開催日:2017.7.23(日)終了しました
「HCD-Netフォーラム2017」登壇のお知らせ

「HCD-Netフォーラム」は、特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構(以下、HCD-Net)が、毎年、特定のテーマのもと開催する研究発表会や講習会、機構総会を行う場です。
例年、2日間にわたり開催されてきましたが、今年は「スマートモビリティ社会とHCD」をテーマに、1日のイベントとしてより集中したディスカッションや交流の場となるよう企画。10時より20時までの終日、HCDのキーマンによるセッションやワークショップ、HCDベストプラクティス賞受賞事例のプレゼンテーション、基調講演やパネルディスカッション、交流会が行われる予定です。
HCD-Netの副理事長も務めるコンセントの長谷川は、11時からのパラレルセッションのうち、セッション2Bに登壇。「これからのHCD、あるいはHCDのこれからを考える」と題し、HCDの歴史を追いながらデザインの広がりを概観し、デザイナーが今論じるべき課題を明らかにします。
長谷川登壇概要
[セッション2B]11:00〜11:45
講演「これからのHCD、あるいはHCDのこれからを考える」
【内容】
もともとユーザビリティを改善するためのアプローチから始まったHCDは、いまや「あったらうれしい」ものをこえて、ビジネスに欠かせないユーザー体験を設計する手法となりました。HCDの功績は、それまでもの起点であったデザインの思考方法を、利用者観点として再定義した、いわば天動説から地動説への移行のようなパラダイムシフトを起こしたことです。そして、HCDをもとに生まれた「デザイン思考」は、いまやビジネスにおいても一般化するに至りました。
そしていま、プロダクトデザインやグラフィックデザインの時代にはいち製品・サービスの開発であったデザインは、社会を変えるまでの影響を持つに至りました。ここには、ITや経済の発達、これまでのデザイン研究、そしてHCD-NetをはじめとしたHCD普及のための活動、とさまざまな要素が複雑にからんでいるでしょう。
ここまで普及したデザインをわれわれはどういったものとしてとらえるべきなのをわれわれHCDの実践者は考えていかねばならない時代が来ました。KAISTのKun-pyo Lee教授がなどが提唱する「半完成品」としてのデザインを扱う「Design 3.0」、千葉工大の山崎教授が提唱する「Social Centered Design」など、いずれもデザインを利用者中心から、さらに社会に開かれたものとしてとらえているという共通点があります。HCDの概念をビジネスとして展開した、「サービスデザイン思考」においても「Co-creation 共創」「Holistic 全体的な視点」が必要とされており同様の視点がもたれていると言えそうです。
本セッションでは、HCDの歴史を追いながらデザインの広がりを概観し、我々デザイナーがいま論じるべき課題を明らかにします。講演者よりの話題提供の後に、参加者とのディスカッションを通じて課題抽出を試みます。
[ 開催概要 ]
イベントタイトル | HCD-Netフォーラム2017 |
---|---|
日時 | 2017年7月23日(日)10:00〜17:45(9:30受付開始、20:00懇親会終了) |
場所 | 芝浦工業大学 芝浦キャンパス8F 802/801教室(東京都港区芝浦3-9-14) JR山手線・京浜東北線「田町駅」芝浦口から徒歩3分 都営地下鉄・三田線・浅草線「三田駅」から徒歩5分h |
主催 | 特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構 |
後援 | 独立行政法人情報処理推進機構、経済産業省(予定) |
協賛 | 日本感性工学会、一般社団法人 人間生活工学研究センター、一般財団法人 国際ユニヴァーサルデザイン協議会、公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会、サービス学会 ほか |
参加費用・プログラム等の詳細情報、お申し込み |

プロフィール
長谷川 敦士 Ph.D. / Atsushi Hasegawa
株式会社コンセント 代表取締役社長/インフォメーションアーキテクト1973年山形県生まれ。 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了(学術博士:認知科学)。2000年より「理解のデザイナー」インフォメーションアーキテクトとして活動を開始。2002年コンセント設立、代表を務める。
デザインの方法論を活用してこれからの事業開発を行う、サービスデザインを探求・実践。最近では特に日本のサービスデザインを組織と文化の観点から分析し、海外へ発信。
著書に『IA100 ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計』、監訳書として『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING. Basics – Tools – Cases 領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計』、『今日からはじめる情報設計 – センスメイキングするための7ステップ -』(いずれもBNN新社刊)などがある。
National Chapter Boardおよび 共同代表、 副理事長、 主宰。