デザインを通じて企業や行政等の組織の事業・サービス開発支援やコミュニケーション支援をしている株式会社コンセント(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:長谷川敦士 以下「コンセント」)は、サービスデザインの国際組織であるService Design Network(本部:ドイツ ケルン 以下「SDN」)発行の、世界の行政サービスへのサービスデザイン活用に関する調査・分析レポート『Service Design Impact Report : Public Sector』(2016)をSDNの許諾を得て翻訳し、日本語版として2017年10月30日にリリースしました。
「サービスデザイン」は、顧客体験価値に基づき、デザイン思考のもととなっている人間中心設計やユーザー体験デザインのアプローチを活用して、企業や行政の事業・サービスを開発・設計する手法です。顧客価値が多様化し、顧客の文脈により合わせた事業やサービスを行っていくことが成功の鍵とも言われている現代において、注目が高まっています。

『Service Design Impact Report : Public Sector』はSDNの知見と世界中のネットワークを活かして実施された公務員やサービスデザインについての世界的な調査と専門家へのインタビューを基に、公共部門でのイノベーション支援におけるサービスデザインの貢献が進む領域として「政策立案」「文化的・組織的変革」「研修と能力開発」「市民参画」「デジタル化」の5つの面を挙げ、これらについての実践者たちによる論考から構成されています。
日本語版の発行にあたっては、これまで企業や行政機関での事業・サービス開発におけるサービスデザイン導入・実践支援、日本におけるサービスデザインの普及・啓蒙および、国外への日本での取り組みや動向の情報発信に努めてきたコンセントのサービスデザイン事業部がボランティアとして翻訳・制作・発行を担当しました。
なお、日本語版監修は、通商産業省官僚のご経験をもちオープンガバメントに取り組んでいらっしゃる、東京大学公共政策大学院客員教授の奥村裕一氏にお引き受けいただいています。
日本政府でも、2017年5月に閣議決定された官民データ活用推進基本法の「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」において、サービスデザイン思考に基づく業務改革(BPR)の推進が明示され(※1)、行政におけるデザイン活用はより重要になってきています。
今回の『Service Design Impact Report : Public Sector 日本語版』が、日本の公共部門へのサービスデザイン導入の参考書となることを願っております。
コンセントでは、こうした活動を通して、デザインの力が人や社会へのよりよいサービス・体験の提案に寄与していけるよう、今後も努めてまいります。
- ※1参考資料「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画について」(2017年5月30日 閣議決定)
《レポート概要》
名称
『Service Design Impact Report : Public Sector 日本語版』
入手方法
下記のSDN日本支部公式WebサイトよりPDFをダウンロードいただけます。
クレジット
■制作:株式会社コンセント サービスデザイン事業部(Service Design division)
■監訳:小山田 那由他
■翻訳:赤羽 太郎 、高石 有美子、 鈴木 奈都子、 関根 彩矢、 阿部 智樹
■補助:岩楯 ユカ 、河内 尚子
■日本語版デザイン:高石 有美子 、関根 彩矢
■監修:奥村 裕一(東京大学公共政策大学院 客員教授)
※オリジナル版(言語:英語)のご案内
下記のURLより、SDNメンバーシップ情報にてログイン後、ダウンロードが可能です。
■Service Design Networkについて
2008年に発足した、ドイツ ケルンに本部を置く、サービスデザインの国際的組織です。
企業や行政等の事業主体者、デザイン会社等の組織(エージェンシー)、大学等の教育・研究機関の3つの分野の専門家・実践者により構成。国際会議「Service Design Global Conference」の開催や機関誌『Touchpoint』の発行、今回のレポートを始めとする独自研究活動や、日本を含め世界各地域に20以上ある現地支部(Local Chapter)の活動支援を通し、サービスデザインの普及・啓蒙・研究を行っています。
[ 株式会社コンセント サービスデザイン事業部(Service Design division)について ]
コンセント(https://www.concentinc.jp/)のサービスデザイン事業部は、企業の新規事業開発やサービス開発に対して、サービスデザインアプローチでの支援を行う専門チームです。 エスノグラフィ調査による、事業・サービスにおけるユーザーへの価値提案(バリュー・プロポジション)の探索から、サービス・事業戦略立案、UXデザイン、プロダクトデザイン、グラフィックデザイン、コンテンツ制作まで支援しています。
また、日本におけるサービスデザインの普及・啓蒙のため、以下の活動を行っています。
- サービスデザインの可能性をさまざまな角度から考えるメディア『 』の運営
- サービスデザイン関連書籍の監訳、監修、翻訳
- メディアへのサービスデザイン関連原稿の寄稿
- オープンな勉強会「 」の運営
- サービスデザインの国際組織 が主催する「Service Design Japan Conference」の運営支援