イベント「Creative Cafe伝わらないデザイン」で見えた、円滑な意思疎通のために立ち返るべきこと

  • コミュニケーションデザイン
  • 教育・人材育成
  • 高橋裕子ディレクター

ディレクターの高橋裕子です。
先日、東京工業大学様の「Creative Flow」のイベントで、コンセント取締役の川崎が講演をするということで、私も参加してきました。

私は現在、東京工業大学様の広報誌「Tech Tech」の制作を担当させていただいているのですが、「Creative Flow」は全く別のプロジェクトなので、コンセントがどのようにプロジェクトに関わっているかも含め、興味があり参加した次第です。

私が参加した会は、2012年6月21日に開催された「Creative Cafeデザイナー編「伝わらないデザイン~自分のデザインフィールドを発見しよう~」です。

お客様の言いたいこと、伝えたいことを具体化し、紙やウェブサイト上にコンテンツとして落とし込むのが私の仕事でもあるので、気づかないうちに「伝わらない」形にしていないかは興味深いところです。

他の参加者はどんな人なのかと思って、同じテーブルに座った人に聞いてみたところ、東工大の学生さん、美大の学生さん、専門学校の学生さん、メーカー勤務の社会人の方でした。学生さんから社会人まで様々で、「仕事に活かしたい」という人たちだけではなさそうです。

講演では、まず「伝わらないデザイン」が事例を交えて紹介されました。
事例の一つとして、あるメーカーの商品パッケージを別のメーカーがデザインするとどうなるのかという過程をシミュレーションした映像を見たのですが、「つい言いたいことを入れ込みすぎちゃって、伝わらない状態になっている」わかりやすい例でした。
こういうのは、まさに私たち自身を含め、情報を発信する側の人間は知っておくべき例だなと思いました。

講義に続いて、グループでのワークショップがいくつか行われました。
お題の一つは、パワーポイントで作成されたある資料を見て、それをレイアウトし直してみようというもの。パワーポイントはデザイナーでなくても多くの人が使う機会があり、その資料を「伝わる」資料にすることができれば、「伝わる」ためのヒントが得られる、ということのようです。

パワーポイントで作られた資料は、なんとなく体裁をなしえているような気がするものの、改めて「何を伝えたいのか?」「この情報は何のためにあるのか?」を考えながら見ると、パワーポイントから解釈した答えが参加者それぞれでバラバラ。。パワーポイントの資料がいかに伝わってないかを実感することに。時間の関係もあり、レイアウトし直すところまではたどり着けなかったのですが、情報を分解して優先順位を決めてあげるのが、いかに重要なのかをみんなで確認することができました。と同時に、情報の分解&優劣決めはシンプルな作業のはずなのに、どうして伝わりづらい資料がつくられてしまうのかふと疑問に。

その時、可能性として話に挙がったのは、作っている途中で結局制作者自身が情報を整理しきれてないということと、本人の意志ではない別のところから、あれもこれもといった指示が入って、作った本人がその情報を整理できないまま、なんとなく体裁を整えているからではないか、ということでした。

普段、お客様からいただいた資料の分解・整理はしていても、自分で作るものは確かに途中で支離滅裂になることがあるような…
そして、お客様からも「上長から入れるよう指示があったので入れてください」という話もよく聞くような…
情報の整理はシンプルな作業なのに、徹底してやれている人は意外と少ないのかもと思いました。また状況がそれを許さないというのも原因の一つなのかもしれません。

途中で方向転換したり追加要素が入った時こそ、「何を伝えるためのものなのか」に立ち返ること。それを皆が徹底してできたら、ツールによる意志疎通はもっとストレートに、円滑になるのかもと、あらためて実感できました。

[ 執筆者 ]

コンセントは、企業と伴走し活動を支えるデザイン会社です。
事業開発やコーポレートコミュニケーション支援、クリエイティブ開発を、戦略から実行まで一貫してお手伝いします。

ページの先頭に戻る