ドローン空撮、やってます。

  • 赤坂 哲伸のプロフィール写真

    赤坂哲伸ディレクター

1.ドローン空撮、始めました

最近よく、観光や施設紹介・テレビなどで、ドローン空撮による映像を目にするようになりました。そこで、今後プロジェクトで使えるのではないかと思い、ドローンのスキルを習得してみました(ドローンパイロットの養成スクールに、半年通いました)。
その後、多方面から空撮のご相談をいただくことがあり、コンセントとお取り引きがある神戸女学院さまからも声をかけていただきました。今後、さまざまな媒体で使用するための動画や写真を撮影したいとのご依頼です。神戸女学院さまのキャンパス(建物)は、国の重要文化財で、貴重な空撮機会でもありました。今回は、その空撮の流れをご紹介します。

2.ロケハンのチェックポイント

私自身、神戸女学院さまを訪れたことがありませんでした。そのため、実際にキャンパスに行きロケハンしてきました。現地の視察がてら、撮りたい対象やカットなど、担当者の方と撮影のイメージをすり合わせます。

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正門。ここから建物があるキャンパスまで、しばらく緑の道が続きます

写真:学院の敷地内の様子

学院の敷地内は緑に溢れ、外の住宅街とは別世界です

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立派な中庭。この時期は、一部緑が生え揃っていませんでしたが、ドローンで空から撮る場合、ここがハイライトです

写真:事前チェックの様子

電線や木々の配置、近くの住宅や施設など、撮影時に障害になりそうな懸念がないか、事前にチェックしておきます

神戸女学院さまは建物が重要文化財であることに加え、住宅街の中、人口密集地に存在します。そして、学校であるため不特定多数の人が出入りします。更に、近くに伊丹(大阪)空港があるなど、ドローン空撮にあたって、気にするポイントが多々ありました。

3.現場によって異なる、事前準備

ロケハン時に出てきた懸念点は、東京に帰った後、ひとつひとつクリアにしていきました。

重要文化財

万が一建物にドローンが衝突するなど、修復の必要が生じた際、補償の能力が問われます。そのため、加入しているドローン保険で対応可能かチェックします。幸い、すでに加入している保険でも重要文化財は対象範囲内でした。

人口密集地

国土交通省への申請が必要です。こちらはすでに日本全国の人口密集地を対象に申請済で、国土交通省から許可を得ていました。

不特定多数の人の出入り

ドローンは基本、人の上を飛んではいけません。これは、撮影予定日を人が出入りしない週末に設定し、事前にドローン空撮の周知をするなど調整をしました。

近くに伊丹(大阪)空港

空港周辺では、ドローンの利用は制限されています。今回の場合、ドローンを飛ばす高さに制限があったため、関係機関に申請し、制限範囲を少し調整させてもらいたい旨相談し、許可を得ました。空撮前日に、あらためて電話で大阪航空事務所に連絡する必要があります。

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実際にやりとりした申請書

これらの調整と合わせて、空撮時の時間割や日程を、ザックリと決めていきました。雨が多い季節を控えていたため、候補日を多めに出しておきました。大抵のドローンは、基本的に防水性能を備えていません。
また、申請の許可が下りるまで、半月から1か月程度かかる場合があります。この期間を考慮した撮影予定を組みます。プランが現実味を帯びてきたら、当日の時間割や香盤表をつくって、撮影前に関係者で進行に関する打ち合せをします。

絵コンテ兼香盤表

実際に使用した絵コンテ兼香盤表。3D地図を利用し、事前に撮りたいカットのイメージを膨らませます

4.撮影時、大切にしていること

撮影当日。梅雨の季節だったため、心配ではありましたが、なんとか晴れました。前日に、大阪航空事務所への連絡も済ませてあります。撮影は、私と安全チェック係の2名体制で臨みます。

写真:撮影の様子

実際には私以外にもう一人、周囲の安全をチェックしているメンバーがいます

撮影画像や映像は、その場で神戸女学院さまにチェックしていただきながら、何テイクか撮り続けます。撮影角度や距離によって、ドローンと送信機との電波が途切れ、見失いそうになることもありましたが、大事なのは慌てず対処することです。撮りたい絵を撮ることも大切ですが、無理して事故を起こしてはいけません。安全第一を意識して空撮を続けました。

撮影終了。
この日は時間いっぱい使って、さまざまな角度から神戸女学院さまを空撮しました。後日、東京に帰った後は、不要な部分や失敗カットを処理して、今後さまざまな媒体に使える素材として、神戸女学院さまに空撮写真・映像を納品しました。

空撮写真(その1)
空撮写真(その2)
空撮写真(その3)
空撮写真(その4)

今回は、梅雨入り前の新緑の季節に撮影ができたため、美しい緑に映えるキャンパスの絵が撮れました。ドローン空撮は、天気に左右されることが多く、さまざまなルールを把握しなければなりません。安全面にも気を配る必要があります。
しかし、得られるものは圧巻です。普段は到底捉えることができない角度や視点で対象を撮影することができるため、表現の幅・可能性をぐぐっと拡げることができるのです。

コンセントでは、ドローン空撮の撮影から映像の編集・制作まで一貫して対応しますので、機会があれば検討してみてください。

[ 執筆者 ]

コンセントは、企業と伴走し活動を支えるデザイン会社です。
事業開発やコーポレートコミュニケーション支援、クリエイティブ開発を、戦略から実行まで一貫してお手伝いします。

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