制作の仕様を標準化した「スペックシート」

コラム

2009.11.18

マークアップエンジニアの森です。

コンセントに入ってまもない頃、コーディング作業に入る前に「対応環境はなんですか?」と毎回聞いてました。

クライアントの制作ガイドラインがあるときにはそれを参照しますが、ないときはプロダクションマネージャーに毎回ヒアリング。つまり、制作の標準仕様がなかったんです。

Webはまだ新しい産業です。ソフトウェア開発などと比べると制作技術や開発工程管理などの標準化はまだ定着していないと言えるかもしれません。当時であればなおさらで、制作の標準仕様がなかったからといって、それも無理のないことだったかもしれません。

コンセントに入ってすぐの頃、そしてスペックシートがない頃、某求人サイトの制作プロジェクトで、あらかた制作が終わったころに「IE5.0、IE5.5にも対応ください」と言われ、あたふたしたことがありました。先方から渡された資料には確かに対象環境が記載されてましたが、社内に確認環境はありませんでした。さてはてコンセントはその懇意な付き合いをしている会社に制作面でどう対応してきたのかと思案しました。しかし環境を準備するメンバーはおらず、仮想環境を作るVMwareを買ってきて対象環境を整えました。

こんな制作の土台の部分で抜けが出てしまうということは、きっと他の面でも…。

こうした懸念から制作されたのが「スペックシート」です。その名の通り、制作のベースとなる仕様をまとめるためのもので、これは制作を標準化するための社内活動の一環でした。

スペックシートの項目を埋めるとサイトの制作に必要なことが明確になります。また、さまざまな情報をまとめてあるので、ナレッジの共有にも役に立っています。

コンセントのスペックシートは、ファイルを開くとまず社内で標準対応する環境が表示されます。あとはプロジェクトによって、少しカスタマイズすれば作業者に渡すことができる状態になります。

例えば、

など案件によってカスタマイズする個所は多くあります。

各プロジェクトでのスペックシート制作は、プロジェクトリーダーが作ってマークアップエンジニアに渡すこともあれば、プロジェクトリーダーとマークアップエンジニアとが一緒に作ることもあります。一緒に作るケースはプロジェクトリーダーが判断に迷う項目があるときなので、マークアップエンジニアから対応内容の差異を実例で示したり、制作工数を提示して検討します。

いったんプロジェクトのスペックシートを作ったあとで、その内容を更新する必要が生じることがあります。そうした状況はたいてい、プロダクションマネージャーがサーバーの調査やガイドラインを読みとく作業を事前にしていないために起こります。

スペックシートを作るにあたっては、クライアントやエンドユーザーの環境、PHPの使用可否、システムの文字コード、パス指定など調べれば分かること、決まっていることは調べておく必要があります。

スペックシートは、一旦作ったらそれで終わりではありません。Webサイトと同じように、状況に応じて更新したり見直したりという運用が必要です。スペックシート自体の更新は、新しいブラウザ/OSがリリースされたときに、確認環境を作った上で作業するようにしています。また、入れたほうがよい項目があれば、スペックシートに追加するかどうかの打ち合わせを設けた上で、問題がなければ追加します。

気をつけているのは「いつもと同じ」はダメということで、各プロジェクトでちゃんとスペックシートを作るということです。検討した結果がいつもと同じになるのと、検討しないで同じにするのとを比較すると、後者はトラブルが起きる可能性が圧倒的に高いです。ましてや作らないということはあってはならないはずです。

進行に必要な仕様をチェックできるスペックシート、みなさんの会社でも制作されてはいかがでしょうか。

また、もし希望があれば、今後コンセントのスペックシートを公開してみようかと思います。