国際航業   電気料金プラン最適化サービス「エネがえる」UI改善

「5分で終わる」UIへの改善で、
成約率の向上に貢献

電気料金プラン最適化サービス「エネがえる」は、2016年に開始したサービスで、主に太陽光パネルや蓄電池の販売会社の営業担当が利用するツールとして提供されています。このサービスをユーザー視点で改善するために、営業担当者の利用シナリオをベースにUIを改善し、成約率の向上と営業コストの削減に大きく貢献しました。

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[ プロジェクトのポイント ]

  • ターゲットユーザーである営業担当者の利用シーンをふまえたUI設計
  • ユーザーテストによる検証と改善で、「5分で終わる」診断を実現
  • シンプルで明快、親しみやすいUIへの改善により、成約率の向上に貢献

プロジェクトの背景

従来の「エネがえる」は、電気料金プラン診断の精度の高さには定評がありつつも、診断をするための入力項目や条件が複雑なことが一番の課題でした。ターゲットユーザーである太陽光パネルや蓄電池の営業担当者は、ITリテラシーやエネルギーに関する知識があまり高くない方も想定されるため、サービス画面やマニュアルもわかりづらく、そのことがサービス導入の妨げになっており、ユーザー視点によるサービス改修が求められていました。また、3ヵ月後に機能追加を予定しており、そのタイミングに合わせるため短期間でのプロジェクト遂行も期待されていました。

リニューアル前の画面

問題解決までのアプローチ

短期間で改善する効果を最大化するため、サービスの主要フローのUI改善にフォーカスを定め、「5分で終わる」ことを目標としました。ターゲットユーザーのユーザー像と利用シーンを具体化し、利用フローに基づいたプロトタイプを作成。実ユーザーへのユーザーテストと修正を繰り返してUI改善を実施しました。ユーザーテストでは実際に情報入力が5分で完了するかを検証するため、国際航業様のお客様となる企業のユーザーをリクルーティングし、実際に入力ができるHTMLのモックアップを使ってテストを行いました。

リニューアル前の画面(左)とモックアップ画面(右)

ユーザーテストの様子

クリエイティブのポイント

利用シーンとして、営業の方が会社で見るだけではなく、お客様と話しながらタブレット端末を用いてその場で診断結果を見せて話すシーンも想定されるため、シンプルで明快、そして親しみやすさを与えるデザインを目指しました。具体的な改善策としては、「電気」「ガス」「セット割(電気+ガス)」など診断の目的に合わせて構造とフローを見直し、入力項目も最小限のものとオプションのものを整理し直すことで各画面での認知負荷を徹底的に減らし、目的達成までの時間を短縮しました。また、エンドユーザーであるお客様の目にも触れることから、温かみがあって親しみやすく、信頼を得られるようなトーン&マナーを設計しています。

リニューアル後の画面デザイン

画面デザインに関するトーン&マナーを定義する資料

[ お客様の声 ]

UIの使いやすさ、シンプルさが
サービスに与えるインパクトを実感

今回のクライアントである国際航業様の担当者に、プロジェクトの背景やポイント、具体的な成果についてうかがいました。

インタビューにご協力いただいた国際航業株式会社の佐藤丞吾様(左)、樋口悟様(中)、土屋綺香様(右)

Q.プロジェクトの背景とコンセントに依頼した経緯を教えてください。
国際航業では、3年ほど前から新たな顧客層を開拓する新規事業の企画・立ち上げに全社で取り組んでおり、『エネがえる』はその一貫で2016年に開発したサービスです。もともとは、スマートハウスを導入したお客様からの「スマートハウスにしたけど電気代がぜんぜん安くならない」というクレームがきっかけで始まったサービスで、BtoBの新たな顧客層を開拓し、ハウスメーカーやディベロッパーなどをはじめとして営業を行ってきました。蓄電池の市場拡大などもあってサービスに対するニーズは高まってきており、機能や診断の精度自体は優れていたのですが、実際にサービスを使う人の視点に立ったUXデザインに課題意識があったため、いくつかのデザイン会社とお話をして、最終的にコンセントさんに依頼しました。決め手となったのは、BtoBサービスの実績があったことと、UXデザインに対する安心感、そして、単純な請負として外注するのではなく、長期的なパートナーとして期待できそうということでした。

Q.実際にプロジェクトを振り返っていかがですか?
まず、プロジェクトの中でのコミュニケーションやタスク管理がしっかりしていてとても助かりました。プロジェクトの進行は安心してお任せして、我々はサービス開発の重要な議論に集中することができました。また、UXデザインの重要性については、正直なところプロジェクトを依頼するまでは半信半疑な部分もあったのですが、実際のデモ画面を見たり、ユーザーテストをする中で、UIの使いやすさやシンプルさがサービスに与えるインパクトを実感しました。『エネがえる』の利用シーンを想定すると、お客様である営業の方にとってはスピードが命で、「情報入力のシンプルさ」が求められますが、サービスを提供する我々としては「診断結果の精度の高さ」をとても重視しています。その相反する条件の両立が今回の課題だったのですが、それを解決するUIを設計していただきました。今までは、「機能さえしっかりしていれば使ってもらえる」と思っていた部分もありましたが、今回のプロジェクトを通して、ユーザーの視点に立って考えることの大事さを認識しました。

Q.今回のプロジェクトを通して、ビジネスとしての具体的な成果はありますか?
改良したサービスをローンチしてまだ日が浅いですが、改善したUIのデモを使うことにより、営業での成約率は明らかに上がりました。今期、営業力を高めるための取り組みは他にもいくつか行っていますが、その中でも投資対効果が一番高いプロジェクトだったと思います。お客様からも好評で、改良版をベースに機能の個別カスタマイズなどのご要望もいただいています。また、副次的な効果として、社内でのプロジェクトの進め方に対する意識も少し変わりました。今までは「機能」や「要件」をベースにした会話が多かったのですが、開発メンバーがユーザーの反応を気にするようになったり、開発会社とのコミュニケーションの密度を高めるというような工夫も始めたりしています。『エネがえる』は、今回の改善を土台として、今後、AIとの連携やAPIとしてのサービス化など、さらなる市場拡大を考えています。他の部署や事業への展開も視野に入れて、UXデザインに力を入れていきたいと考えているので、今後もぜひよろしくお願いします。

プロジェクトの体制

  • プロジェクトマネージャー:1名
  • アートディレクター:1名
  • デザイナー:1名
  • テクニカルディレクター:1名
  • マークアップエンジニア:1名

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 国際航業株式会社 様
URL https://www.enegaeru.com/

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