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武蔵野美術⼤学とともに「価値創造人材育成プログラム(VCP)」を実施

新規事業創出において求められる、社会人の「創造的思考力」を育成

「価値創造人材育成プログラム(VCP)」実施中の画像。教室に講師や運営メンバー、複数の受講者がいる。教室前方の壁には「VCP School」の表題のスライド資料が映し出されている。

株式会社コンセント(本社:東京都渋谷区 代表:長谷川敦士 以下、コンセント)は、経済産業省令和3年度「大企業等人材による新規事業創造促進事業(創造性リカレント教育を通じた新規事業創造促進事業)」の事業の一環として、武蔵野美術⼤学(所在地:東京都⼩平市、学⻑:⻑澤忠徳)とともに、創造的思考力を学習・実践する「価値創造人材育成プログラム(Value Creation Program)」を2022年1月から3月にかけて実施しました。

「VCP School」のロゴ、ならびに主催の武蔵野美術大学と株式会社コンセントのロゴが配置された画像。「創造的思考を短期集中で学習、実践する。」というキャッチコピーが添えられている。

「創造的思考力」が求められる背景と課題

現在、消費者の大方のニーズを満たす製品やサービスが市場に多く存在しており、既存のビジネスモデルや技術の延長線上では、消費者のこれまで以上のニーズを十分に満たせなくなっています。また既存事業を多く抱えた企業は、組織として効率性を重視する傾向があり、新規事業創出において求められる「創造性」が相対的に軽視されています。これらのことが、先進国の中で日本企業が、付加価値の高い事業創出において遅れをとっている要因と考えられています。

こうした日本企業の現状を打開し、新たな市場を創出するために注目されているのが社会人の「創造性」の育成です。近年その必要性が高まっている一方、「一部の天才的主体にのみ宿るものであるといった誤解」、「特定の思考法への偏重が多く、創造的態度の育成や組織文化づくりが軽視される傾向がある」、「そのスキルを身につける場にも乏しい」といった課題があります。

“課題自体の発見”も重視した創造的思考力を身につける、「価値創造人材育成プログラム(Value Creation Program:VCP)」

これらの課題を解決し、新たな関係性を見出す創造的思考や、それを支える創造的態度を身体知として習得できる実践の場の提供とケーススタディの作成を図ること、さらにそこで得られた成果をオンラインで公開することを目的とした事業が、経済産業省による、令和3年度「大企業等人材による新規事業創造促進事業(創造性リカレント教育を通じた新規事業創造促進事業)」です。

「価値創造人材育成プログラム(Value Creation Program)」(以下、VCP)は、本事業の採択を受け、コンセントが武蔵野美術大学とともに開発した、「創造的思考力」を習得するためのスクール形式のプログラムです。

VUCAと呼ばれて久しい現代においては、課題解決だけではなく、課題そのものを発見する課題発見力を重視し、VCPでは「課題発見のための創造的思考力」と「課題解決への基礎力」を身につけることで、社会に対して価値創造に寄与する人材育成と同時に、個を通した企業や地域、社会と創造的人材との連携を推進する取り組みとなることを目指しています。

[課題発見のための創造的思考力の基礎となる3つの能力]

「構想力」「観察力」「批判力」という3つの円が重なり合っている図。

・構想力…あるべき未来をビジョンとして描き出す能力
・観察力…日常から新しい意味を見出す能力
・批判力…自らの思考のバイアスを乗り越え、本質的な問いを導く能力

VCPの実施と、今後の展開、および得られた成果の還元

2022年1月15日から3月5日の毎週土曜日に、武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスやオンラインにてVCPを実施、大手企業や行政に在籍する次世代経営者候補やミドル層の方を中心に、33名の方に受講いただきました。プログラムの運営は、株式会社武蔵野美術⼤学ソーシャルマネジメントに協力をいただいています。

写真:プログラムの様子(その1)
写真:プログラムの様子(その2)
写真:プログラムの様子(その3)

実施期間中に、武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスで行われたプログラムの様子。

コンセントでは、VCPの開発の他、本事業(「大企業等人材による新規事業創造促進事業」)の目的の一つである「成果のオンライン公開」に向けて、VCPの観察を通して得られたインサイト等をもとに、自学自習コンテンツの開発や一連の施策の成果の公開を引き続き行っていきます。

[VCPの特徴]

