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2024年度「ADC賞」で大鹿純平の作品が入選、収録された年鑑が発売されました

ADC賞に入選した、大鹿のポスター作品
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優れたアートディレクション作品が選出される2024年度の「ADC賞」(主催:東京アートディレクターズクラブ)で、コンセントのコミュニケーションデザイナー/クリエイティブディレクターの大鹿純平による作品がポスター部門で入選しました。2025年5月に発行された年鑑『ART DIRECTION JAPAN / 日本のアートディレクション 2024』に作品が収録されています。

『DESIGN AND PEOPLE|Issue No.1 デザインは主語じゃない』ポスター3連作が並んでいる。

2024年度ADC賞で入選した、デザイン誌『DESIGN AND PEOPLE|Issue No.1 デザインは主語じゃない』のポスター3連作。年鑑には左の作品が掲載されています。[作品クレジット]アートディレクション&デザイン:大鹿純平、写真:岡庭璃子、クリエイティブディレクション:吉田知哉

入選した作品は、2023年発売のコンセント刊のデザイン誌『DESIGN AND PEOPLE|Issue No.1 デザインは主語じゃない』のポスター3連作です。大鹿は本デザイン誌のアートディレクションを務めており、広報の一環として制作したポスターは、デザイン誌における自身の造形に対する取り組みをさらに拡大解釈し、視覚表現として再構築を試みた発展的作品となっています。

ADC賞はアートディレクターの専門的職能を社会的に確立、推進することを目的として1952年に創立された東京アートディレクターズクラブが毎年行っているアワードです。アートディレクターを中心にフィルムディレクターやクリエイティブディレクターなどから構成される東京アートディレクターズクラブの全会員による審査のもと、ポスターや新聞、雑誌、テレビやウェブといった多様なジャンルの中から、ADC賞やその年度の優れた広告、デザイン作品が選出されます。2024年度は全11部門での募集に対し、約6,000点の応募があり、ポスター部門の応募総数は1,471でした。

大鹿のコメント

今回のポスターデザインで試みたことは、『DESIGN AND PEOPLE』(以下、DP)制作過程で構築してきた取り組みからさらに解釈を拡大させ、表層的で無責任とも言えるようなアプローチでDPの価値を再構築すること。これはDPの追体験であり実験的な試みです。

背面にある写真は変えようもない現実の象徴として紙面に配置。その変え難い現実に対し、その上から押しつけるようにロゴタイプ(思想と置き換える)を乱暴にレイアウト。現実と人々の思想がいびつに共存することで大きな混沌の場(世の中)をつくる。そんな混沌こそデザイナーの真価が問われる仕事場であり、そこにわずかでも既成概念を壊すことができればそれが課題を克服する活路になると想像していく。デザインの現場で巻き起こる事象や人々の営みそのものを抽象化しビジュアルに落とし込んでみました。

DP制作時と同じく今回のポスター制作でも、わかりきった見栄えの良さや、技術で強引に形成する既存の価値づくりはやめ、個人的な体験を根っこにした新たな価値づくりに挑み、最終的には自分がつくったとは思えないポスターを見ることができました。自分にとっては新たな価値だと言えるものです。

日本が誇る東京ADCというクリエイティブの最高峰で、入選という形で認められたことは素直に嬉しいです。DPに感謝しています。賞を受けることが目的ではありませんが、僕だけではなく、クリエイティブに携わるみんなにも、この感覚を味わってほしいと思っています。

大鹿純平
(株式会社コンセント コミュニケーションデザイナー/クリエイティブディレクター)

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