iPadファーストインプレッション

コラム

2010.04.26

こんにちは、代表/インフォメーションアーキテクトの長谷川です。

先日、IAサミットに参加した際、米国にて早速iPadを試すことができましたので、ファーストインプレッションを記したいと思います。

iPadの実用性
まず、全体的な所感としてはかなり完成度の高さを感じます。

もともとリビング用マシン、と考えて触れていましたが、通常のビジネスマンがメール、プレゼンテーション、ブラウジング、メディア閲覧などの用途をこなすには、日本語入力も含めほぼ問題なく対応できると思います。

Keynote(プレゼンテーション)、Pages(ワードプロセッシング)、Numbers(表計算ソフト)といったiWorksスイートも各$10で購入できるため、プレゼンテーションやビジネスドキュメント作成も可能です。

長文の入力においては物理的なキーボードが欲しくなりますが、サイトやドキュメントの閲覧はキーボードを使っていない時間のほうが長いために、不自由を感じることはあまりありません。(ちなみにApple Bluetoothキーボードを使って書くこともできます。タッチパネルUIを優先して作ってあるので、使い勝手はいまひとつですが、文字の入力に関しては圧倒的に物理的なキーボードのほうが快適です。)

さすがに通常のメインマシンにiPadを使うのはまだ難しいかもしれませんが、この機能であれば、たとえば旅行の時に持って行くマシンとしては十分です。

「一人」から「みんな」へ

と、先走って応用の可能性を書いてしまいましたが、やはりiPadの本領はリビング用パーソナルメディアとして発揮されるのではないかと思います。

滞在先のアメリカにて米国版iTunes Storeより、映画やテレビ番組などを購入して視聴する体験を行いましたが、映像ソフトのダウンロードがあっという間というまではいかないものの、居ながらにしてほしいソフトを選択し、閲覧できる、というのはかなり快適です。

持ち歩きには重いかもしれませんが、携帯性という観点ではiPhoneを使えばよいのであり、リビングルームや寝室でメール、Twitterをチェックする、また雑誌代わりにウェブサイトやPodcast、RSSなどを閲覧するといった用途において、適切なサイズであり、大変すぐれた端末になると思います。

また、たとえばGoogle Mapsなどを広げて、何人かで旅行のプラニングを行う、といったような状況は大変盛り上がりました。これまでのウェブサイトが「一人がメインで入り、まわりで傍観する」といったものであったとすると、iPadは「みんなで囲んでわいわい閲覧する」ことが可能になったメディアだと思います。

旅行、ECなどを複数人で楽しめる、という意味において、新しいビジネス領域として捉えることもできるでしょう。こういった利用状況を踏まえた上での、新しいUI設計が求められます。

新しいデバイスであるがゆえのUIの課題
ポジティブなことばかり書いてしまいましたが、UI設計においては課題も見受けられました。それは自由度の高さゆえに、視覚的にどういったUIなのかがわかりにくい、ということです。

有償/無償あわせて数十本のアプリを試しましたが、それぞれのアプリでは、タッチパネル式という新しいUIのみを用いた、創意工夫を凝らした画面設計を行っています。このため、ぱっと見て、どこでどういった操作が行えるのかがわからないということが起こります。これは、まだ発売されて間がないことから、おそらくエミュレータを用いて開発を行ったであろうとことも関係しているかもしれません。

このあたりは、よりタッチパネルが普及して、社会的な共通のUIルールが生まれるのを待つ必要があるかもしれません。

すでに、ガイドライン化の動きも見られます。下記は、米国のインタラクションデザイナー/IAであるLuke Wroblewski氏によるガイドラインです。

LukeW | Touch Gesture Reference Guide
http://lukew.com/ff/entry.asp?1071新しいウィンドウで開く

いずれにせよ、新しい可能性を示す端末であり、特にウェブサービスに関わる方であれば、これまでのタブレットPCなどとはまったく異なった、新しいデバイスとして、一度触ってみることをオススメします。

長谷川敦士/株式会社コンセント
「Web時代の建築事務所」株式会社コンセントを率いる。IA、Ix、UXなどの分野で先進的なプロジェクトを実践している。調査から設計、デザイン、プロトタイプ制作、までトータルにプロジェクトを支援します。