『Service Design Impact Report』は、SDNが2015年度から開始した独自の研究活動の成果として発表されているレポートで、今回、日本語に翻訳したものはその第3弾となります。
現在、ヘルスセクターにおいては世界的に問題が山積しており、予算や法律の改定、科学や技術の進歩による倫理面の課題などの影響を受け、抜本的な改革が必要とされています。
そうした背景を受け、第3弾のレポートでは「サービスデザインがヘルスセクターにおいて果たす役割」をテーマに選定。130以上の団体と680以上のプロジェクトが協力したオンライン調査の結果や、各国のサービスデザインの実務者による論文を紹介し、ヘルスセクターにおいてサービスデザインが大きな価値を発揮しうることを広く知ってもらうことを目的としています。
合計15の論文は、「サービスと政策革新」「デジタル化とEヘルス」「コミュニティ・エンゲージメント」「ケイパビリティ・ビルディング」「文化的および組織的変革」の5章で構成されており、IoTを活用したヘルスケアサービス開発からヘルスセクターでの政策立案まで幅広いトピックが扱われています。ヨーロッパ、アメリカ、アジアのヘルスセクターでのサービスデザインの先進事例についての知識が得られるとともに、さまざまな国で活動する多数のサービスデザイン実務者の考察に触れることができる内容となっています。
ヘルスセクターにおける問題にサービスデザインのアプローチを用いてどのように取り組んでいったのか。課題や成果、専門家による深い考察は、サービスデザイン実践者はもちろん、日本のヘルスセクターに関わる行政や医療機関、企業の方にとっても有益な情報だと考え、より広く知っていただけるよう、日本語版での発行を決めました。
翻訳・監訳・制作は、2017年発行の第2弾『Service Design Impact Report: Public Sector 日本語翻訳版』に続き、これまで企業や行政等の事業・サービス開発支援、サービスデザインの普及・啓蒙、国外への日本での取り組みや動向の情報発信に努めてきたコンセントのサービスデザイン事業部の有志メンバーが、ボランティアとして担当しています。
『Service Design Impact Report: Health Sector 日本語版』概要
名称
Service Design Impact Report: Health Sector 日本語版』
入手方法
■PDF版:SDN公式Webサイトより無料でダウンロードしていただけます。
ダウンロードにはSDNメンバーシップのログインが必要です(Professional、Corporate/Academic、Student、および Free community follower)。詳しくは にてご確認をお願いいたします。
SDN日本支部のWebサイト
■冊子版:定価1,000円(A5判/フルカラー/106ページ)
SDN日本支部開催のイベント会場を中心に販売していく予定です。
クレジット
■制作:株式会社コンセント Service Design Div.
■事務局運営:赤羽 太郎、高石 有美子、小山田 那由他
■監訳:小山田 那由他
■翻訳:小山田 那由他、塚嵜 友子、長尾 真実子
■補助:岩楯 ユカ
■日本語版デザイン:高石 有美子
※オリジナル版(言語:英語)のご案内
下記のURLより、SDNメンバーシップ情報にてログイン後、PDF版をダウンロードいただくか、印刷版が購入できます。
[ Service Design Networkについて ]
2008年に発足した、ドイツ ケルンに本部を置く、サービスデザインの国際的組織です。
企業や行政等の事業主体者、デザイン会社等の組織(エージェンシー)、大学等の教育・研究機関の3つの分野の専門家・実践者により構成。国際会議「Service Design Global Conference」の開催や機関誌『Touchpoint』の発行、今回のレポートを始めとする独自研究活動や、日本を含め世界各地域に20以上ある現地支部(Local Chapter)の活動支援を通し、サービスデザインの普及・啓蒙・研究を行っています。
[ 株式会社コンセント サービスデザイン事業部(Service Design div.)について ]
株式会社コンセント(https://www.concentinc.jp/)のサービスデザイン事業部は、企業の新規事業開発やサービス開発に対して、サービスデザインアプローチでの支援を行う専門チームです。 エスノグラフィ調査による、事業・サービスにおけるユーザーへの価値提案(バリュー・プロポジション)の探索から、サービス・事業戦略立案、UXデザイン、プロダクトデザイン、グラフィックデザイン、コンテンツ制作まで支援しています。
また、日本におけるサービスデザインの普及・啓蒙のため、以下の活動を行っています。
- サービスデザインの可能性をさまざまな角度から考えるメディア『 』の運営
- サービスデザインの考え方やアプローチを、行政課題や社会課題の解決にまで広げていくための研究開発活動
- サービスデザイン関連書籍の監訳、監修、翻訳
- メディアへのサービスデザイン関連原稿の寄稿
- セミナー の企画、開催
- オープンな勉強会 の企画、開催
- が主催する各種イベントの運営支援