【レポート】CSS Nite LP, Disk 7「IAスペシャル」

コラム

2009.09.18

プロダクションマネージャーの西井です。IA/UX(※)チームに属し、日常業務として情報アーキテクチャ設計を行っています。
※IA=情報アーキテクチャ、UX=ユーザーエクスペリエンス

2009年9月12日(土)、ベルサール神田で開催された CSS Nite LP, Disk 7「IAスペシャル」に参加してきました。なんと一日まるごと「IA」つまり「情報アーキテクチャ」一色の贅沢イベント!この規模のCSS Niteに参加するのはコンセント入社前の2007 年に開催された「Web標準の日々」以来だったので、とても楽しみにしていました。

まず会場に到着してびっくりしたのはその広さ。イベント終了後に聞いたところによると、最終的な動員数は、出演者を除いて422名だったそうです。「情報アーキテクチャ」への関心の高さが伺い知れます。

CSS Niteのスピーカー(パネルディスカッションの様子)

本イベントのプログラムは、ワークショップなども織り込まれた次のようなものでした。

司会の鷹野さん&矢野さんから「IA界の貴公子」と紹介され、トレードマークの花柄シャツで登場したのは、コンセント長谷川。本イベントのトップバッターとなった長谷川のセッションは、情報アーキテクチャの全体をカバーする内容として構成され、「ユーザー」「コンテンツ」「コンテキスト」といった情報アーキテクチャ設計の前提となる事柄や、「ユーザーエクスペリエンス」の方針、「ストラクチャ」「ナビゲーション」「ラベル」といった情報アーキテクチャの主な構成要素、「EIA(エンタープライズ情報アーキテクチャ)」といった最近特にとりあげられることの多いポイントなどが扱われました。

コンセント社内では、「IA塾」(週1回開催)やIA/UX勉強会(不定期に開催)といった、情報アーキテクチャに関する勉強会があります。そのような場で、長谷川が情報アーキテクチャについて話すのを聴く機会は多いのですが、この日はより平易で一般的な言葉で説明されているように感じました。携帯で写真を撮る人、うなずく人、メモを取る人…。周りを見渡すと、参加者も真剣に聞いている様子が伝わってきます。

IAの全体像のスライド

「情報アーキテクチャ」というと、つい設計部分のことを頭に浮かべてしまうのですが、実はその根底にあるのはユーザーとコンテンツやサービスをどう繋いであげるかという思いやりです。情報やサービスの提供主体である企業側のビジネスゴールや制約事項を考慮すると同時に、ユーザが何を必要としているかを考えながら、それを満たすコンテンツが何かを考え構造化していくというプロセスが欠かせません。もちろんそこには、どんな体験を与えるか、というユーザーエクスペリエンスの方針も必要です。普段仕事をしていても感じるのですが、情報アーキテクチャの仕事は決してサイトマップを作るとか、ワイヤーフレームを書くというような単純タスクだけに落とすことはできません。その辺りが少しでも伝わるといいなと思います。セッションのスライド資料にもありましたが、まさに「IA =♥」なんです!

2007年の長谷川のセミナー参加時に取ったメモを見返してみたら、「IA ≠ ワイヤーフレーム」と書かれていました。コンセントで情報アーキテクチャ設計をしている今の方が、当時とは比較にならないほど、その言葉の本当の意味や大切さを身を持って感じています。

今回の長谷川のセッション以外で、個人的にとても印象に残ったセッションの1つに佐藤伸哉さんのセッションがあります。「IAの欠点」というテーマでした。

「IAがうまくいかないのはなぜ?」「 IAってよく分からない。」「それって本当に必要なの? 」という、おそらくこの日の多くの参加者がダイレクトに知りたいであろう部分に迫ったものでした。ユーザー調査、サイトマップ制作といった代表的なIAの作業を例に挙げながら、なぜそれをやる必要があるのか、具体的な目的について説明がありました。佐藤さんは「不必要な作業はやらない、良いサイトを作るために必要だから行うのだ。」とも述べていて、その明快な言葉にとても共感し、自分自身の目指すスタンスにも強い後ろ盾をもらった気がしました。

情報アーキテクチャだけをテーマに6時間という長丁場でしたが、一口にIAといっても、スピーカーの立ち位置によって、その切り口はさまざまだったのが面白いと思いました。また、このイベントでは、Twitter用に#cssnitelp7新しいウィンドウで開くというハッシュタグが振られていたので、Twitterでリアルタイムに感想などを投稿する人も大勢いたようです。あとからTwitterを覗いてみたところ、各参加者がどのように感じ、どんな疑問を持ったのかなどを追うことができ、そこから参加者側の見方もさまざまなのが分かって、こちらも興味深かったです。

この一日を通じて強く感じたのは、社内であれ社外であれ、情報アーキテクチャという業務の意味をきちんとメンバーに伝え、共通認識として持つことが大切なんだ、ということです。情報アーキテクチャの認知のされ方に違いがあるものの、明確に意図を持ってそれを伝えることで、プロジェクトがより円滑に進み、またより楽しくなっていく気がします。

そしてコンセントでは幸いなことに、必要だから行う、必要でないから行わないという真っ当な判断のもとに仕事ができるので、自分自身の仕事に目的意識を持って取り組むことができます。こうした判断と取り組みは、情報アーキテクチャの価値を高め、有用性の認知に寄与するのではないかと思いますし、そこに対して自分がいっそう貢献していけるよう努力していきたいと、思いを新たにしました。