  • 武蔵野美術⼤学が90年以上の歴史で培った創造的思考力(クリエイティブシンキング)を用いている。
  • 新規事業を創出するための視点や考え方を得ることを目的とした、全8日間のプログラム。
    • 前半3日間:武蔵野美術⼤学が誇る教育資産の「造形教育プログラム」の体験を通し「観察力・批判力・構想力」を習得。
    • 後半4日間:グループワークを中心としたプログラムを展開し、本質的な課題発見力から価値創造力を体得するとともに、クリエイティブ人材によるメンタリングを通してより広い視野を習得。
    • 最終1日:プレゼンテーションと講評を通じて、通常のデザイン思考プログラムとは異なる、本質的な美術の力を用いた事業創造力の習熟度を確認。
  • デザイン実務経験者、創造性に係る学識経験者、アーティストなど、多様なバックグラウンドをもつ人材が、プログラム開発や講師を担当。
  • 武蔵野美術大学校友会および世界株式会社の協力を得て、第一線で活躍するアーティストやデザイナーによるメンタリングプログラムを実現。これにより、アーティストやデザイナーが、設定したパーパスやコンセプトに対しどのような思考や態度で捉えているのか、体感することが可能。
創造的思考力の実践演習のフローを表した図。

[講師、メンター陣]※敬称略

  • 講師
    • 萩原 幸也(武蔵野美術⼤学ソーシャルクリエイティブ研究所 客員研究員/武蔵野美術⼤学⼤学校友会 広報部⻑)
    • 石川 卓磨(アーティスト/美術批評家/武蔵野美術⼤学講師/東北芸術工科⼤学講師)
  • その他講師
    • ⻑谷川 敦士(武蔵野美術⼤学造形構造学部クリエイティブイノベーション学科主任教授/株式会社コンセント代表取締役)
    • 岩嵜 博論(武蔵野美術⼤学造形構造学部クリエイティブイノベーション学科教授)
    • 木原 進(株式会社梅ノ木文化計畫代表取締役)
    • 百瀬 文(アーティスト/武蔵野美術⼤学講師)
    • ⼤久保 あり(アーティスト/武蔵野美術⼤学講師)
  • メンター
    • 早川 和彦(H inc.代表/クリエイティブディレクター)
    • 柴田 賢蔵(DE 共同代表/デザイナー/クリエイティブディレクター)
    • 村田 美樹(LOEWE プロデューサー/クリエイティブディレクター/武蔵野美術⼤学講師)
    • 加藤 晃央(CEKAI 共同代表/プロデューサー)
    • 篠田 哲郎(CEKAI/プロデューサー)
    • 鈴木 亮太郎(CEKAI/プロデューサー/コピーライター)
    • ⼩松 健太郎(CEKAI/プロデューサー/コミュニティデザイナー)
    • 杉本 真帆(CEKAI/プロデューサー/デザインマネージャー)

[体制]

  • 株式会社コンセント(本事業の採択企業):経済産業省 令和3年度「大企業等人材による新規事業創造促進事業」におけるVCPの開発、自学自習コンテンツの開発、および本事業で得られた成果の公開
  • 武蔵野美術大学:創造的思考力を活用したVCPの開発
  • 株式会社武蔵野美術⼤学ソーシャルマネジメント:VCPの運営、実施

  • 協力組織
    • 武蔵野美術大学校友会
    • 世界株式会社


2022年4月25日追記:『日経デザイン』2022年5月号(日経BP社 2022年4月25日発行)に、VCPについて取材いただいた記事が掲載されました。
『日経デザイン』2022年5月号に、コンセントが武蔵野美術⼤学と実施した「価値創造人材育成プログラム(VCP)」の取材記事が掲載|メディア掲載(公開日:2022年4月25日)

[ 取材等のお問い合わせ ]

株式会社コンセント
Marketing group:岩楯ユカ、関本あやか

E-mail:mktg@concentinc.jp

[ 武蔵野美術大学について ]

武蔵野美術⼤学は、1929年の帝国美術学校創立以来、「真に人間的自由に達するような美術教育」、「教養を有する美術家養成」を建学の精神とし、清新な創造力を持った美術家、デザイナーの養成に努めてきました。また、国内外に多くの優秀な人材を輩出し、わが国の美術・デザインの発展及びその教育研究における重要な一翼を担ってきました。

[ 株式会社コンセントについて ]

コンセントは「デザインでひらく、デザインをひらく」をミッションに、組織と伴走し活動を支えるデザイン会社です。人間中心設計サイクルを活かし、サービスデザインやユーザー体験デザインを実践。事業開発やデザイン経営推進、組織コミュニケーションの支援およびクリエイティブ開発などを行っています。「リアルなデザインの知」を広く社会に共有する取り組みもしています。

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