Design)。あるいは、そもそも顧客にとっての「体験価値」が何であるかが不明瞭な場合には、エスノグラフィ調査などを行い、顧客の観察を通じた「体験価値」の抽出、明示化を行い、それに基づき、既存製品・サービスの改良やビジネスモデル自体を再検討することもあります(図2:Service Design)。

コンセントでは図2のように「Service Design」「Activity Design」「Interaction Design」という3ステップのフレームワークを用いて問題の切り分けを行い、課題解決を図っています。

(図2:構造化シナリオ手法をベースにコンセントで開発し実践しているサービスデザインのフレームワーク)

このようにサービスデザインのプロセスでは、全体を通して一貫したブランディングを実現するため、どのタッチポイントにCXを阻害する要因があるのか、ブランド棄損の可能性があるのか、費用を投下すべきタッチポイントはどこか、どのタッチポイントに不可避な問題が存在していて、そのリカバリーをどこですべきかなど、カスタマージャーニーマップなどのツールを用いて顧客行動を中心とした検討を行い、企業が総合的に行うべきタスクを明らかにします。


コミュニケーション環境の変化


また、顧客と企業のタッチポイントを考える上で、近年とりわけ重要になってきているのが、ソーシャルネットワークなどのコミュニケーション環境の変化です。

顧客にとって体験価値を満たすCXを提供できた場合には、ソーシャルネットワークによってポジティブなレビューとしてシェアされ、新たな顧客を獲得できるでしょう。しかし、顧客の期待に満たないCXの場合には「炎上」を引き起こし、深刻なブランド棄損につながってしまうことも考えられます。

一方では、サービスに対する顧客のレビューが企業に対する評価、フィードバックとして機能し、それがさらに他の顧客の共感を集め、「ここはもっとこうした方がよい」といったポジティブな意見が集団的にどんどん集まるケースも見受けられます。

ソーシャルネットワーク登場以前では、企業は商品やサービスそのものの品質を上げ、プロモーション活動と合わせてブランド価値を「積み上げていく」という視点で考えていればよかったのですが、現在では、企業側がコントロールできないソーシャル・ネットワークでの顧客行動も含めて、マネジメントを行う必要性が高くなってきているのです。

そのマネジメントをする際に必要なことは、顧客とともにサービスを「創っていく」という視座をもち、顧客のシェアやフィードバックを、事業継続のためのKPIとして捉え、PDCAサイクルを回していくことです。幸いにも、ソーシャルネットワークの普及によって顧客の反応は可視化されますし、定量的に計測することも可能です。把握が難しい場合にはソーシャルリスニングツールを利用するのもよいでしょう。

こういった共創的な姿勢を見せる企業には、顧客の評価も多く集まり、さらなる事業拡大を目指すことも可能となります。

企業にとっては、顧客ニーズを探るためのリサーチ費用、そして結果的には開発費用までもを抑えることができ、また、新たな顧客創出のための広告費も圧縮することができます。このように企業が顧客と共創的関係を築くことは企業にとって大きなベネフィットとなります。

ソーシャルネットワークを介したこのような顧客との関係性は、もはや全ての企業にとって避けて通れないものとなっています。CXの良し悪しでビジネスの成否が大きく関わるような状況にあるのです。

私がクライアントワークでデザインしたサービスでも、明確に「どんな顧客」が共創的な立場で振る舞ってくれるかをモデル化し、彼らのために有効なCXは何かといったことを、サービス立ち上げ前の段階で明示化し、共創関係を非常に重要視して開発を進めています。


企業のCXへの対応状況


このようにCXはあらゆる点で重要視すべき存在ではありますが、企業としては課題を多く残しているのが現状です。一貫した体験価値の提供ができない組織的課題があるのです。

冒頭でも取り上げたのと同じ報告書(Oracleのカスタマー・エクスペリエンスに関する調査の報告書「Global Insights Succeeding in the Customer Experience Era」)のなかでも、企業内には最適なCXを提供するにあたっての障害がさまざまなレベルで存在していることが示されています(図3)。まさに、あらゆる経営資源を、体験価値にもとづいて見直す必要が出てきているのです。

(図3:テクノロジー、組織構造、投資と、最適なCXのためには、組織内のあらゆる部門が同じ視点で行動を起こさなければならない。)

そのためには、前述のカスタマージャーニーマップのようなツールを企業内の共通言語として機能させ、企業全体をシームレスに動かすことが必要です。企業内のバリューチェーンごと、事業ドメインごとの縦割りでのアクションではなく、顧客価値を最適化するために企業全体の意識をCX基準で統一することが求められています。

また一方で、私が所属するコンセントには、その企業の事業ドメインを、これまで異業種と捉えてきた企業(例えばAppleなど)から侵食される恐れがあるので、対策を講ずべくサービスをリデザインして欲しいとった依頼をいただくことが少なくありません。CXに対する信頼性を得た企業はそれを武器に他業種への参入が容易になります。技術やその他のリソースは後からついてくるもの。AppleやGoogleなどの買収戦略をみれば容易に想像がつくと思います。そういった危機感は現場に立つ者としてひしひしと感じています。


顧客が必要とするCX


CXをデザインする際に重要なことは、 全てのタッチポイントに一貫性をもたせること。CXをマクロな視点(経営)と、ミクロの視点(個別タッチポイントのインタラクションデザイン)の両方から精緻にデザインすること。独自性がありながらも安全性などの基本的な要素をおさえたCXであること。接する時間の長いCXであること。生活を本質的に豊かにするCXであること。感動を与えるCXであること。

顧客に信頼されるCXをデザインし、エンゲージメントを高める取り組みが早急に求められています。

執筆:大崎優(株式会社コンセント サービスデザイナー/アートディレクター)

 

【執筆者プロフィール】
サストコ|大崎優

【関連リンク】
ニュース|『宣伝会議』1月号掲載
ニュース|ビジネスや社会を変える「サービスデザイン」の実践的プログラムを提供

2015.01.15

こんにちは。サービスデザインチームの阿部です。

今回は、2014年11月25日にサムスン電子ジャパン株式会社様(以下、サムスン電子ジャパン様)の社内向けに開催した、サービスデザインのセミナーをご紹介します。

こちらのコラム読者のみなさんはご存じの通り、サービスデザインに関する世の中の興味関心は、近年ますます高まる一方です。

プロジェクト単位での実践はもちろんのこと、会社組織全体へのサービスデザインの浸透を目指す動きもあります。しかし、サービスデザインに関し、その意義と定義について、組織全体が共通の理解をもって活動できているとは言い難いのが現状ではないでしょうか。

そのためか最近では、サービスデザインに関する組織としての学習意識がより一層高まっているように感じられます。実際、コンセントへのレクチャー依頼も増加傾向にあり、私がこうやって記事を書いている間にも、別のセミナープロジェクトが複数動いています。

さて、今回のサムスン電子ジャパン様でのセミナーで講師を務めたのは、コンセントのサービスデザインチームのリーダーである大崎です。サービスデザインの講演や講義というと、Service Design Network日本支部の共同代表でもある、コンセント代表の長谷川が務めている印象が強いと思いますが、最近は、現場でプロジェクトを日々こなしているメンバーが担うことも珍しくありません。

