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朝日新聞社「認知症フレンドリープロジェクト」

認知症の理解を深めるVRコンテンツを制作、体験会を実施

疑似体験を通した理解促進により、安心して暮らせる社会を目指して

株式会社コンセント(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:長谷川敦士)に所属する全天球映像作家「渡邊課」は、朝日新聞社と朝日新社が取り組む「認知症フレンドリープロジェクト」の一環として、認知症の理解促進のためのVRコンテンツを、株式会社朝日新聞社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:渡辺雅隆 以下、朝日新聞社)とともに開発・制作しました。


背景

厚生労働省が策定した「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」(2015年1月27日策定 2017年7月5日改定)※1によると、日本における認知症高齢者の数は、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となる2025年には約700万人に達するとされています。これは65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症となることを意味しています。また64歳以下で発症する若年性認知症、認知症の前段階と言われる軽度認知障害(MCI)を考えると、その数はさらに増加し、認知症は私たちにとって身近な病気といえます。

※1…厚生労働省「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/kaitei_orangeplan.pdf

前述の「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」はその2025年を見据え、「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現」を目指して策定されたものです。その推進のための7つの柱の一つとして「認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進」が、また他の6つの柱に共通するプラン全体の理念として「認知症の人やその家族の視点の重視」が挙げられています。これは、認知症とともに安心して生きがいを見つけながら暮らせる社会の実現には、正しく理解すること、関わるさまざまな人の視点に立って考えることが大切という表れかもしれません。


VRの特徴を活かした擬似体験で理解を深める

そうした背景を受け、「VRでわかる認知症基礎講座」コンテンツは、朝日新聞社で取り組む「認知症フレンドリープロジェクト」の一環として、認知症の症状や当事者の行動・心境についての認知向上・理解促進を目的に朝日新聞社とコンセントで共同開発したものです。朝日新聞社ではこのVRを活用した「体験型の認知症研修」事業を目指しています。映像制作や編集は、“体験のデザイン”を軸に多くの実写VRコンテンツ制作の実績があるコンセントの渡邊課が担当しました。

VR(Virtual Reality:仮想現実)は、近年、ゲームなどのエンターテインメントだけでなく、医療や教育、観光をはじめとしたビジネス分野での活用も進んでいます。たとえば医療分野においては、手術のシミュレーションやトレーニング、治療、痛みの緩和、病状の理解促進等への活用や研究が進められており、VRのもつ「没入感・臨場感・疑似体験・体験の共有」といった特徴により、「“可視化されづらい事象”について追体験ができる理解促進ツール」として利用されています。

認知症は物忘れといった症状が想起されがちですが、「距離感や方向感覚がつかめなくなる」「幻視」等、実際にはさまざまな症状があり、当事者ではない方にとっては体験として理解するのが難しいものが少なくありません。

今回開発・制作した「VRでわかる認知症基礎講座」コンテンツでは、認知症当事者やその家族、認知症の専門家などにヒアリングを行い、医師の監修のもと、認知症当事者が見ている世界を日常的な風景で再現しています。たとえば「距離感や方向感覚がつかめなくなる」症状では、階段を降りようにも踏み出す足の距離感がつかめずに「足探り」をする様子を、「幻視」では部屋の中を女の子(幻視)が歩き回り、思わず目で追ったり話しかけようとしてしまったりする様子を再現することで、認知症の症状を擬似的に体験し理解・共感できるようになっています。またVRコンテンツだけではなく、体験後の感情を軸としたストーリーを伝える映像も制作し、「私たちができること」をだれもが心に留め、配慮ができるようになることを目指しています。


本VRコンテンツを体験した方々の声

2018年9月22日に東京都中央区で開催された「認知症フレンドリーイベント〜誰もが安心して暮らせる社会を目指して」(主催:朝日新聞社)※2で、本VRコンテンツの体験や医師による認知症の解説、認知症当事者のインタビュー映像を視聴いただく「認知症VR体験会」を実施しました。

