クリエイティブを語らうリモートランチ

「0.2秒で心が動くデザイン」を磨く

  • 齊藤 美咲サービスデザイナー

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コンセントでは2018年度より、表現力強化を目的とした社内制度「0.2s(読み:れいてんにびょう)」を立ち上げ運営しています。0.2sとは、「0.2秒で心が動くデザイン」の略。表現力のさらなる向上のために設置された、会社オフィシャルのサポート制度です。

ここでいう「表現力」は、心を奪われるビジュアル、忘れられなくなる言葉、使っていて気持ちの良い動き、目が喜ぶような世界観と定義。説明なしで見た人の心を動かす情緒的な表現力を磨き上げていこうという取り組みです。

0.2sでは、2020年度の取り組みの一つとして「クリエイティブを語らうリモートランチ」という社内イベントの企画・運営をしてきました。今回の記事では、0.2s担当メンバーの齊藤美咲が、社内イベントとイベント内で取り上げた4名の社員の活動についてご紹介します。

「クリエイティブを語らうリモートランチ」の企画意図

コンセントには自身の表現力を磨くため、仕事以外の時間を使ってデザインや創作活動をしている社員が多く在籍しています。そこで、活動を始めたきっかけやその原動力を掘り下げることで、社員同士が刺激を与え合い、切磋琢磨できる好循環をつく りたいという思いがありました。

企画の背景には、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年4月より在宅勤務が推奨され出社機会が大幅に減少したことがあります。

出社をすることで自然に生まれていた雑談や、近くの席に座った社員同士が互いの仕事ぶりに刺激を受け合う環境が当たり前ではなくなりました。
新しい生活様式に合わせて、私たちは仕事をする環境だけでなく、学ぶ機会も変化させていく必要がありました。

そこで昼休憩の時間帯1時間を活用し、お昼ごはんを食べながら雑談をする感覚で参加できる社員限定のオンラインイベントを企画にしました。

参加社員も驚いたスピーカーの日々の活動

イベントには、毎回ゲスト2名を招いています。ファシリテーターがゲストの個人活動について掘り下げるという、至ってシンプルな内容です。2020年7月よりスタートし、月1回ペースでイベントを開催、これまでに社員10名を取り上げてきました。今回は、その中から4名の活動について紹介します。

リモートワークによる生活の変化をきっかけに始めたトーストアート

デザイナーの佐々木愛実が始めた「トーストアート」は、在宅勤務での朝の時間を管理し、それをワクワクさせるアイデアとして始めたものです。朝早く起きることを楽しみにするため、そして仕事に入る前のスイッチの役割として、朝食のトーストをクリエイティブに彩っています。

写真:佐々木愛実が制作したトースト

朝食のトースト。テーマは前夜に決めているそう。

「クリエイティブを語らうリモートランチ」では、トーストアートを日々の習慣にしている思いについて語られました。

食品売り場で食材を観察していると、食材の面白さや特徴にときめく瞬間があります。質感、微妙な色のグラデーション、カットする方向によって変わる断面の表情・・・・・・そういった食材の魅力に気付くたび、「普段の忙しい生活で、どれだけ身の回りの美しさを見過ごしてきたんだろう」とも感じるんです。リモートワークで始めたこの習慣は、自分の感受性を取り戻すきっかけになりました。発見した具材の魅力を、トーストというキャンバスで存分に表現したら、その後は朝食として美味しくいただく。食べたらトーストは消えてしまうけど、魅力を愛でた喜びと新しい視点は、私の体の一部となって生きています。「発見→アウトプット→吸収」のサイクルそのものが、一つの作品です。

この活動は、「Spoon & Tamago」「designboom」「VOGUE」「ELLE」「DLISH MAGAZINE」「ABC News」「SBS News」などの海外メディアや、「ガジェット通信」「Yahoo!ニュース」「JAPAN Forward」「ノンストップ!NONSTOP!」「シューイチ」「めざましテレビ」「ひるまえほっと」「ズームイン!! サタデー」「news zero」などの国内メディアで取り上げられています。

佐々木愛実のSNSは以下よりご覧いただけます。
Instagram: https://www.instagram.com/sasamana1204/
Twitter: https://twitter.com/ManamiSasaki3

往復5時間の移動時間を活用した旅のしおりづくり

デザイナーの松本泉は、栃木県から片道2時間半をかけて東京・恵比寿まで通勤しており、移動時間をデザインの活動に充てています。「詰め込み型の旅行が好き」と語る彼女がつくるのはオリジナルの旅のしおり。2019年度よりエディトリアルデザイナーに加えてUIデザイナーも務めており、紙のしおりだけでなく、ウェブのしおりづくりにも挑戦し、自身のスキルアップも図っています。

写真:松本泉が制作したしおり1
写真:松本泉が制作したしおり2

旅行のテーマに合わせた世界に一つだけのしおり。

「クリエイティブを語らうリモートランチ」では、活動を始めたきっかけや作品において工夫した点について語られました。

しおりづくりから私の旅は始まります。貧乏旅が好きな私は、旅先での美味しいもの、絶景、体験を取りこぼすことのないよう綿密に計画を立てます。しかし旅先では身軽さが一番。重たいガイドブックはもちたくありません。自分に必要な情報だけをまとめたことがしおりづくりのきっかけでした。最初は旅程の見やすさや楽しげな雰囲気を重視していましたが、しおりづくりを続けていく中でいつしか、「旅のしおりがもたらす体験」についても考えるようになりました。昨年つくったしおりは、旅程を物語に、同行者を登場人物に見立てた漫画形式。ポイントは、ところどころに配置された空白の吹き出しです。そこに思い思いのせりふや感想を寄せ書きすることで、旅の思い出を共有し、楽しく振り返ることができるようにしました。目標は「最強の旅のしおりアプリ」をつくり、最高の旅を体験すること。そのために、今はさまざまなアイデア・媒体にチャレンジしています。

