提案書作成チームのスキルを磨き
成果につながる資料づくりを実現する
株式会社日本旅行様(以下、日本旅行)の提案書作成チームがつくる資料品質向上を目的に、所属メンバーを対象にしたスキルアップ研修を実施しました。
- ドキュメント・スライド
- トレーニング・研修
- デザイン思考組織化支援
[ プロジェクトのポイント ]
- 事前ヒアリングと成果物確認による、受講者レベルに応じた研修設計
- 座学とワークを通じた、企画・構成・デザインの実践的なスキル習得
- 過去資料の1on1レビューと成果物へのフィードバックによる学びの定着
プロジェクトの背景
日本旅行では、自治体・企業・学校などを対象に旅行プランを提案する営業活動が積極的に展開されています。その活動を支えるため、社内には提案書の作成に特化したチームが設けられています。
チームは業務の中で独学で資料作成スキルを身に付けたメンバーを中心に構成されており、美術系の専門教育を受けた経験やデザインの実務経験があるメンバーは少数にとどまっています。そのため、スキルの習熟度には個人差があり、結果として資料品質にもばらつきが生じる状況にありました。
このような課題を解決するため、デザインの基礎知識の学習と実践、講師によるレビューを通じて、「企画の意図や魅力が伝わる」資料づくりに必要なスキルをチーム全体で底上げする1日完結型の研修プログラムを実施しました。
問題解決までのアプローチ
受講者がスキルアップを実感できるプログラム設計
成果につながる研修プログラムを実施するために、チーム全体のスキルレベルを把握するところからプロジェクトを開始しました。
コンセントへの相談に至った背景や研修担当者がもつ課題感を整理し、受講者の業務内容やスキルレベルを綿密にヒアリングしました。受講者には過去の成果物も提出してもらい、講師による客観的な評価も行っています。
提案書作成チームの資料全体に共通する傾向
- 企画:企画の意図と魅力が不明瞭
- 構成:情報の羅列でストーリー性が弱い
- デザイン:余白不足による視認性の低下
受講者のスキルレベル把握を通じて改善点を明確にしてから、以下の3ステップによる研修プログラムを設計しました。
講義とワークを組み合わせ、実践につなげやすいプログラムにすることに重点を置いた。長時間の研修でも集中力を維持できるよう、手を動かしたり発言する場面を盛り込み、主体的な学びを促す構成にしている。
1. 講義&ワーク:企画・構成・デザインの基礎を体系的に学ぶ
企画編では、読者視点の習得に取り組みました。メンバーが作成した資料には、「なぜこの企画なのか?」という背景や理由が十分に伝わらず、提案内容のメリットや効果といった読者にとっての「嬉しさのポイントが不足」している傾向が見られました。
読者に響く企画を立てるには、相手の立場を理解することが重要です。そこで講義では、読者視点の有無によって提案書の言葉や構成がどう変化するかを解説。さらに、読者視点が欠けた架空の資料を題材に、響く企画に必要な要素を分析するワークを実施しました。
構成編では、論理的な流れを組み立てる構造的思考力の習得を目指しました。過去の成果物から、論理的な構造に基づいた情報配置に改善の余地がありました。そのため、「情報同士のつながり」と「1ページに最適な情報量」を意識できるよう、全体構成と部分構成の両面から学ぶ講義を実施。
また、ワークでは「4行で骨子を伝える」という考え方を紹介し、受講者に実践してもらいました。これらを通じて、情報を構造的に整理する力を養い、納得感のある構成がつくれるようになることを目指しました。
デザイン編では、デザインの4原則(近接・強弱・整列・反復)の実践と視覚表現テクニックの習得に取り組みました。特に情報を1ページに詰め込みがちな傾向が見られたため、まずは、「空間」の使い方に重点を置いたワークを実施。余白を確保することで視認性と可読性が向上する効果を座学と実践を通じて体感します。
次に、資料に世界観を演出するための視覚表現の要素として、書体・色・ビジュアル(写真やイラスト)の扱い方を座学とワークで学習しました。読者に伝わる表現にするためのポイントを整理しながら、効果的な使い方や工夫を具体的に解説し、実践を通じて理解を深めていきました。
2. 提案書1on1レビュー:過去資料の個別診断と課題共有
事前アンケートで資料作成の背景や想定読者を把握したうえで、講師が「内容が正確かつ迅速に伝わるか」を軸に、情報の伝達力や論理性、整合性を重視した個別レビューを実施しました。
各受講者の資料には改善点にふせんを付けてフィードバックし、再現性のある改善方法を提示。例えば、情報量が多くなってしまう中でもメッセージが明確に伝わるような見出しの立て方や、視線誘導のテクニックを伝えました。レビューは公開形式で行い、チーム全体で「良い資料とは何か」を振り返る機会にもつなげました。
1on1レビューの様子。公開形式にすることで、参加者同士が互いに学び合えるように工夫した。
3. デザイン実践ワーク:提案資料の作成と発表
最後のパートでは、具体的に旅行提案をしてもらうデザイン実践ワークを行いました。実際の業務を想定した課題に対する資料を作成してプレゼンすることで、読者に伝わる企画ができているか、構成をうまくつくれているか、最適な視覚表現ができているかを振り返ります。
講師からのレビューによってメンバーそれぞれの個性や成長が可視化され、チーム全体のスキルアップが実感できました。
実務に近いワークにより、研修内容を自分ごと化してもらえるようにした。
研修の成果
後日、研修前に作成した資料の改善版を共有していただきました。コースごとの見出しの整理、余白による区切り、簡潔な説明といった工夫が行われており、視認性・可読性ともに大きく向上しています。読者に伝わってほしいポイントが強調された資料に仕上がっていました。
参加者の声(アンケートより抜粋)
- 企画書の制作についてここまで丁寧な講座や指導を受けたことがなかったので、基礎的な部分から細かくご教授いただき大変勉強になりました。
- 提案書の第一前提であるお客様目線という原点で考えることができました。デザイン面のポイントや、提案書の構成としての目を惹く内容といったものをより深く学べました。
- 何年も企画書を作成してきて初めて外部の方に添削していただけました。一度添削してほしい気持ちがあったのでありがたい機会でした。
- メンバーそれぞれの特色や性格などがよく感じ取れることができました。他のメンバーのスキルの高さや個性にとても刺激を受けました。
担当者の声
資料制作やデザインのプロフェッショナルの視点から、チームに不足していたスキルを客観的に補っていただきました。今後は企画書作成時に、全体像・見出し・つなぎ・余白を意識して取り組みたいと思います。
準備段階から丁寧に対応いただき、チームのレベルに合わせた研修内容にも感謝しています。特にフィードバックは、メンバー全員が「有益だった」と口を揃えて言っていました。また機会がありましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
[ プロジェクト概要 ]
| クライアント名 | 株式会社 日本旅行 様 |
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