書籍『包(つつむ):日本の伝統パッケージ、その原点とデザイン』(編著:岡秀行+目黒区美術館)をコンセントより刊行。2019年8月5日頃より一般書店やオンライン書店で販売開始予定です。
日本のアートディレクター、グラフィックデザイナーの草分け的存在であった故・岡秀行氏(1905〜1995)が日本各地で収集した、藁、竹、土、紙などの自然素材を使った伝統パッケージの名品の数々を豊富なカラー写真と解説文で紹介。地域社会と自然風土を色濃く反映したデザインにより、その当時生活に根付いていた日本の伝統パッケージに脚光を浴びせた内容です。
本書は、岡氏自らの企画・アートディレクションで制作された『包』(1972年、毎日新聞社刊)を底本とした図録(目黒区美術館「包む:日本の伝統パッケージ」展、2011年、ビー・エヌ・エヌ新社刊)を新たに書籍化。デザイン史家の佐賀一郎氏(多摩美術大学)による「岡秀行論」を増補した新装再編集版です。コンセントの編集者でクリエイティブディレクターの吉田知哉が出版企画と編集を担当しています。
岡氏は、当時の最先端のデザイン手法・組織論を取り入れて、日本のデザイン業界の発展に寄与した人物で、高度経済成長の中、科学技術や経済至上主義が、人間の幸せにとって必ずしも万能ではないことを予見。生活の美意識を宿した伝統パッケージのデザインには、失いかけた自然風土との共生を呼び覚ます意味があると考え、それを著作や展覧会で広めていきました。海外でも大きな評判を呼び、本テーマの展覧会が各国を巡回、28ヵ国延べ100ヵ所で開催されています(現在、コレクションは目黒区美術館に所蔵)。
なお、本書は株式会社良品計画様の協賛を得ての刊行となり、MUJI特装版を無印良品 銀座のオープンに合わせて制作・販売しています。本書の刊行を記念したトークイベントを、MUJIcom 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス、ATELIER MUJI GINZAで開催する予定です。詳細が決定次第、セミナー・イベントページにてお知らせいたします。
2019年12月5日追記:好評につき一般版(書店流通版)の重版が決定いたしました。2019年12月9日に重版出来予定です。全国の書店にてお求めいただけます。
《書籍情報》
『包:日本の伝統パッケージ、その原点とデザイン』
- ■編著:岡秀行+目黒区美術館
- ■出版社:株式会社コンセント
- ■ISBN:978-4-909290-01-4
- ■発売日:2019年8月5日頃
- ■定価:本体3,200円+税