長谷川の講演がどちらかというと概念的で抽象度が高いのに対し、サービスデザインチームのメンバーによるレクチャーはより実践的です。試行錯誤のうえ体系化してきている自分たちの経験から話をすることも多いためか、企業の担当者様も素朴な疑問を投げやすいようで、リアルなディスカッションにつながることも多々あり、セミナー終了後の参加者のみなさんの納得度も高く感じられます。

(レクチャーするサービスデザインチームリーダー大崎)

さて、企業内セミナーというと、本来であれば企業様との守秘義務上お伝えすることができないケースが多いのですが、今回はサムスン電子ジャパン様のお取り計らいにより、プログラムの概要について簡単にご紹介したいと思います。

そもそも今回セミナー開催をご依頼いただいた背景には、サムスン電子ジャパン様社内で各自の立場によって考え方が異なり、なかなか一人一人が共通の理解のもと取り組むことが難しいサービスデザインについて、改めて全員で一緒に考える機会をもち、今後の進むべき方向性や個々の役割を再認識し、積極的にサービスデザインのプロジェクトを各自推進していけるような組織をつくっていきたい、というご担当者様の熱い想いがあります。

もちろんサムスン電子ジャパン様でも、プロジェクトにおいてUX、サービスデザイン観点の取り組みはすでにおこなわれていました。しかし、世の中のサービスデザインを実践している多くの企業と同じように、まだ取り組み始めて間もないこともあり、セミナーを受講するまでは社員のみなさん一人一人の知識と認識にばらつきがある状況でした。

そのため、今回のセミナーでは、サービスデザインに関して共通の理解を得るとともに、これから個人として、そして組織としてどのように取り組んでいくべきかの示唆となることを目指して設計することにしました。

(セミナー中の様子)

そこでセミナー前半では、サービスデザインとは何か、その本質をまず理解していただくことに重点をおいてレクチャーすることとし、サービスデザインを実践していく上で重要となる「サービス・ドミナント・ロジック」の考え方から、実際のプロジェクトにおける具体的なサービスデザインのプロセスにまで踏み込んでサービスの実例を交えてご紹介しました。

後半では、サービスデザインを実践していく上での企業組織のあり方について、現状の企業組織における課題点からあるべき組織の姿についてまで言及。セミナーの最後には、「サービスデザイン組織課題発見シート」を用いて、自分たちの組織が抱える課題と今後向かっていくべき方向性について洗い出すワークショップをおこない、それをもとにディスカッションをしました。

(ワークショップで使用したワークシート。各自で黙々と記入するタイプのものではないところがポイント。このシートをもとに、セミナーの最後にディスカッションをおこなった)

(コンセント代表の長谷川もディスカッションに参戦)

今回のセミナーは、さまざまな職種や立場の方々が参加されたこともあり、今後の組織としてのあり方や個々人の動き方について相互理解が進み、活発的な議論ができたという印象です。また、セミナー終了後にはご担当者様から「メンバーからの評判もよく、取り組んでいくべき課題を再認識し、課題に向き合うモチベーションを上げることができた」との言葉をいただくことができました。

最後になりますが、コンセントでは、こうした企業内セミナーを含め、世の中へのサービスデザインの普及と啓蒙に積極的に取り組んでいます。

昨年後半からは、武蔵野美術大学が運営するD-LOUNGEにて、サービスデザインに関するレクチャー・ワークショッププログラムを提供しており、またコンセントの半社内勉強会「Service Design Salon」は社内外問わず、どなたでもご参加いただけるオープンな勉強会として不定期に開催しています。サービスデザインに関心がある方にはおすすめです。

なお、サービスデザインチームへのセミナーや執筆依頼などございましたら、コンセントサイトのお問い合わせフォームよりご相談ください。

講演・セミナー・取材の依頼やご相談

【執筆者プロフィール】
サストコ|阿部啓悟

【関連リンク】
ニュース|ビジネスや社会を変える「サービスデザイン」の実践的プログラムを提供

サストコ|オープンな勉強会「Service Design Salon」

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※ Service Design Salonの開催情報等をお知らせしています。

2014.12.26

こんにちは、サービスデザインチームのデザイナー 小山田です。

今回は、2014年11月5日に開催された、Vinay Venkatraman(ヴィネイ・ヴェンカトラマン)氏をお招きしたセッションの模様をレポートします。

このセッションは、「Roundtable discussion on “data-driven human-centric innovation”」と題されたもので、株式会社リ・パブリック様(http://re-public.jp/)が主催し、コンセント共催で開催しました。また、会場となった西麻布のco-lab(http://co-lab.jp/)はクリエイターのためのシェアード・コラボレーション・スタジオで、春蒔プロジェクト株式会社様からご提供いただきました。

会場は、西麻布co-lab地下1階のフレックススペース。

まずは、ヴェンカトラマン氏について、イベントの案内文から抜粋してご紹介いたします。

ヴェンカトラマン氏は、コペンハーゲンで今、最も注目を集めるデザイン教育機関 CIID(Copenhagen Institute of Interaction Design)のCo-founderであり、イノベーションプロバイダー Leapcraft(http://leapcraft.dk/)のCEO & founderです。また、デンマークのデザイン政策をリードするDDC(Danish Design Center)とともに、Big Dataをデザインの力で活かし、新たな産業に結びつける人材育成のための機関 Big Data Viz Academy(http://bigdataviz.dk/)を設立。ここで提供されているプログラムは、データサイエンスとデザインの両側面を学ぶことができる画期的なプログラムとして、世界中から注目を集めています。

「データサイエンスとデザインの両面を結びつける活動」と聞き、セッションでご紹介いただく内容も非常に難しいのではないか、と緊張して当日を迎えました。しかし、実際のヴェンカトラマン氏の語り口は柔らかく、参加者を交えてのディスカッションも、軽食とお酒をいただきながら行われとても和やかな雰囲気でした。

ときおりジョークを交えつつ、落ち着いた雰囲気でお話されるのが印象的だったヴェンカトラマン氏。

ダイジェストではありますが、以下に当日のセッション内容を、ヴェンカトラマン氏の印象的なジョークをお借りして、2部構成にてご報告します。

・Part1 – How we make the money
・Part2 – How we lose the money

 


Part 1 – How we make the money


ここでは、ヴェンカトラマン氏の自己紹介、“データ”についてのお考え、そして、ご自身が率いるLeapcraftの実際のプロジェクトの3つを中心にお話しいただきました。

氏は、もともとインダストリアルデザイナーとして、照明や家具などのプロダクトデザインを行っていたそうです。彼は、“データ”をベークライト(フェノール樹脂、いわゆるプラスチック)になぞらえ、現代のデザイナーにとっての“A new raw material for innovation”だと定義します。

Ericsson 1950s bakelite telephone.jpg

EricssonのDBH15。ベークライトの登場で、自由な造形が可能になった。

Ericsson 1950s bakelite telephone” by ChristosVOwn work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

その新しい素材である“データ”を使って、Leapcraftが手がけた事例はどんなものなのでしょうか。

 

■The Copenhagen Intelligent Traffic Solutions

その1つが、CITS(The Copenhagen Intelligent Traffic Solutions)と呼ばれる、自転車に乗る人の利便性向上のための都市の交通状況のビジュアライゼーションとシミュレーションです。
各種センサーを利用し、自動車、自転車、人の動きをデータとして取得します。それによって、クラウドベースのソフトウェアを通じ、交通状況のリアルタイムモニタリングを可能にしました。また、各種のパラメータ(交通量、天気、道路工事、特別な行事など)を変えることで、交通量変化による渋滞発生のシミュレーションも可能にしています。

CITS The Copenhagen Intelligent Traffic Solutions(http://leapcraft.dk/cits/

CITS project from Leapcraft on Vimeo.

