越境するコミュニケーションデザイン

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    青松 基アートディレクター

こんにちは。アートディレクターの青松です。
私たちは日々、幅広い業界の企業や団体のご担当者さまから、さまざまなご相談をいただきます。「Webサイトをリニューアルしたい」「パンフレットをつくりたい」など、あらかじめ制作するものが決まっているものから、「事業開発に並走してほしい」「企業理念をより浸透させたい」などの抽象的なご相談まで、本当に多種多様です。
私たちコンセントには、さまざまな職能をもったメンバーがいますが、意識は全員がデザイナー。物事のあり方からアウトプットまでトータルにデザインするという意識でプロジェクトに関わります。そこで大事になってくるのが「越境」。特に以下の3つは私たちのデザインにおいて非常に大事なポイントです。

  • メディアの枠を超える
  • クライアントの要望(もしくは予想)を超える
  • 職能を超える

私たちの提供するものの多くは、Webサイトであったり冊子であったり、何か完成したものを納品するものが多いのですが、そもそもなぜ、そのWebサイトをリニューアルしたいのか、なぜ、パンフレットが必要と感じたのかを突き詰めて考え、現状浮かび上がっている課題の、さらに向こう側にある根本的な課題に向き合うことを非常に大事にしています。また、上記のように手がけるアウトプットもさまざまであるため、何がその課題解決のために必要なアウトップトなのかを考え、ときにはいくつかのメディアを組み合わせた横断的なコミュニケーションプランを結果的にご提案することもあります。

今回は、そんな「そもそも」体質の私たちが課題に向き合った結果、さまざまな垣根を「越境」していったプロジェクトの具体例を3つ、ご紹介します。

書籍とイベント、2つのメディアで盆栽の魅力を立体的に伝える

『I LOVE 盆栽』イベント企画

I LOVE 盆栽の書影
クリエイティブスペースamuで開催された『盆栽 i-chi』の様子

若者に向けた新しい盆栽の本をつくるにあたって、ブックデザインをコンセントが担当したプロジェクトです。当初は本のデザインのみを担当していましたが、制作が進んでいく過程で、「盆栽の魅力を知ってもらうためには、実際に盆栽を“体験”してもらうのがよいのでは?」というアイデアが担当アートディレクターの筒井から出ました。盛り上がったプロジェクトメンバーと一緒に出版社のご担当者にかけあい、著者の方も巻き込んでさらに具体化。最終的にコンセントのクリエイティブスペースamuで『盆栽 i-chi』というイベントを、版元のエムディエヌコーポレーションさまと開催しました。
もともと依頼されていた書籍のデザインはもちろん、盆栽というコンテンツの魅力を、書籍という枠を越境して、他の誰かと体験を分かち合うイベントに発展させたプロジェクトになりました。

[この事例の詳細]
エムディエヌコーポレーション/書籍『I LOVE 盆栽』
盆栽 i-chi ~『I LOVE 盆裁』レポート
先行発売記念イベントを企画・開催

盆栽 i-chi 〜『I LOVE 盆裁』先行発売記念イベント

生み出したいコミュニケーションから逆算する

リクルートパートナーズ『企業理念浸透プロジェクト』

ペインティングされたオフィス壁面の写真
オフィス壁面へペインティングをしている様子

株式会社リクルートFinTech推進室さま(以下、リクルートFinTech推進室)では、事業拡大につれてさまざまなバックグラウンドをもつ社員が増える中、事業トップの思いや会社全体の経営理念などが十分に社内に浸透していない、という課題があり、社内掲示用のポスター制作の依頼をいただきました。
普段の職場の様子や社内の現状のヒアリングを進め、ご担当者と一緒にリサーチを進めていく中で、より現場に最適なアウトプットが何かを検討する必要があることが見えてきました。一掲示物として埋もれてしまう一時的なポスターよりも、日常的に目にするかたちで、かつポジティブなコミュニケーションが生まれやすい方法がないか? さまざまなアイデアをご提案して議論を進め、最終的にオフィス壁面へのウォールペインティングを採用することになりました。ペイントは、ウォールペインティング・アーティストのLetterboyとコラボレーションすることで、当初いただいたご依頼をアップデートしつつ、社内外の枠も越境するプロジェクトを実現しました。

[この事例の詳細]
リクルート FinTech推進室/室長メッセージ組織内浸透施策

自分の領域を軸に相互に越境しあって総合力を高める

中部国際空港『空港サイン現状課題調査』

分析調査レポートの写真
動画キャプチャ。中部国際空港の空港サイン現状課題調査した際の動画記録

中部国際空港内に設置されているサインの現状を調査し、今後サインを改善していくにあたっての分析と示唆を、調査レポートとしてまとめました。
まずは、広大な空港内のさまざまな現場の方にご協力いただき、プロジェクトメンバーが計5日間の調査を実施。UXアーキテクトが利用者視点での調査設計をしたり、デザインリサーチャーが空港内の膨大な視覚情報を収集・分析したり、アートディレクターが報告書自体をしっかりと読者視点でわかりやすく編集・デザインするなど、さまざまな職能をもったメンバーが自らの領域で力を発揮したプロジェクトです。一方で、アートディレクターが調査も一緒に同行したり、リサーチャーが冊子の編集にも関わったりなど、相互に領域を越境し合いながら全員で取り組むことによって、お互いに刺激を受け合いながらスピード感をもってプロジェクトを進めることができました。

[この事例の詳細]
中部国際空港/空港サイン現状課題調査

以上、いくつかの「越境」した事例をご紹介しましたが、この他にも、コンセントではさまざまなプロジェクトが随時走っています。走りながら、探索し、越境を繰り返す。常に自分たちのデザインを更新しつつ、これからもクライアントと一緒に伴走していきたいと思います。

[ 執筆者 ]

コンセントは、企業と伴走し活動を支えるデザイン会社です。
事業開発やコーポレートコミュニケーション支援、クリエイティブ開発を、戦略から実行まで一貫してお手伝いします。

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