「高度デザイン人材」は、経済のグローバル化や情報通信技術の急速な進歩のもとで必要不可欠な、あるべき未来を構想し事業課題を創造的に解決する人材として、2018年公表の経済産業省・特許庁『「デザイン経営」宣言』等でその必要性が謳われてきました。その一方で、積極的な育成への取り組みが不足していることが指摘されていました。
本事業はそうした背景を受け、企業や教育機関での高度デザイン人材育成・輩出の促進を目的として開始されたものです。
今回公表されたガイドラインは、企業や大学等での人材育成の方針策として活用できるように、今後、社会や産業界に求められる高度デザイン人材の具体像や備えるべきマインドやスキル、その育成のための具体的なカリキュラム等を取りまとめています。
ガイドライン作成にあたっては、国内外のデザインスクールのカリキュラムや産学連携・大学間連携のネットワーク構築事例を調査・分析したり、有識者への経験や現状課題感等のヒアリングを行いながら、有識者を委員とした高度デザイン人材育成研究会を設置してさまざまな議論を重ね検討をしてまいりました。
同時公表された調査研究報告書では、そうした調査・分析の詳細や有識者による研究会の議事概要、高度デザイン人材の要件や育成のためのカリキュラム案といった検討プロセスにおける各種考察内容を概観いただくことができます。
なお、高度デザイン人材育成研究会の座長はコンセントの代表取締役社長/インフォメーションアーキテクトの長谷川敦士が務め、デザインリード/サービスデザイナーの赤羽太郎、サービスデザイナーの川原田大地と長尾真実子が事務局を担当しました。
コンセントでは今後も、デザインの社会活用の意義の浸透や活用の具体化、デザイナーを育成する教育環境の整備に寄与しながら、デザインで社会をひらき、デザイン自体の可能性も広げるというミッションに取り組み続けます。
高度デザイン人材育成研究会 ガイドライン及び報告書(2020年3月27日)