Design vs Technology ?(2014.09.24 開催)

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  • 坂田一倫

こんにちは、ユーザーエクスペリエンスアーキテクトの坂田です。

2014年9月24日に開催された、Orange design_research Tokyo が主催する「design talk」(http://designtalks.doorkeeper.jp/events/14954)の初回となるイベントにて「DESIGN VS. TECHNOLOGY?」をテーマとしたセッションを担当させていただきました。


本イベントを主催する Orange design_research Tokyo はフランスの大手テレコム企業 Orange の東京オフィスで、世界各国の Orange グループのテクニカルチームやビジネスユニットを、サービスデザインの観点から支援している専門部隊です。初回となる本イベントでは他にも IAMAS の小林 茂教授や NPO 国境なき技師団の八木田 寛之氏が登壇されました。


セッションの途中ではフランスに本拠地を置く Orange 主催ということでキッシュやフランスワインが振る舞われました。参加された方々の約3/4が外国人と、多国籍な会となり、セッションもすべて英語にて行われました。


ユーザエクスペリエンス・デザインやサービスデザインのバックグラウンドをもっている登壇者は私一人ということもあり、20分の枠内でサービスデザインに軸を置いた広義の「デザインの躍進」について話題提供をさせていただきました。

セッション資料『Designing for the Future - The Rise of Design』


ここからは私が当日お話させていただいた内容を振り返りながら、デザインとテクノロジーという大変興味深いトピックについて、個人的な考察とともにさらに話しを深めていきたいと思います。

デザインとテクノロジーの対立


工業的に製造された製品で、デザインされていないモノはないと考えています。デザインはいたるところに溢れていますが、なぜか難しいものと思われてしまうようになりました。よくデザインは「観察による問題解決をする行為」と説明することがあります。語源を辿ると、デザインは物質を「de-signare = 脱・しるし化する」ことで、モノのありようが現在どうなっているかを見直す行為そのものです。これはまさにテクノロジーにも当てはまるのではないでしょうか。この場合のテクノロジーは、電気カミソリなどの道具や炊飯器のような複雑系機械を指し、「実世界の問題の解決ないしは問題の防止に役立てられているモノ」です。つまり、本来、デザインとテクノロジーは対立構造にはないはずです。

デザインとテクノロジーの架け橋


デザインが問題発見・問題解決をする行為であると定義するならば、テクノロジーにも同じようなことが言えると思います。デザイン対テクノロジーの対立関係ではなく、デザインとテクノロジーの双方から社会の、ないしは生活の問題に向き合うことがこれからの時代に必要なのではないでしょうか。問題解決は大事だけれど、さらに大事なことは問題を発見ないしは定義し、そもそもの問題を起こさないようにすることだと考えます。そのためには、デザインとテクノロジーの架け橋となる我々人間が、問題の防止に務める努力をしなければならないと考えます。

電車の駅を想像してください。駅構内のエレベーターやエスカレーターは、体の不自由な方や高齢者の移動をサポートする役割を担っていると同時に、階段で起こる怪我などのさまざまな問題を防止するための施策としても成立していると言えるかもしれません。エスカレーターを取り付けられない一部の駅では、階段の手すりの形状を再設計したり、階段の踏み面積や角度を緩やかにすることで問題解決に挑んでいますが、エスカレーターという技術の発達によってそもそもの問題の防止策の選択肢が増えたのです。

生活者が抱える問題解決へのアプローチは違えど、エスカレーターという技術的な選択がなされなければ、問題を起こさないための工夫が施されなかったかもしれません。生活問題の防止を目的としてエレベーターが設計されたとは言い切れませんが、これからはデザインの選択肢としてのテクノロジーという関係性を人間が構築していければ、豊かな未来社会の実現に更に貢献できるのではないでしょうか。

サービスデザインと人間中心設計


問題解決及び問題の防止への理解を深めていくためには、当イベントでお話した、サービスデザインの3ステップ(スライド資料7ページ目)にも繋がります。

  1. 1.Frame: システムの枠を理解する。
  2. 2.Unframe: 枠を取り壊し、点在する問題を発見する。
  3. 3.Reframe: 問題を防止・解決するための枠を再設計する。

当イベントのセッションで一番お伝えしたかったことは、

テクノロジーは結局テクノロジーであり、それを設計・操作するのは人間である

ということです。

エスカレーターの設計は、当たり前ですが、人間の手によって行われます。たとえそれが機械によって生産されていたとしても、その機械を手がけたのは人間です。技術の発展によって生活は確かに便利になりましたが、忘れてはならないのはそれらの製品はあくまでもインターフェイスであり、作り手と受け手の双方のコミュニケーション・デザインによって社会の、ないしは受け手の問題解決や防止へと繋がっているということです。

米IDEO が積極的に同様のメッセージを発信している(http://www.ideo.com/work/human-centered-design-toolkit)ように、この時代だからこそ、人間による、人間のための Human Centered Design(人間中心設計)に立ち返るべきだと考えています。

[ 執筆者 ]

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