この活動をしている松本泉の片道2時間半の通勤生活については、2020年5月8日放送の「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」でも取り上げられました。

子育てをしながらできる創作活動として始めた4コマ漫画

ディレクターの中岡慎介は、学生時代から自分の置かれた環境に合わせた創作活動を続けています。子育てをするようになり、創作に充てられる時間が制限されたことを逆手に取り始めた活動が、子供と過ごす中で起きた出来事を4コマ漫画に残す試み。Twitterに投稿された4コマ漫画の数は2200を超えておりフォロワーは6600人以上(2020年12月現在)。Twitterアナリティクス(*1)を活用して投稿に対する反響の傾向を掴むスキルは、仕事でクライアントにSNSを活用した戦略を提案する際にも役立っています。

イラスト:中岡慎介が制作した4コマ漫画

子どもとの何気ない日常を切り取った4コマ漫画。

「クリエイティブを語らうリモートランチ」では、創作制作を続ける原動力や意識していることについて語られました。

活動の原動力は、「何かをつくっていないと落ち着かない」という自分の性分だと思います。クオリティの高いものを出そうとすると、構想だけで終わってしまう自分の弱点も理解しているので、“とにかく継続的にアウトプットを生み出すこと”を意識しています。仕事が忙しくなったり、子どもが生まれたりしたことで、独身時代に比べれば遥かに自分の時間は減りました。その中で「今、自分にある時間と環境を生かして何ができるか?」を考えて、創作におけるマイルール(*2)を設けることが、自分の「つくり続ける」姿勢につながっていると思います。

(*1) Twitterアナリティクス
自分のツイートがどれほど見られ、どれほど反応されているかなどの反響を知ることができるツール
(*2)マイルール
具体的に、4コマ漫画の場合は、「早朝家族が起きてくる前の時間で書けるクオリティでよい」「色を塗ったり清書したりしない」「描いたら必ずTwitterにUPする」「毎週休まず投稿する」などのルールを設けている。

中岡慎介のTwitterは以下よりご覧いただけます。
Twitter: https://twitter.com/Fill_no_bass

ロゴ、イラストに、文章まで、1日1グラフィックを続けて4年

デザイナーの工藤好華は、1日1作品をSNSに投稿するルーティンを4年以上毎日続けています。作品は必ずSNSに投稿するという独自のルールを設けることが良いプレッシャーになっているとのこと。グラフィックをつくることが生活の一部となっています。その活動は編集者の目に留まり、「装苑 2021年1月号」にクリエイターとしてイラストと文章を寄稿するに至りました。

イラスト:工藤好華が制作した1日1グラフィック

投稿数1900を超えるSNSアカウントは圧巻(2020年12月現在)。閲覧した際の見栄えも良くなるよう、一定期間、同じトーンでデザインしているという。

「クリエイティブを語らうリモートランチ」では、活動を続ける秘訣やテーマ選定について語られました。

毎日投稿を続けるコツは「完璧なものをあげようとするのではなく、ダメだなと思うものでもいいから作品をあげ続けること」だと思います。テーマや内容はその日、その時の気分で決めています。当初はただグラフィックをつくるだけでしたが、今ではロゴづくりなどの苦手意識を克服するために制作するようになりました。「言語化する力を身に付ける」という目標を立ててからはコラムも書くようになりました。投稿を続けてきたことにより、仕事をする上でもアイデアや発想の幅が広がり、作業スピードやアウトプットのクオリティも上がったように思います。毎日の活動で磨かれていく感性を武器に自分にしかできないデザインを生み出していきたいです。

工藤好華のSNSは以下よりご覧いただけます。
Instagram: https://www.instagram.com/pxnxd885/?hl=ja
Tumblr: https://sumkko.tumblr.com/
Twitter: https://twitter.com/sumkokko

イベントに参加した社員の気付き

イベントにはデザイナーだけでなく、ディレクターやプロジェクトマネージャー、営業メンバー、バックオフィスメンバーなど、さまざまな職能の社員が参加しています。社員から寄せられた感想やコメントを一部紹介します。

  • クリエイティブから透けて見えるその人の生き方、仕事への向き合い方などが拾えるこの企画に意義を感じています。
  • 普段、物をつくる仕事ではないのですが、表現する楽しさが伝わってきて、日常の中のちょっとした表現できる場所(住まいや食卓とか)を見つけたいと思いました。
  • 自分に無いものをもっている人が社内にたくさんいて、それに感動したり嫉妬したりして、わたしも頑張らなきゃ!って思います。

イベントをきっかけに表現力が向上することを願って

いかがでしたか? 今回活動を紹介した4名の社員の他にも、絵本・雑誌・音楽・小説・ネイルアートなど、さまざまな分野で多くの社員が個人活動に取り組んでいます。

「仕事以外の時間も生かして、クリエイティブに携わる社員が多く在籍していること」
「在宅ワークという環境を生かし、お昼の時間を有効活用した学び合いの機会があること」
「社員同士がお互いの活動を共有することで刺激を与え合える場があること」
これらはコンセントの魅力の一部ではないかなと考えています。

このイベントを運営する0.2sは、今後も社員の表現力向上に向けた活動を続けていきます。

[ 執筆者 ]

コンセントは、企業と伴走し活動を支えるデザイン会社です。
事業開発やコーポレートコミュニケーション支援、クリエイティブ開発を、戦略から実行まで一貫してお手伝いします。

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