ユイット・ラボラトリーズ   スキンケアブランド『HALCA（ハルカ）』ブランディング支援およびクリエイティブ開発

八ヶ岳の自然の恵みを生かしたオリジナル化粧品ブランドを展開している株式会社ユイット・ラボラトリーズ様（以下、ユイット・ラボラトリーズ）。EC強化を目的とした新規事業の一環として立ち上げた新たなスキンケアブランド『HALCA（ハルカ）』のブランディング支援およびクリエイティブ開発を担当しました。

ユイット・ラボラトリーズの既存の主力ブランドはごく限られた販路でのみ展開され、その高品質なスキンケアアイテムに根強いファンはいるものの、幅広い層にリーチできていない現状がありました。
新たに立ち上げたスキンケアブランドでは、新たな顧客層の開拓と販路拡大、併せて“ブランドとして魅せる”クリエイティブの構築が課題となっていました。

プロジェクト開始前に、まずはユイット・ラボラトリーズのもつ強みを洗い出す社内インタビューを実施。八ヶ岳の工場も見学させていただき、社内の雰囲気や立地環境をリサーチしました。その後さらに、商品のターゲット層となるユーザーにスキンケアや生活について幅広くヒヤリングし、スキンケアに求める価値を探索しました。
これらの調査を経て、コンセントのプロジェクトチームだけでなく、ユイット社のプロジェクトチームや、社長、その他の社員の方、コピーライターを交えてブレストとディスカッションを重ね、ブランドの方向性についての認識を共有しました。
企業の未来を見据えた視点で、プロジェクトを遂行できるチームビルディングを行いました。

『HALCA』は自称・敏感肌（以下、ゆらぎ肌）の方をターゲットに、肌が本来もっている力を底上げする商品ですが、“ゆらぎ肌”という肌質に関する解釈が人によってさまざまであったため、社内インタビューから肌種別マップを作成し、「肌が何らかの影響を受けやすく、常に一定ではない状態」と再定義し、認識の統一をはかりました。

そして、ユイット・ラボラトリーズとしての「長く愛される商品をつくりたい」という意向と、『HALCA』の魅力である八ヶ岳山麓で取水された水を基点に、ユーザー研究や他社との差別化ポイントをふまえ、ブランドコンセプト、タグライン、アイデンティティを策定。ブランドパーソナリティーの構築、つくり手のマインドを汲みながら、ロゴやビジュアル等の各種クリエイティブでその世界観を表現しました。

化粧品業界において「水」をポイントにした商品は競合が多すぎるのが課題でしたが、企業としての水に対する実直さに最後までこだわりました。

ユーザーを中心に据え、共に育みあうブランディング

“ユーザーの心を捉えるものはなにか”を堅実に検証し、本商品の成長が会社全体の未来につながるよう、インタビューやワークショップ等、チームビルディングに重点を置いた手法で土台を固め、発話から価値観を抽出してブランディング構築へと進めました。

“ペルソナ”と“ブランドパーソナリティー”の関係性からブランドの存在感を紐解く

生活者ペルソナの設定と併せ、特性をもとに商品を擬人化したモデル（ブランドパーソナリティ）を作成。顧客と商品がどういう関係であるべきか、キャラクターベースでコミュニケーションを構築し、検証しました。ユーザーと商品のあるべき関係性や想い、そして商品の魅力である「水」を考慮し、キャッチコピーやビジュアルを組成しています。

瑞々しさと美しさを繊細に表現したクリエイティブ

朝のスキンケアタイムに着想を得て、ビジュアルは朝焼けをイメージした繊細なグラデーションで表現しました。その微細なグラデーションには「一日のはじまりである朝・ゆらいでいる肌を生まれ変わらせる・新しい自分」という意味を込めています。グラデーション表現は、僅かな色みの違いで印象が激変するため、印刷所に足を運び、何度も色校正（試し刷り）を出して微調整を繰り返すなど、細部にこだわり抜きました。
また、カタログではユーザーが自分の肌とじっくり向き合えるよう、肌を知るためのTIPSやスペシャルケアの提案を盛り込みました。

「淼」というブランド名がアクセントに