 

■Preventive Medicine

もう1つは、コストが増大し続ける医療分野で、データを予防医療に活用したプロジェクトです。

医療費の増大が課題になっているのは日本も同じですね。

このプロジェクトは、医療機関を受診する方の性別や年齢のデータを使い、グラフにすることで、どの時間帯、時期に、どんな利用者が多いのかがわかるものです。たとえば、子どもの患者が多い時間帯や、休暇中は患者数が減ること、など(ちなみにクリスマスの前後は、全体的な患者数が減るそう)。
データを可視化することで、背景にあるストーリーを見出すことができ、それに対する対応も検討することができるんですね。

プレゼンテーションの合間には、会場からの質問に応じて活発なディスカッションが行われました。その中で、「さまざまなスキルやバックグランドをもつ人々を、いかにチームとしてうまく機能させるか?」というものがありました。氏の回答は……「共通言語がないので、エンジニアとエスノグラファーを1つの部屋に集めて、何かが起こるのを信じることにした」というもの。ジョークとして明るく仰っていましたが、異なる分野のプロフェッショナル同士の意志疎通には、たくさんの課題があるんだろうな、と思いました。

 

■The Storytelling

また、これら事例の他にも、どのようにデータをイノベーションにつなげていくかをご紹介いただきました。なかでも、データとデザインの関係性についてのお考えが興味深かったです。

イノベーションのためには、両者は50:50の関係が望ましいものだそう。一方は、Data SkillすなわちAnalytics(分析)、もう一方はDesign SkillすなわちConcepts(コンセプト)。それらがうまく連携し、ストーリーを語れるようにすることが重要なのだと。
また、データをストーリーとして“Serving”する時のポイントとして、想像力の必要性を挙げていらっしゃったのも印象的でした。

データにストーリーを語らせる……。思わず会場の書棚の本を眺めてしまいました。

そこでのスライドにはこんな言葉が書かれていました。
Constraints + Ingenuity = Appropriate Solution (Problem Solving)
Constraints + Ingenuity + Imagination = Frugal Innovation (Value Creation)

制約に対して発明の才があれば、適切なソリューションが生まれるが、これは問題解決型。そこに想像力がプラスされると、イノベーションと価値がつくり出される。

「データは、多面的な真実を含んでいる」とヴェンカトラマン氏はおっしゃっていましたが、そこにデザイナーとして素敵にアイディアを飛躍させる価値や余地があるんだな、と感じました。

このスライドだけでもなんだか素敵なストーリーを予感します。

 


Part 2 – How we lose the money


さて、次のHow we lose the money。こちらは、ヴェンカトラマン氏が取り組んでいる研究グループ Frugal Digital(http://frugaldigital.org/)の活動の紹介でした。

 

■The Tinkering Ecosystem

はじめにスライドを中心に、インドなどでの“Tinkering Ecosystem”をご紹介いただきました。
Tinkering Ecosystemはさまざまな国で見られる現象で、スマートフォンやコンピューターなどのハイテク機器までも、露天商のような小規模な設備で、修理、改造を行っているというもの。これにより、大規模なインフラがなくても、モノの持続可能性を高めた社会を形づくっています。氏いわく、「インドではハードディスク・ドライブもキロ単位で買える」そう(!)。

ムンバイの路上で売られている携帯電話のパーツ。

photo by Meena Kadri

 

そのような環境を背景に、現地の人々を支援するため、低コストで実現できるプロダクトをつくるというのが、氏の取り組んでいる活動です。たとえば、教育関係者のための小型のプロジェクターや、医療関係者のための健康状態を測定するヘルスメーターなど。どちらも携帯電話や目覚まし時計など現地で手に入るものをベースにつくられているということでした。

人々が直面している困難と、周囲の環境の特徴を結び付けて価値を創り出す、素晴らしいプロジェクトだと感じました。目覚まし時計を利用したヘルスメーターの完成品もとても可愛らしくて、想像力とデザインの重要性を強く感じました。

このFrugalDigitalの活動については、氏がTEDで講演をされていますので、詳細についてご興味がある方はぜひご覧ください。

TED Talks ヴィネイ・ヴェンカトラマン:デジタル過疎地での「ハイテク・クラフト」

 


Extra – Concent’s Case


ヴェンカトラマン氏のスピーチの後には、セッションに参加された方による、データを活用した事例のプレゼンテーションが行われました。
コンセントからも、代表の長谷川による、データを活用したIA(インフォメーション・アーキテクチャ)の2つのケーススタディの発表がありました。

ケース1は、アルバイト情報を扱うWebサイトを、データを活用しつつユーザー中心に設計したプロジェクトです。
従来、そのようなWebサイトの情報は、時給や勤務地などのスペック的なもので構成されていました。しかし実際にユーザーへのインタビューを行うと、 “暇つぶし”としてアルバイトを探すといったユーザーの利用文脈がありました。
こうしたインタビューで得られた定性的なデータを分析、構造化し、Webサイトの情報設計に反映することで、ユーザー視点でのアルバイト探しを実現しています。

ユーザーの潜在的なニーズは“暇つぶし”(!)

ケース2は、オーディオ製品を扱うWebサイトで、インタビューなどで得た定性データを形態素解析と共起ネットワーク分析を使ってビジュアライズし、得られた結果からそれらを製品紹介の切り口として活用した事例です。
定性的な情報を分析、活用することで、ユーザーセンタードなアプローチが実現できるという事例でした。

***

ビッグデータと呼ばれる大量のデータだけではなく、定性的な調査で得られるデータもまたデータ。さまざまなアプローチで、ユーザーにとって新しい価値をつくろうという目的は共通しているんだな、と感じたセッションでした。

【小山田那由他プロフィール】
http://sustoco.concentinc.jp/from-editors/2012/11/nayuta-oyamada/

2014.11.12

サービスデザインチームのデザイナー、星です。
普段の仕事では車載情報機器のユーザビリティ評価、情報設計、デザイン、モックアップ制作などをしています。

さて、この前の週末にCarPlay対応車載機(Pioneer SPH-DA700)をクルマに取り付けたので、都内までの通勤で早速使ってみました。簡単にですが以下、所感を残しておきます。

Apple CarPlay
https://www.apple.com/jp/ios/carplay/

【良いところ】

普段iPhoneを使ってる人にとって「メッセージ」を運転中にハンズフリーで操作できる点は、Siriの認識精度によるところが大きいとはいえ良い(電話と音楽だけなら今までのBluetooth接続をサポートした車載機でも可能)。


「マップ」での経路案内は降車後も継続できるので、目的地から離れた場所にクルマを停める場合はありがたい。同様に「ミュージック」では車内で聴いていた音楽を降車後続けて聴けるので、共に体験の連続性がある点は良い。

【気になったところ】

走行中はSiriの認識精度が下がる。多分エンジンの音や振動をノイズで拾ってるためだと思う。マイク取付位置はハンドルコラム、クルマはトヨタのist。レクサスほど静かではないにしろ、特にエンジンのノイズが気になるクルマではない。

