私たちのデザインとは

デザインの力
大﨑 優取締役/デザインマネージャー・サービスデザイナー

かたちをつくって試すこと、人を動かすこと

「デザイン」とはなんでしょうか?

デザインとは問題解決であるとはよく言われますが、同時に「問題を発見すること」、「視点を転換すること」もデザインの大事な役割です。誰も気づいていない問題を発見し提言すること、その解決を真正面からアプローチするだけではなく、皆の視点を転換してワクワクして取り組めるように刺激していくこと、これらもデザインの重要な役割と言えます。また、問題解決を繰り返すその先に、私たちの「消費する意味」「働く意味」「生きる意味」などを、共創的につくり出していくことも、デザインの現代的な役割だと言えるでしょう。

私は雑誌等の情報媒体をつくるエディトリアルデザイナーとしてキャリアをスタートし、今はクライアント企業の事業開発や組織開発の支援を行うデザインマネージャー・サービスデザイナーとして活動しています。

デザインがビジネスの文脈で語られることが当たり前となり、その概念が広がっています。そのような時代背景の中でもデザインに求められることは、まずは「かたちをつくって試すこと」だと思っています。「手で考えるデザイナー」と言われるように、頭で考えて出てこないことも手を使って考えたら出てくることがある。これはデザイナーがもつ1つの力ですし、社会に希少な力だと考えています。

デザイナーの役割は「人を動かすこと」

ここで言う「かたち」は、フォルムや色彩のことだけではありません。視覚化や暗黙知の形式知化、あったらいいなと思うことや体験を人が試せるようにかたちにしていくことです。

さらにデザインには「いろいろなものをつなげる力」があります。あらゆる検討は最終的には、対象となる人と対峙する「かたち」に集約するため、「かたち」を担うデザイナーは、集団の中の結節点となります。異なるファクターを束ねるファシリテーターとしての役割がデザイナーに求められるのも、そのためでしょう。

この「かたちをつくって試せるようにする力」と「いろいろなものをつなげる力」により「人を動かすこと」。これが、社会に価値提供できるデザイナーの重要な仕事だと考えています。

論理的に解を導いていくだけではなく、情緒的価値を伝えていくこともまた大切です。なぜなら人は合理的に納得すると同時に感情を通して動くからです。左脳的な問題解決が必要なときもあれば、右脳的な人の想像を超えるクリエイティブや文脈を外すことが必要なときもある。左脳と右脳の両方を大切にしてそのバランスを取りながら、クライアント企業や社会の価値に向き合っていくことが、デザイナーに求められています。

未開拓な領域へ

コンセントは1971年に、百科事典のデザインをきっかけに創業しました。そこから、教科書や書籍のデザイン、当時は黎明期であった雑誌のデザイン、ウェブや紙媒体等の企業コミュニケーションツールの企画・デザイン、あらゆる共創の場のファシリテーション、そして事業開発や行政領域でのサービスデザイン、デザイン経営支援へと、デザインの適用の範囲を広げてきました。

私は「デザインの力が及ばないところはない」と信じています。ビジネスとデザインの関係性が近く語られるようになり、デザイナーやデザイン会社に対する社会からの期待はますます高まっていますが、まだまだ未開拓な分野が多くあります。

コンセントは「デザインでひらく、デザインをひらく」という言葉をミッションに掲げています。コンセントのメンバーはデザインの力を信じ、社会を良くしていこうと考える人ばかりです。

コンセントは全員が「デザイナー」です。「かたちを自分の手でつくれるか」には個人差がありますし、状況によっても変わります。ただ、全員がそれを尊重し共につくりあげていく「デザイナー」という意識を持っています。デザインの力で、一緒に社会を切り拓いていきましょう。

大﨑 優

取締役/デザインマネージャー・サービスデザイナー

武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。2004年株式会社アレフ・ゼロ(現株式会社コンセント)に入社し、2015年より株式会社コンセント取締役を務める。グラフィックデザイン、新規事業開発支援、製品・サービスのデザイン、企業の開発フロー構築支援、ブランディング支援などを行う。2012年にサービスデザイン事業部を立ち上げ、サービスデザイン人材の育成にも携わる。特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)評議委員。社会人のための“未来の学校体験”「Xデザイン学校(X DESIGN ACADEMY)」アドバイザー・講師(2017年度〜)。コンセント Design Leadership メンバー。

大崎優
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