「デザインでひらく、デザインをひらく」をミッションに活動するデザイン会社の株式会社コンセント(本社:東京都渋谷区 代表:長谷川敦士 以下、コンセント)は、創造性あるチームづくりに活用できるツール「プレイフルボックス」を、オンラインホワイトボードMiroのテンプレートとして公開しました。
「プレイフルボックス」とは
〜場の一体感を高め、創造性を発揮し合えるチームをつくる〜
「プレイフルボックス」はプロジェクトの過程に目を向けてつくった、メンバーとの相互理解を深めながら創造性あるチームづくりに活用できるツールです。
所属企業や部署、職種などバックグラウンドもさまざまなメンバーが集まるプロジェクトでの対話においては、自分の内面に向き合ったり、一人ひとりの個性や考え方を受け容れる姿勢をもつことが大切です。そのような対話から生まれる相互作用が場の一体感を高め、創造性を発揮し合えるチームづくりに活かすことができます。
「遊び心」を引き出す「3つのほぐし」アプローチ
名称にある「プレイフル」は「遊び心」を意味しており、仕事においても遊び心を取り入れることが、これまでのルールや常識といった枠組みにとらわれない創造性を引き出す種になると考えています。
遊び心を仕事に取り入れるためは、「場」「常識」「仕組み」の3つをときほぐすことが大切です。「プレイフルボックス」では、この3つをときほぐして環境やプロセスに意識を向けていくことにより、遊び心あるプロジェクトの進行を目指します。
プロジェクトの過程に合わせて活用できる4種類のワークシートで構成
「プレイフルボックス」は、プロジェクトの過程に合わせて4つのパートに分けたワークシートで構成されています。2〜8名程度のオンライン打ち合わせでの使用を想定していますが、対面の打ち合わせでも活用いただけます。また、すべてのシートを使わなくても、使用するタイミングをアレンジしていただいてもOKです。プロジェクトに合わせた自由な活用を歓迎しています。
■「はじまり」「なかば」「おわり」part
- 「はじまり」part:プロジェクトのキックオフ・スタートに
プロジェクト推進における基本的な認識合わせやメンバーそれぞれの特性・状況などを共有し、チームの関係性づくりにご活用ください。プロジェクトの概要とメンバーの両方を理解し、同じゴールに向かって共創する基盤をつくることができます。 - 「なかば」part:プロジェクトの中盤やいったんブレイクしたいときに
プロジェクトが進んでいく中でひと息つきたいときに、ちょっとしたモヤモヤやお互いの褒めポイントを共有することでプロジェクトの現在地を確認。今後の進め方を見直すことができます。 - 「おわり」part:プロジェクトの終了時の振り返りに
プロジェクト全体の成果や課題点だけでなく、参加メンバー個々人のポジティブな体験や感情をベースに振り返ります。プロジェクトの成果と個人の成長を紐づけ、経験を学びへと変えることが可能です。
■「ドリル」part
プロジェクトでの打ち合わせの冒頭5〜10分程度で使うことができる「ドリル」partには、2024年3月時点で14のドリルがあります。
[ドリルの一例]
- 今の自分の気持ちを表すスタンプや絵文字を押す「今の気持ちを1絵文字で」
- 用意された中から選んだ2つの写真を使って自分の意外な一面を紹介する「意外な一面自己紹介」
- 文章の空欄を埋め、ChatGPTとコラボレーションして自分の魅力を紹介するキャッチフレーズを考える「ChatGPT自己紹介」
各自が普段意識していないことに思いを馳せることにより、メンバー同士の相互理解が深まります。また、自分の考えを言語化することで一人ひとりの主体性が高まっていきます。この積み重ねにより創造性を発揮し合える土壌を醸成します。
「プレイフルボックス」の活用シーン(一例)
- 「部門横断のプロジェクトで、初対面のチームメンバーが多い……」
→まずはお互いを知り、心理的安全性の高い環境づくりに活かす - 「プロジェクトの進め方やメンバーが固定化されて硬直し始めた……」
→異なる視点を入れ、マンネリ化からの脱出に活かす - 「成果や目的ももちろん大事だけどもっと楽しくできるような気がする……」
→変わるためのきっかけづくりに活かす - 「メンバーそれぞれの認識齟齬があるのかないのかもわからない……」
→共通認識を揃えることに活かす
公開場所
「プレイフルボックス」は、世界中のMiroユーザーが自身でつくったテンプレートを共有しているプラットフォーム「Miroverse」で公開しています。以下のURLにアクセスし、[Use template](テンプレートを使用する)ボタンをクリックしてご利用ください。
※今回公開したのは「プレイフルボックス」のVer.1.0です。今後もアップデート予定です。
創造性が発揮されていく土壌づくりをプロトタイピング
予測不可能なVUCAの時代、変化し続ける環境、経験重視の経済への移行といった背景を受け、新たな価値の創出や柔軟な対応等のために創造性の重要度がますます高まっており、行政や教育機関、企業でさまざまな取り組みが行われています。これまでの枠組みにとらわれない創造性の力が、個人にとっても組織にとっても必要です。
創造性自体は、すべての人が本来もっている素質です。しかし社会人になり、さまざまな規範や責任の中で活動するにつれて、子どもの頃のように自由な創造性を発揮する機会は減っているのではないでしょうか。
その背景には慣習的に既存の枠組みの中だけで考えたり、他者に遠慮したり、自分への期待値を意識し過ぎたりすることで、本来もっている創造性に自ら蓋をしてしまうということがあるのではないかと考えました。
そこでお互いを受け容れ合い、安心感をもって自分らしくいられる風土・空気感を醸成することが創造性を発揮するために不可欠だと考え、「プレイフルボックス」の着想につながりました。
創造性の発揮に立ちはだかる課題は時とともに変化していきます。そのため「プレイフルボックス」に完成形はなく、プロトタイピングし続けていくものだと考えています。新しいアイデアを加えながらアップデートしていくため、みなさまからのご意見を募集しています。ぜひ「プレイフルボックス」を使用いただき、新しい活用方法やワークシートなどのアイデアを教えてください。
アイデアの投稿先
下記いずれかの方法でアイデアをお寄せください。
- アンケートフォームで送る
- ハッシュタグ「#プレイフルボックス」をつけてXにポストする
- Miroverseテンプレートのフィードバック機能で共有する
開発担当者コメント
「好きなひらがなは何ですか?」
打ち合わせの冒頭に、そんな問いかけをされたら皆さんはどう答えますか?
毎日のように使っている「ひらがな」でも、好きな「ひらがな」のことは普段あまり考えていないですよね(ちなみに私の好きなひらがなは「か」で、理由はフォルムがカッコいいからです)。ささいな問いかけでも、本人の意外な一面を垣間見ることができたり、場の空気が柔らかくなったりします。
一方で私たちの普段の仕事に目を向けると、効率化や合理化が進む環境では目の前のことに意識が向き過ぎてしまい、視野が狭くなったり思考が硬直化することはないでしょうか?
遊びや余白がないと、なんだか息苦しいですよね。だからこそ、たまには目的から逸れてもOK。足踏みしてしまっている状態を「遊び心」でほぐしていくのが「プレイフルボックス」の役割です。個人の内面や、いつもはスルーされてしまうプロセスにスポットライトを当てることで、今までとは違う新たな選択肢が見えてくるはずです。まずは気軽にやってみてください。レッツプレイ!
「プレイフルボックス」開発メンバー
中條隆彰(クリエイティブディレクター)、白川桃子(コミュニケーションデザイナー)