誤認識なら再発話で粘るという手もあるが、ノイズを拾ってSiri側で発話終了を認識できない場合は待ち受け時間が続き痛い。車載専用にフィルターなどで環境ノイズを切るなどの処理はしてないのだろうか。Siriが使えないCarPlay=使い物にならない、となってしまう可能性。

【マップ】

Siriでの目的地設定は駅などの主要施設の認識は可能だが、住所を番地まで読み上げるような長いものはかなり厳しい。iPhone側から手入力で設定しておいてその履歴を指定するという方法で対処するハメに。

文字入力はなぜかアルファベットのみ(日本語不可)、パレット表示のバグの様なものもありあまり使い物にならない(「Concent」と入力しても弊社はヒットせず…)。

ルート引きは一応複数ルートに対応しているが、渋滞情報その他の交通情報は考慮されない(この点で「Google Map」の方が使い勝手が良い)。

音声読み上げも微妙に「解読」レベル。地元なら地名を理解できるが、未知の土地ではかなり不安。地図の表示はわりと見やすく、描画も綺麗だが建物の高さをいちいち再現する必要性は感じない。操作に関してピンチイン/アウトを使わせないのはなぜだろう。

【メッセージ・電話】
到着時間の連絡など運転中にメッセージを送信したい場合にはとても便利だが、Siriの認識精度の問題からストレスが溜まることもある。選択肢型の音声認識は通りやすいので、受信メッセージの読み上げなどは使える。

【ミュージック】
1曲、1アーティストを選んで聴くような場合、Siriで操作できる恩恵はとても大きい(手入力だととても時間が掛かる)が、認識精度の問題からストレスが溜まることもある。

選曲についてはiPhone単体での操作感と近い操作感は担保されているので、今まで使っていたナビ(トヨタ純正、リストはページスクロール)に比べると格段に使いやすい。ジャケ写が出るのも楽しいが、よくある機能。

【ハードウェア】
フルフラットの表面仕上げは美しいが「押した感触」の無いボタンはブラインドでの操作が必要な車載機では致命的に使いづらい。

揺れる車内においては視認しながらの操作を迫られる。SIriの起動にはこのボタンの長押しが必要なのだが、ステアリングスイッチなどを併用しないととても危険(試用車はステアリングスイッチ無し)。そもそも右ハンドル車の場合は車載機右側にボタンがあるべき。

【ひとまずのまとめ】
「マップ」のナビゲーション機能はとにかく貧弱なので、ディスプレイオーディオ+αくらいの気持ちで使わないと確実にガッカリする。ナビアプリにしても、同じ無料なら「Y!カーナビ」を使う方が全然良い。

そもそもiOS上でのSiriに慣れてないと使いこなせない。CarPlay上のSiriで何が操作できるのか、ガイドやチュートリアルが無いと何もせずに終わりそう。CarPlayに関しても情報が少なすぎる。製品付属の取説は情報量が少なく、AppleのオフィシャルHPにも大した情報は無い。なによりCarPlay対応アプリがまだ少なすぎる…

【星貴史プロフィール】
http://sustoco.concentinc.jp/from-editors/2014/02/takashi-hoshi/

【関連リンク】
サストコ特集|コンセント座談会 デザイナーが感じるサービスデザインの今

2014.10.29

こんにちは、ユーザーエクスペリエンスアーキテクトの坂田です。

2014年9月24日に開催された、Orange Labs Tokyo が主催する「design talk」(http://designtalks.doorkeeper.jp/events/14954)の初回となるイベントにて「DESIGN VS. TECHNOLOGY?」をテーマとしたセッションを担当させていただきました。

本イベントを主催する Orange Labs Tokyo はフランスの大手テレコム企業 Orange の東京オフィスで、世界各国の Orange グループのテクニカルチームやビジネスユニットを、サービスデザインの観点から支援している専門部隊です。初回となる本イベントでは他にも IAMAS の小林 茂教授や NPO 国境なき技師団の八木田 寛之氏が登壇されました。

セッションの途中ではフランスに本拠地を置く Orange 主催ということでキッシュやフランスワインが振る舞われました。参加された方々の約3/4が外国人と、多国籍な会となり、セッションもすべて英語にて行われました。

ユーザエクスペリエンス・デザインやサービスデザインのバックグラウンドをもっている登壇者は私一人ということもあり、20分の枠内でサービスデザインに軸を置いた広義の「デザインの躍進」について話題提供をさせていただきました。

■セッション資料『Designing for the Future – The Rise of Design』

 

ここからは私が当日お話させていただいた内容を振り返りながら、デザインとテクノロジーという大変興味深いトピックについて、個人的な考察とともにさらに話しを深めていきたいと思います。

 


デザインとテクノロジーの対立


工業的に製造された製品で、デザインされていないモノはないと考えています。デザインはいたるところに溢れていますが、なぜか難しいものと思われてしまうようになりました。よくデザインは「観察による問題解決をする行為」と説明することがあります。語源を辿ると、デザインは物質を「de-signare = 脱・しるし化する」ことで、モノのありようが現在どうなっているかを見直す行為そのものです。これはまさにテクノロジーにも当てはまるのではないでしょうか。この場合のテクノロジーは、電気カミソリなどの道具や炊飯器のような複雑系機械を指し、「実世界の問題の解決ないしは問題の防止に役立てられているモノ」です。つまり、本来、デザインとテクノロジーは対立構造にはないはずです。

 


デザインとテクノロジーの架け橋


デザインが問題発見・問題解決をする行為であると定義するならば、テクノロジーにも同じようなことが言えると思います。デザイン対テクノロジーの対立関係ではなく、デザインとテクノロジーの双方から社会の、ないしは生活の問題に向き合うことがこれからの時代に必要なのではないでしょうか。問題解決は大事だけれど、さらに大事なことは問題を発見ないしは定義し、そもそもの問題を起こさないようにすることだと考えます。そのためには、デザインとテクノロジーの架け橋となる我々人間が、問題の防止に務める努力をしなければならないと考えます。

電車の駅を想像してください。駅構内のエレベーターやエスカレーターは、体の不自由な方や高齢者の移動をサポートする役割を担っていると同時に、階段で起こる怪我などのさまざまな問題を防止するための施策としても成立していると言えるかもしれません。エスカレーターを取り付けられない一部の駅では、階段の手すりの形状を再設計したり、階段の踏み面積や角度を緩やかにすることで問題解決に挑んでいますが、エスカレーターという技術の発達によってそもそもの問題の防止策の選択肢が増えたのです。

生活者が抱える問題解決へのアプローチは違えど、エスカレーターという技術的な選択がなされなければ、問題を起こさないための工夫が施されなかったかもしれません。生活問題の防止を目的としてエレベーターが設計されたとは言い切れませんが、これからはデザインの選択肢としてのテクノロジーという関係性を人間が構築していければ、豊かな未来社会の実現に更に貢献できるのではないでしょうか。

 