「共感する介護を考えたい」「高齢者の運転に関する知識をもちたい」「ヘルパーとして当事者の方と接していく上で、自分で体験してみたい」「今後増えると言われている認知症についての知識を多く得たい」といった理由から多くの方に参加いただきました。体験後にいただいた感想の中からいくつかご紹介します。

「実際に体験することと、頭の中で考えることの差が大きいと思いました。多くの方が体験できるとよいと思いました」(60代・女性)
「階段のVRはとても驚きました。この状態では外を歩く(もしかすると室内でも)ことはとてもこわいだろうと思います。VRもそうですが、当事者の話からも気づくこと・あらためて感じることがたくさんありました」(50代・女性)
「どこが大変なのか、体験後に少し理解できました。運転するときにどんな状態なのか、よく理解できました」(70代・女性)

※2…「認知症フレンドリーイベント」については、朝日新聞デジタル「『認知症だから』を乗り越えて 当事者が語るイベント」(掲載日:2018年9月23日)をご参照ください。


社会的意義のある「体験のデザイン」を

本VRコンテンツを制作した「渡邊課」をはじめ、コンセントでは、創業以来45年以上にわたり培ってきたデザインの知見を活かし、社会や人、企業とともに伴走しながら、問題を提起し、課題の解決に努めてまいります。

■朝日新聞社「認知症フレンドリープロジェクト」について

朝日新聞社が取り組む、認知症になっても安心して暮らしていける「認知症フレンドリー」な社会づくりを目指すプロジェクトです。
朝日新聞社「ともに考える 朝日新聞創刊140周年 05 認知症フレンドリープロジェクト」

2019年2月18日には朝日新聞夕刊(全国版)、朝日新聞デジタルに掲載されました。
朝日新聞デジタル「一緒につくる、豊かに生きる 認知症フレンドリープロジェクト」(掲載日:2019年2月18日)
朝日新聞2019年2月18日夕刊記事「一緒につくる、豊かに生きる 認知症フレンドリープロジェクト」

朝日新聞夕刊(全国版)2019年2月18日掲載(承諾番号:19-0567)
※朝日新聞社に無断で本画像を転載することを禁じます。

[ 本ニュースリリースに関するお問い合わせ ]

株式会社コンセント
PR division:岩楯 ユカ(いわだて・ゆか)、関本 あやか(せきもと・あやか)
TEL : 03-5725-8201 E-mail:mktg@concentinc.jp


[ 認知症VRを活用した体験型認知症研修に関するお問い合わせ ]

株式会社朝日新聞社
認知症VR研修担当
E-mail:dementiavr@asahi.com

[全天球映像作家「渡邊課」について]

株式会社コンセントに所属する、実写VR映像制作を専門に活動するチーム。「見回す必然」をテーマに、視聴者に没入感を伴った映像体験を企画し、撮影、制作を行う。テーマパークなどのアトラクション向け映像やドームへ投影するコンテンツも手がけ、Web動画としてミュージックビデオやコンサート収録も行う。その他にも、ドローンを使った空撮、水中での撮影、特撮やホラーなどを手がける。VRカメラ普及のために、過去には全天球カメラを使った親子向け写真教室やVR映像制作のワークショップなどを開催。
主なメンバー:渡邊 徹(課長)、越後 龍一、山本 勲


[ 株式会社コンセントについて ]

株式会社コンセントは、「デザインでひらく、デザインをひらく」をミッションに、企業と伴走し活動を支えるデザイン会社です。
1971年の創業以来培ってきた、エディトリアルデザイン、情報アーキテクチャ、ユーザー体験デザイン、サービスデザインなどのデザイン領域の専門的知見やアプローチと、HCD-Net認定専門家も多数在籍する人間中心設計(HCD)プロセスを活用し、企業や行政、教育機関などの組織を対象に、コミュニケーションデザイン支援やクリエイティブ開発、事業開発支援、組織デザインなどを行っています。


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