パナソニック   HEMSサービス開発支援

提案価値を短期間で具体化し
実証実験までサポート

住まいのエネルギーを見える化し、電気設備を賢くコントロールするパナソニック株式会社様(以下、パナソニック)の「HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」。その「HEMS」における新サービスの企画から、スマホアプリのモックアップ作成、3ヶ月に渡る実証実験の実施まで支援しました。
なお、本プロジェクトは「家庭内電力に関する顧客価値探索エスノグラフィ調査」での成果をもとに実行されたものです。

  • モバイルアプリ
  • 事業開発支援
  • デジタルプロダクト開発支援
  • メディア・コンテンツ開発
  • クリエイティブ開発

[ プロジェクトのポイント ]

  • 短期間で事業を具体化するスプリントプログラム
  • ユーザー設計
  • 毎日のログやフィードバックとアンケートを使って精度の高い検証を実施

プロジェクトの背景

エスノグラフィ調査の結果により設定した事業コンセプトを具体化し、その提案価値が訴求できるかを検証する必要がありました。

問題解決までのアプローチ

プロジェクトは以下3フェーズに分けて遂行しました。

  1. 1.コンセントサービスデザインスプリント(以下、CSDS)による提案価値の具体化(6週間)
  2. 2.コンテンツ戦略と企画制作(6週間)
  3. 3.実証実験(3ヶ月)

1.CSDSによる提案価値の具体化
CSDSは、ユーザー調査から提案価値の方針策定、プロトタイピング、ユーザー評価までのプロセスを6週間という短期間で遂行するプログラムです。本プロジェクトでの仮説が、ユーザーの「潜在」ニーズに即したものであったため、早期に顧客に具体的なプロトタイプを提示し、ニーズの確かさを確かめる必要がありました。
実施したアクションは、ユーザー調査の実施、ユーザーシナリオ検討、コンテンツ方針検討、電力データの視覚表現の検討、デザイン検討、プロトタイプ構築、ユーザーテストの実施です。

前フェーズのエスノグラフィ調査にてユーザー観察を行いましたが、仮説やスコープを絞って、再度小規模な訪問調査を行いました。

調査によって、ユーザーの生活における価値は電気代の節約だけでなく、家事の効率化、家族間のコミュニケーション、家電の管理、空間快適性、生活スタイルの変化、など多岐に渡るという示唆が得られ、その中で、HEMSの利用に関する心理変容の経時的な共通パターンを見出すことができました。
HEMS利用で最初に突き当たる課題と、電力管理における把握の仕方、理解の深まり方、継続利用のために必要な自己学習などにパターンがあることを発見したのです。

プロトタイプ構築では、その心理変容のパターンに即して、サービスの機能群の整理、ユーザーの理解・把握段階に応じたUIデザイン、キーコンテンツの定義・実装を行っていきました。
ProttやAxureなどのツールを用い、ユーザーが操作可能な動的なモックアップを作成し、テストを実行しました。
ユーザーテストの結果、想定していた提案価値がユーザーに響くものであり、継続的な利用が見込めるものだと判断できました。この検証結果をふまえて、サービスの詳細化と実証実験を進め、事業の具体化検討を継続していくことになりました。

2.コンテンツ戦略と制作
実証実験では、ユーザーがプロトタイプを利用する中で、心理変容のパターンにそって学習し、継続利用につながるかどうかを大規模に検証しました。また、ユーザー属性や心理変容の段階に応じたコンテンツの出し分けによって、ポジティブな行動をつくり出せるかどうかも検証のポイントでした。
どのようなコンテンツ群を出し分けるべきかを検討するにあたり、まず読み手となるユーザーを、「HEMSに対する関心度」と「節電意識」の2つの軸でマトリクス化し、各セグメントに対してどういうコンテンツを提供すれば、ポジティブな行動を誘発するか?という観点で、コンテンツを数十パターン作成しその運用計画を設計しました。

3.実証実験
実証実験の実施にあたり、家庭ごとにアクセスログやサービス利用状況を分析した上で、個別にコンテンツを発信しました。実際の生活文脈において、どのようなコンテンツにどのようなリアクションがあるかも検証を行いました。
本実装の際には、コンテンツの出し分けをアルゴリズムで運用する想定でしたが、実証実験では各ユーザーに対してのコンテンツ制作と出し分けをすべて人力で模擬的に遂行しました。毎日アクセスログなどのフィードバックやアンケートを取りながら、精度の高いサービスプロトタイピングと検証を実施することができました。

クリエイティブのポイント

クリエイティブ上の最も大きな課題は、毎日の電力使用量をどのように表示するか、でした。使用電力を詳細にグラフ化しても、ユーザーは理解してくれるわけではありません。ペルソナの電力把握の仕方や、「その瞬間に何を知りたくて電力量をみるか」に合わせて、適切なグラフィックを提供しなければなりません。本プロジェクトでは、電力確認の時間的粒度感と、何を軸にみるか(電気代なのか、家電ごとなのか)をもとに、およそ100パターンほどの電力使用グラフのラフスケッチを作成し、テストを重ね実装しました。

プロジェクトの体制

(CSDSによる提案価値の具体化)

  • サービスデザイナー:4名

(コンテンツ戦略と制作、実証実験)

  • サービスデザイナー:1名
  • コンテンツディレクター:1名
  • デザイナー:1名

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