サービスデザインと人間中心設計


問題解決及び問題の防止への理解を深めていくためには、当イベントでお話した、サービスデザインの3ステップ(スライド資料7ページ目)にも繋がります。

1. Frame: システムの枠を理解する。
2. Unframe: 枠を取り壊し、点在する問題を発見する。
3. Reframe: 問題を防止・解決するための枠を再設計する。

当イベントのセッションで一番お伝えしたかったことは、

テクノロジーは結局テクノロジーであり、それを設計・操作するのは人間である

ということです。

エスカレーターの設計は、当たり前ですが、人間の手によって行われます。たとえそれが機械によって生産されていたとしても、その機械を手がけたのは人間です。技術の発展によって生活は確かに便利になりましたが、忘れてはならないのはそれらの製品はあくまでもインターフェイスであり、作り手と受け手の双方のコミュニケーション・デザインによって社会の、ないしは受け手の問題解決や防止へと繋がっているということです。

米IDEO が積極的に同様のメッセージを発信している(http://www.ideo.com/work/human-centered-design-toolkit/)ように、この時代だからこそ、人間による、人間のための Human Centered Design(人間中心設計)に立ち返るべきだと考えています。

 

【坂田一倫プロフィール】
http://sustoco.concentinc.jp/from-editors/2013/07/kazumichi-sakata/

【関連リンク】
Orange Labs Tokyo
セミナー・イベント情報|Orange Labs Tokyo主催「design talks #1」登壇のお知らせ

2014.10.27

デザイナーの渡邊です。
今回は、全天球コンテンツづくりを通して見えてきた「全天球動画の価値」についてご紹介したいと思います。

最近、企業広告や企画展のイベント会場でよく見かけるようになってきた「全天球動画」。明治エッセル スーパーカップの販促イベントや、レッドブルのモトクロスVR体験イベントで全天球動画コンテンツが使われていたり、また上野の森美術館での企画展『進撃の巨人展』(http://www.kyojinten.jp/ 2014年11月~2015年1月開催予定)でも、Oculus Rift(ヘッドマウントディスプレイ)を使った全天球体験ができるようなコンテンツが見られるようになってきました。

僕自身は会社では主に紙もののデザインをしています。とは言え紙以外をやらないというわけではなく、コミュニケーションを生むものであれば何でもデザインできる、というスタンスでデザインをしています。
たとえば、3Dプリンターなど一般の人にとっては新しい技術や、新しいビジュアル表現言語(全天球動画、3Dなど)と向き合うときには、その技術に触れたことがない人の視点から「このガジェットや技術を楽しむにはどうしたらいいんだろう」と考えたり、「どうしたらユーザーにこの表現の魅力を伝えられるだろうか、ユーザーに楽しんで使ってもらえるだろうか」といったことを常に考えています。

考え始めるきっかけになったのは、理化学研究所の藤井直敬先生のSRシステム(Substitutional Reality System:代替現実システム)(http://srlab.jp/about)の立ち上げプロジェクトに関わったことです。そこで「全天球動画」に出会い、これまでにない新たな情報体験としての魅力や可能性に夢中になり、その魅力や価値をコンセントラボやサストコで記事を書いていたのがきっかけで、さまざまな業界の方から声をかけていただき、いくつかのプロジェクトでコンテンツづくりにも携わるようになりました。

 


全天球動画の何が新しいのか?


 

渋谷 スクランブル交差点

全天球動画をまだ見たことがない方は、こちらのWebサイトでサンプルを見ることができます。
http://www.kolor.com/360-video/coupe-icare-2013(KOLOR 360-DEGREE VIDEO SOLUTIONS)

ご覧いただけるとわかるのですが、全天球動画は、360度、天地前後左右のパノラマ動画の中に入って見回すことができるという、「新しいビジュアル言語」です。どのあたりが新しいのかというと、「見る場所=視点」を自分で決めることができるところです。

技術的な側面では、これまではステッチ(つなげる作業)して全天球で見ることができる状態にするまで、一苦労どころではなく専門知識がないとできないことでした。それがソフトウェアで比較的簡単に360度の動画がつくれるようになったんです。つまり、技術が一般の人のところにおりてきたということです。もちろん、映像表現として踏み込むには技術が必要です。
近い将来、Instagram(画像共有アプリ)やYouTube(動画共有サービス)のようにシェアすることも簡単で、お手軽にどこでも全天球動画を楽しむことができるようになってくると思います。

 


「フィジカル」であることが、体験の意味を変える


全天球動画の体験自体はパソコンでもできます。ただ、それはあくまで画面と向き合っているものとしての「従来の映像体験の延長」です。

全天球動画の真価を発揮するのは、頭につけて使用するHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の『Oculus Rift』や『ハコスコ』といったデバイスを使っての映像体験です。自分の頭を動かして「フィジカルに体験」することによって映像体験の意味が変わってきます。

普通の映像体験では一側面的にしか見えなかったものが、映像の「中に入る」ことによってそこに自分自身が存在し、前後左右や裏側を含め、映像が構造化して見えてきます。3D空間でキャラクター操作を行う箱庭ゲーム空間体験の習熟(空間内でのモノの配置を身体感覚に結びつけて考えられる)のように映像体験をすることができるんです。

実際にその場にいた人と同じくらいの、状況を理解させる力が、全天球動画にはあります。そして、一部始終を目の当たりにすることによって情報と主観的に向かい合うことができ、自分自身で物事を見比べて判断することができます。複数のニュースを眺めて物事を多角的に考察するのに似ていると思います。

『ハコスコ』はカジュアルHMDです。全天球動画による仮想現実空間を、手軽に体験できるVR(仮想現実)プラットフォームです。『ハコスコ』本体とお手持ちのスマートフォンで体験できます。「ハコスコでの映像体験はどんな感じだろう?」と思われた方は、YouTubeに体験動画を公開していますのでそちらもぜひ見てみてください。『ハコスコ』公式サイト(http://hacosco.com/)にも掲載されているこの体験動画は、コンセントのメンバーにも撮影協力してもらい作成しました。

⇒ ハコスコ体験動画
https://www.youtube.com/watch?v=sTrrc4TX3ww#t=12

 


全天球動画でできる体験


前述しましたが、全天球動画は視点を自分で決める=見ている人それぞれに視点が委ねられるため、「共通の体験になりにくい」という側面もあります。でもそれは「みんな違う体験ができる」とも言えます。

たとえば、ブルータルオーケストラ Vampillia(www.vampillia.com/)のライブのコンテンツをつくらせていただいたのですが、楽器をやっている人だったら自分の好きなパートの部分だけを見ることも可能です。ドラマーだったらドラムだけを、ギターリストならギターのパートだけをずっと見続けるというように。
撮影者の視点をたどるのではなく、どこを見るのかを見る人自身で視点をコントロールできるわけです。

Vampillia - Endress Summer @渋谷WWW いいにおいのする夏の無料の大感謝祭 【ハコスコアプリ収録】

また花火大会を撮影したコンテンツでは、フィジカルな体験を伴った気持ちのいい動画体験ができます。この花火大会は海沿いで行われたため、打ち上げ場所の横幅も広く、花火の動きを頭を動かして追わないと見れないくらい広い視野角の動画になりました。花火を追って見ることで、スケール感も感じながら花火大会を体験することができるんです。

ぎおん柏崎まつり 海の大花火大会 2014年7/26(土)新潟県柏崎市 中央海岸一帯 【ハコスコアプリ収録】

 


全天球動画と情報体験


「何はともあれモノは試しながらつくらねば」というスタンスで、全天球動画を初めて体験して以来、さまざまな場所で撮影をしてきた中で見えてきた体験の価値についてご紹介させていただきました。あらためてまとめると、

●全天球動画の体験価値
・同じ映像なのに毎回違うところを見るという楽しみ方ができる。
・「共通の体験になりにくい」を言い換えると「みんな違う体験ができる」。
・フィジカルを伴った気持ちのいい動画体験ができる。

の3つが実感していることです。

特に3つ目に挙げた「フィジカルを伴った気持ちのいい動画体験」は、ウェアラブルの文脈での情報体験を考える上で、非常に重要なポイントになってくるでしょう。

今後ますます、情報は世の中に溢れてきます。その大量の情報と出会うポイントがフィジカルな動作と合ってくると、腑に落ちるのではと考えています。たとえば目の動き、顔の動き、腕の動作などに合わせた自然な情報の出し方や在り方。そういうことを考えてつくっていくことが必要です。

***

9月に開催された世界最大級のマーケティングカンファレンス「ad:tech Tokyo 2014」やミュージックフェスティバル「THE BIG PARADE」でも、制作した全天球動画コンテンツのVR体験会を実施したり、『日経産業新聞』や『月刊MdN』に取材協力させていただいたりと、全天球動画への関心が高まりつつあることを日増しに実感しています。

今後も、いろいろな方とコラボレーションしながら、全天球動画の体験価値について探っていきます。

 

【渡邊徹プロフィール】
http://sustoco.concentinc.jp/from-editors/2012/01/toru-watanabe/

【関連リンク】
SR Laboratories
全天球動画を体験するきっかけとなったプロジェクト。SRというのはSubstitutional Reality の略で「代替現実」を意味し、理化学研究所の藤井直敬先生が開発されました。コンセントではこちらのWebサイト構築のお手伝いをさせていただきました。

ニュース|「ハコスコアプリ」に全天球動画コンテンツを提供(2014.10.23)

ニュース|日経産業新聞1面トップ「記者がトライ」に掲載(3Dプリンター体験記)(2013.06.05)

ニュース|日経産業新聞1面トップ「記者がトライ」に掲載(オキュラス・リフトの体験記)(2014.05.14)

ニュース|月刊『MdN』2014年9月号掲載(FRONTIERS 新しい視覚体験「視覚ガジェット最前線、前人未到のその先へ」)(2014.08.07)

日本経済新聞 電子版「ワープ!「時をかける少女」 代替現実にクラクラ 」(2014/5/18)

セミナー・イベント情報|「ad:tech Tokyo 2014」登壇のお知らせ

セミナー・イベント情報|新型ミュージックフェスティバル『THE BIG PARADE』にて、ハコスコ × コンセントによるバーチャルリアリティ体験会を開催

ブログ(サストコ)|3Dプリンターがコンセントにやってきた!

ブログ(サストコ)|スキャネクトってなんぞ!?(3Dプリンタ第二回)

2014.10.15

※本コラムは、2014年6月28日(土)に行われた公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会主催「第10回 PRプランナー交流会」での講演内容をもとに執筆したものです。

 


溢れる情報の中で


数年前、情報量の爆発的な増加ということを耳にしたことがあると思います。インターネットの普及により、人類が所有する情報量は、2000年~2003年のたった3年間で、過去30万年間に紡いできた情報量を超えてしまったと論じる研究者もいます。数字の信憑性はさておき、接触する情報量の増加は誰もが肌で感じていると思います。そして、このような状況は日常生活だけでなく、ビジネス上にも新たな課題を生んでいるのはないでしょうか。

近年、「コンテント(ツ)ストラテジー」という名前とともに、「大事なのは、コンテンツの価値」ということが盛んに言われるようになった背景には、こうした状況も関係しているのではないかと考えています。

本コラムでは、ビジネスにおいて情報発信者・受信者の間で起きている問題、「Content Strategy(コンテン“ト”ストラテジー)」と「Contents Strategy(コンテン“ツ”ストラテジー)」という言葉の違いとその意味、そして「コンテントストラテジスト」の役割を見極めてきたいと思います。

 


情報発信者と受信者間の悪循環と、言語処理技術の発展


いわゆる「まとめサイト」や検索機能、キュレーションサービスなど、求める情報に触れるまでのプロセスをできるだけ省いたサービスが増えつつあります。この背景には、情報を獲得するプロセスは、旅行の行程のようにワクワクするものではなく、Webの中では省くべき無駄なプロセス、負荷にすぎないとされていることがあると考えられます。これは、いかに価値ある情報をより多く獲得するかということよりも、自分にとって無駄な情報が入ってこないよう、また一度獲得した必要な情報をいつでも取り出せるように、「情報を選別・管理すること」の方に受信者は腐心していることを示しているのではないでしょうか。

一方、情報を発信する企業側が抱える課題の一つとして、バナーなどのWeb広告の集客力の低下が指摘されています。「想定していた集客ができてない/せっかくつくったWebサイトが見てもらえない」⇒「ユーザーのニーズを的確に捉えていないからだ」⇒「次は●●をテーマにしたコンテンツを発信してみよう!」⇒「やはり見てもらえない・・・」ということを繰り返し、結果として散乱するコンテンツ、管理できず放置されたWebサイトが乱立するといったケースが起きているようです。実際、コンセントにも「Webサイト内の情報が整理しきれず散乱している」「ドメイン配下にWebサイトが乱立」といったご相談をいただくことがあります。

この両者の関係は、『北風と太陽』の話を思い起こさせます。期待・想定していたものに見合わないコンテンツと出会うことで、それを排除しよう、避けようと情報受信者としてのユーザーの文脈はさらに狭まり、情報提供者側はそこに何とか入り込もうとして、検索でのランキングを上げたりバナー広告や頻繁なメール配信を行ったりと、発信する情報量をさらに増やしていく。これは情報の受発信における悪循環を生み出していると言えます。

また、Googleが2011年に行ったパンダアップデート※1 では、今なお急速に発達し続ける自然言語処理により、単なる誘導のためのページや、どこか別のWebサイトに掲載された内容のコピーで自動生成されたページなどは価値の低いものとされ、「ユーザーに独自の価値を提供できるWebサイト、ページ」こそが検索順位の上位に入る資格があるとされました。

このように、「コンテンツの価値」が注目され出した背景には、IT技術の進歩に伴い、情報獲得におけるユーザーの傾向、それに対応しようとする情報発信者のふるまい、価値があるとされるWebサイトの在り方といったものが変化していることがあると考えられます。

※1 パンダアップデート:
Googleが検索結果の質を高めるために行っている検索アルゴリズムのアップデートのこと。2011年(日本では2012年)より実施され、現在も1ヵ月に1回ほどの頻度で行われている。それ以降、実質的には内容のないアフィリエイトサイトや、wikipediaからのコピーだけ、あるいは特定のキーワードだけを狙ってキーワードが乱発したページなどは検索順位を下げられている。
似たものに、ペンギンアップデートというものがあり、一般的にはこちらの方が影響が大きく、検索結果から外されるというペナルティを伴うアップデートとされている。
参考 ⇒ https://support.google.com/webmasters/topic/6001981?hl=ja&ref_topic=3309300 の「品質に関するガイドライン」

 


「コンテンツの価値」とは何か?


こうした流れになると、「やはりコンテンツは量より質だ」というありきたりなことが言われがちですが、それは前述したパンダアップデートを待つまでもなく、誰もがわかっていたことです。例えば出版社などのコンテンツ供給をビジネスとする企業にとっては、コンテンツにとって質以上に重要なものはないでしょう。

しかしながら、とにかく質の高いコンテンツをつくらなければと、つくることが目的化してしまってはいないでしょうか?

コンテンツそれ自体が商品ではない情報発信者に必要なことは、自分たちの企業価値や商品価値、自社のスタッフを、正しく魅力的に知ってもらうためにコンテンツをつくるといった、「目的」からコンテンツを考えることです。パンダアップデートの背景にもこうした考えがあるように思えます。

つまり、コンテントストラテジーとは、「ビジネスに寄与するようコンテンツを戦略的に考える」ということです。

誰もが手軽に文字や画像、映像などでコンテンツをつくることができる今、自分の組織や商材の価値を忘れ、コンテンツをつくること自体が目的化することが頻繁に起こっています。「コンテントストラテジー」とは、アプリやCMSなど情報を発信するさまざまな誘惑のある状況下においても、本来のビジネス価値を忘れないようにするための一つの自戒的な解なのかもしれません。

 


Content Strategy(コンテン“ト”ストラテジー)とContents Strategy(コンテン“ツ”ストラテジー)


敢えてここまで「コンテン“ツ”ストラテジー」と言わずに「コンテン“ト”ストラテジー」と表記した理由もこうした背景があります。

日本ではこの二つの言葉は混同されて用いられていまが、可算名詞の“Contents”を使った「コンテンツストラテジー」とは、コンテンツを前提に、そしてコンテンツをゴールにしたコンテンツのつくり方を戦略的に行う手法と言えます。それはあくまで「制作プロセス」を意味するのであって、エディトリアルストラテジー (Editorial Strategy)と呼ぶべきものです。

一方の「コンテン“ト”ストラテジー (Content Strategy)」とは、コンテンツを戦略的につくることはもちろん、運用すること、管理すること、ざっくりと言ってしまえば「コンテンツを扱う」ということをいかに戦略的に行うかに主眼を置いた言葉です。そのため、「ビジネスに貢献するコンテンツ」という意味で用いる場合は、抽象化された非可算名詞である”Content”を使った「コンテン“ト”ストラテジー」と呼ぶべきです。

 


KPIとコンテンツの編集方針


Content StrategyやUXの文脈で頻繁に出てくる「ストーリーテリング」という言葉が少し前に流行りましたが、Contents/Contentの違いをこの観点からも説明してみます。

Contents Strategy=Editorial Strategyが構築するストーリーは、コンテンツ内のストーリーであり、コンテンツが訴求していることとユーザーとをつなぐ役割を果たします。一方、Content Strategyは、コンテンツを媒介にしてビジネス価値と人を結ぶストーリーを構築します。情報発信者である企業側からすれば、その時のコンテンツは決してゴールにあるのではなく、中間指標(KPI) 上にあります。

「コンテンツがビジネスにどれほど貢献できているか」というコンテントストラテジーの観点では、KPIこそがコンテンツの軸であり、編集方針に等しいものになります。したがって、コンテンツの編集方針とは、KPIを具体化したものになるはずです。KPIからコンテンツ編集方針、そしてコンテンツ企画へのゆがみのないプロセスがコンテントストラテジストこそが構築するコンテンツのストーリーです。

 


コンテントストラテジストの役割


こうした役割を担うコンテントストラテジストは、「翻訳者」に例えることができます。以前、ある本に「個人とはその人という言語体系」といったことが書かれており、なるほどと思いました。これは企業や集団にも言えそうです。コンテントストラテジストが翻訳する相手は、クライアント、クライアントがメッセージを届けたいユーザーや読者、クライアントのステークホルダー、社内のデザイナー、プロデューサー、IA、WEBディレクター、ディベロッパー、コーダーなどです。こうしたさまざまな人たちにコンテンツの価値と目的を伝え、上記の「KPI-編集方針-コンテンツ企画」を結ぶストーリーを彼らに理解してもらいつつ一緒に構築する存在となることが、コンテントストラテジストの役割なのだと思います。

 

執筆:千々和 淳(コンセント コンテントストラテジーチーム ディレクター)

 

【関連資料】
2014年6月28日(土)に、公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会主催「第10回 PRプランナー交流会」にて、コンテントストラテジーをテーマとしたワークショップを実施しました。その際の講演資料をSlideshare にアップしておりますので合わせてご参照ください。

 

【関連リンク】
「第10回 PRプランナー交流会」登壇のお知らせ

2014.10.06

2014年9月9日に開催された「第7回Webマネジメントセミナー Go global! 日本企業のグローバルWebサイト戦略最前線」にて、コンセントの取締役でインフォメーションアーキテクトの山中健一が登壇しました。

このセミナーは株式会社メンバーズ様主催にて、SDL Tridion株式会社様、コンセントの3社合同で開催しました。
グローバルWebサイトを設計・管理・運営していくためには、調査・プランニングやWebガバナンス、サイト構造設計・CMS導入、運用・翻訳といったことが必要になる。これらを一社で提供できる会社は日本には少なく、日頃プロジェクトで一緒に提案している3社で、参考となる有益な情報を提供したい、という考えから企画したものです。

セミナーには50名近くの方々からの申し込みがあり、グローバル視点でのWebサイト活用、運用といったことに興味をもつ方にご参加いただけました。

グローバル進出を果たし経済活動を行う日本企業にとって、各国・各地域のユーザー視点に合わせて最適化した上で、ブランドイメージやマーケティング活動を正しく伝えるために、グローバルWebサイトがどのようにあるべきかをテーマに、3部に分けて3社それぞれが講演。

コンセントの山中は、「企業WebサイトにおけるグローバルWebガバナンスパターン」と題し、第一部にて登壇。企業Webサイトの役割をご紹介した上で、グローバルに展開していく際には、たとえ日本で知名度があっても世界的には知られていないことが多い。多数のステークホルダーにとっては、Webサイトが企業全体のイメージとしてとらえられる。サイト群というかたまりでブランディングを考えていく必要があり、そのためにもWebガバナンスが重要となる、と示唆しました。続けて、グローバルにおけるWebガバナンスのキーとなる3つのポイント、Webガバナンスを実現するための手段として、エンタープライズ情報アーキテクチャのアプローチや構築プロセスをご紹介しました。

山中のスライド資料はSlideshareで公開していますので、詳細はぜひそちらをご一読ください。

 

第二部では、SDL Tridion株式会社 藤松良夫氏による講演「グローバルWebサイトを支えるソリューション最前線〜これが必要!CMS、翻訳、インフラ等その導入メリットと最新ソリューションをご紹介〜」、第三部では、株式会社メンバーズの神尾武志氏と枦山晃氏による講演「グローバルWebサイトを日本企業が円滑に運用するには? 〜言語、時差、拠点間のコミュニケーションの実際と、運用の理想形とは?〜」が行われました。
●セミナー全体のプログラム詳細(株式会社メンバーズ様オフィシャルサイト内のセミナーページ)
http://www.members.co.jp/seminar/2014/0909.html

 

関連リンク
山中健一プロフィール|サストコ

2014.09.01

Handmock(読み:ハンモック)は、コンセントで開発している、モバイル端末のUIデザインを検討するためのプロトタイピングツールです。

2013年のWorld IA Day 2013では仮称「CHIKUWA」としてスニークプレビューしたものですが、正式名称「Handmock」として2014年のIA Summit(サンディエゴ)にて発表しました。

Handmockはデザイナーの設計ツールとしてはもちろん、非デザイナーとのコミュニケーションを図るためのツールとしても使うことができます。

《キットの中身》

・ミシン目の入ったロール状になった付箋紙
・スクリーンサイズの付箋紙
・よく使われるUIアイコンの入った7種の付箋紙
・3Dプリンターで制作したiPhone筐体モック
・A3サイズの台紙


《Handmockの特徴》

1. クイックで簡単
用意するのはペンだけ。グラフィックデザイン専用ソフトやコーディングなどの知識がない非デザイナーでもUIデザインの議論に参加でき、多様なバックグラウンドのチームメンバー間で迅速な共通理解を得られます。

2. 実サイズ
iOSヒューマンインターフェースガイドラインに準拠したグリッドがあり、またiPhoneモックを使って画面スライドなどの使用感を確かめることができるので実際の利用に近いサイズ感覚が得られます。

3. カット&ペースト
ミシン目の入った付箋紙のため書き込んだUI要素のカット&ペーストが容易。書き損じの修正工程を削減し、クイックにプロトタイプをつくることができます。


《どんなときに使えるか》

・抽象度の高いデザインのフェーズ:
テンプレート設計、コンテンツ/機能/UI要素のエリア定義

・UIデザインのフェーズ:
アコーディオンやカルーセル、ドロップダウンといった多様なナビゲーションデザイン

・詳細デザインのフェーズ:
1行にどれぐらいの文字を置くか、アイコンなど画像を使うかといった画面デザイン


《どのように使えるか》

・ワークショップツールとして
・デザイナーの設計ツールとして
・初期段階のユーザビリティテストツールとして
・中間生成物制作ツールとして


《アーリーテスターの声》

2014年のIA Summit限定でアーリーテスターを募りました。
いくつか初期段階のフィードバックをご紹介します。

“The roll of mockup paper with a sticker side on the back is very cool! I really appreciate that the adhesive is re-positionable, so I feel I can stick it someplace without fear that I’ve permanently pasted it there. (we’ve already been sticking things to the wall and onto larger sheets of paper) ”
「粘着製を持ったロールのモックペーパーはとてもいい!
一度貼ったら貼り直せないという恐怖を感じずに、いつでも貼り直しができると思えるから、再粘着性はとてもいい。(すでに壁に貼ったり大きい台紙に貼ってみたり活用してます。)」
リードUXデザイナー(女性、テキサス)

“Thank you so much for the prototyping kit. It was very impressive presentation and packaging. I’ve already tweeted some pics, and socialized it to my team. Here is the email I sent them:
‘Feel free to sketch up your own design. Use it in a low fidelity usability test. Bring it to a workshop during a sketching ideation session. Brainstorm content prioritization with your clients. It will add to your ‘cool factor’ for sure.’ ”
「プロトタイピングキットをありがとう。プレゼンテーションとパッケージングが感動的でした。すでに何枚かの写真をツイートして、チームにも共有しました。チームにはこんな風に伝えました。
“デザインをスケッチするのに自由につかってみてください。忠実度の低いユーザビリティテストに使ってください。スケッチのアイディア出しセッションのフェーズでワークショップに持っていってください。クライアントと一緒にコンテンツの優先順位をつけるブレストにも。Handmockはクールなファクターになるでしょう”」
UXマネージャー(女性、オハイオ)


《どこで手に入るのか》

Handmockは現在はまだプロトタイプです。
現在は販売等していませんが、将来的にご案内できる時にはTwitterやコンセントのFacebookページ等でお知らせする予定です。
現在はA3サイズの台紙のみダウンロードできます。(本記事下)


Handmock | Mobile Design Prototyping Kit


Handmock, pronounced as “hammock”, is a mobile design prototyping toolkit which comes with rolled sticky paper and 3D-printed iPhone mock. With Handmock, all project members even non-designers can take part in the mobile UI design discussion. This prototyping toolkit was introduced at the IA Summit 2014 in San Diego.

[ Items Included ]
- Rolled sticky perforation paper
- Screen size sticky paper
- Small size sticky paper – 7 types
- 3D printed iPhone mock
- A3 size cheat sheet

[ Features ]

QUICK AND EASY
Now everyone can be part of designing mobile UI. All you need is a pen to start things out.

ACTUAL SIZE
Handmock, compatible with iOS UI Guideline, gives actual feeling of holding iPhone in their hands.

CUT & PASTE
Sticky perforation paper makes it easier to add / replace the UI elements.

[ When it works ]

Low Fidelity
Handmock allows to establish templates and designate areas of content, functionalities, and UI elements within the team for building shared understanding to move project forward.

Designing UI
You can quickly create various navigation, accordion, carousel, drop-down and even brand new UI design that you imagine.

Design in Detail
Handmock makes the case that design is in the details – the very small details that make your product friendlier.

[ How it works ]
- Workshop tool for all
- Prototyping tool for designers
- Low fidelity usability test tool
- Mid-term deliverables creation tool

[ How to get ]
Handmock is still a prototype.
It’s not for sale yet, but when it’s ready we will announce that on Twitter and Facebook page.
Only A3 size cheat sheet is available from the download link.


Handmock Poster

⇒ Twitter @handmock
ハッシュタグ #handmock

Facebookページ(コンセント / Concent, Inc. )

A3サイズの台紙のダウンロード / A3 size cheat sheet download

【関連記事】
モバイルUI設計プロトタイピングツール
【レポート】IA Summit 2014 Redux in Tokyo
サストコ世界行脚|IA Summit 2014 in San Diego

2014.08.15

2012年にローゼンフェルドメディアから出版された『MAKE IT SO – Interaction Design Lessons from Science Fiction』の日本語版が、7月30日に『SF映画で学ぶインタフェースデザイン – アイデアと想像力を鍛えあげるための141のレッスン』(丸善出版)として刊行されました。

本書は、SF映画から最高のデザインを学び取ることや、SF映画の中で用いられているデザインを仕事に活かすことを目的に、主にインタフェースデザイナーを対象読者として書かれたものです。
100年以上の歴史を持つSFのデザインを調査・分析することにより、現代のデザインにも生かせる141のレッスンとして収録されています。

この日本語版の刊行にあたっては、メンバーの一人として、コンセントのプロデューサー/サービスデザイナーである赤羽太郎も翻訳に参加しました。

書籍情報

SF映画で学ぶインターフェースデザイン アイデアと想像力を鍛えあげるための141のレッスン

■書名:『SF映画で学ぶインタフェースデザイン – アイデアと想像力を鍛えあげるための141のレッスン』
■著者:Nathan Shedroff, Christopher Noessel
■監訳:安藤幸央
■翻訳:赤羽太郎、飯尾淳、飯塚重善、大橋毅夫、佐藤圭一、澤村正樹、竹内俊治、永井優子、松原幸行、山浦美輪
■出版社:丸善出版株式会社
■版型:A5判/384ページ
■ISBN:978-4-621-08836-4
■定価:3,200円+税
■刊行:2014年7月30日

出版元 丸善出版サイト内のオフィシャルページ
『SF映画で学ぶインタフェースデザイン – アイデアと想像力を鍛えあげるための141のレッスン』のご購入(Amazon)
翻訳者 赤羽太郎プロフィール|サストコ