ジェイアール東日本都市開発   商業空間のブランディングとサイングラフィック

写真:「SEEKBASE」の外観

株式会社ジェイアール東日本都市開発様(以下、ジェイアール東日本都市開発)が開発・運営する、秋葉原〜御徒町間の高架下商業エリア「SEEKBASE AKI-OKA MANUFACTURE」(以下、SEEKBASE)のネーミング、ロゴデザイン、サインデザイン、オープン告知ポスターと記念冊子制作などのブラディング支援を空間デザイン会社の株式会社CMYK様(以下、CMYK)と共同で行いました。また、本プロジェクトは公益社団法人日本サインデザイン協会(SDA)による「第54回 日本サインデザイン賞」にて入選しました。

  • ブランディング支援
  • クリエイティブ開発
  • SPツール

[ プロジェクトのポイント ]

  • 世界から注目されグローバル化の進む都市、秋葉原のローカリティを考える
  • 日本のものづくり文化、技術の価値、こだわりを再認識できる場所に
  • 進取性と奇抜さが入り混じる都市の独自性を重視したブランディング
画像1:「SEEKBASE」の外観。日本のモノカルチャーをテーマとする「The Tools」棟の案内板。
画像2:店内の様子。統一感のあるタイプフェイスを使用し床に記される「The Tools」のエリアサイン
画像3:店内の様子。
画像4:夜になり照明が付けられた「SEEKBASE」の外観。
画像5:店内の様子。統一感のあるタイプフェイスを使用し床に記される「The Meals」エリアサイン
画像6:高架下に立地する「SEEKBASE」。
画像7:「SEEKBASE」の外観。「SEEKBASE」全体の案内板。

プロジェクトの背景

ジェイアール東日本都市開発は、2010年に日本の手仕事をテーマとした商業施設「2k540 AKI-OKA ARTISAN」(空間デザインをCMYKの吉里謙一氏が担当し、高架下開発の先行モデルとなった)、2013年に日本の食をテーマとした商業施設「CHABARA AKI-OKA MARCHE」を開業させました。本プロジェクトの「SEEKBASE AKI-OKA MANUFACTURE」はそれらに続く、秋葉原から御徒町間の高架下を商業エリアとする再開発プロジェクトです。現在の秋葉原周辺エリアには、神田青果市場移転や貨物駅廃止にともない発生した大規模用地に、グローバル化を象徴するような大型複合ビルが建ち並んでいます。このプロジェクトは、それらとは対照的に「戦後の高架下の電気街から始まった地場カルチャー、ものづくりの魅力に立ち返る」というコンセプトのもと進められました。

写真:秋葉原から御徒町間の高架下に位置する「SEEKBASE」

問題解決までのアプローチ

今回の再開発の対象となった施設には、当初から古くとも価値のあるヴィンテージショップや日本の技術にこだわったショップが多数入る予定でした。「SEEKBASE」のネーミングには、この街にずっと宿ってきた「日本のものづくり」の魅力、大量消費・大量生産で隠れてしまった多様な「日本のスグレモノ」を探索する基地というイメージが込められています。タグラインの「SEEKBASE AKI-OKA MANUFACTURE」は、秋葉原から御徒町間にある、他の施設も含めたエリアの総称です。また「The Tools」と名付けられた棟は日本のモノカルチャー、「The Meals」と名付けられた棟は日本のフードカルチャーというテーマを設定しています。

施設の総称ロゴについては、カタカナ「シーク」をモチーフとした四角形のマークと、それに合わせたどっしりとしたサンセリフ体のタイプフェイスで構成。欧文書体にカタカナのマークを組み込むことで、ユニークな日本の雑種文化を表現しました。サイングラフィックスにおいても、このロゴデザインのマークやタイプフェイスを活用しています。本施設はモダンなファクトリーを思わせる建築・空間デザインとなっており、その趣を活かすよう各棟入口に設置されたスチール製の大扉には、施設総称「SEEKBASE」のロゴと、各区画の名称「The Tools」「The Meals」を同じタイプフェイスでそれぞれ堂々と大きく配置しています。店内の壁にある告知スペース、トイレの案内、床のエリアサインなども同様にレイアウトし、施設全体の統一感をもたせています。

画像:「SEEKBASE」の施設総称ロゴ
左写真:トイレの案内板。統一感のあるタイプフェイスを使用している。右写真:店内の様子。「The Tools」「The Meals」のそれぞれの棟を示す、床のエリアサイン。

また、各棟入口上部にあるメインサインは、黒いスチールでロゴ全体が立体に切り出されており、キーカラーとなる黄色とオレンジの蛍光管でライトアップされています。武骨なスチールに蛍光色でインパクトを加えるという対比的なあしらいをすることにより、現代的なイメージを演出しています。JRの関東近郊の主要駅に張り出されたオープン告知ポスターや、オープン記念冊子の表紙には、背景全面にキーカラーの黄色の蛍光色を二度刷し、施設ロゴを大きく中心部に配置しました。構図とカラーでインパクトを強めるとともに、印刷物でしかできない表現にこだわり、モノとしての存在感を際立たせました。

写真:JRの高架と「SEEKBASE」
画像:黄色の蛍光色を二度刷した表紙でインパクトを強めた施設パンフレット

クリエイティブのポイント

近年、世界の都市がどこも同じような風景になっていくのは秋葉原も例外ではありません。経済性の担保が極端に優先される大規模開発の手法により、利益効率の高い業態が優遇され、そのため街を回遊してきた個性的な目的を持つリピーターが減り、固有の都市文化が希薄になっていく現象が起こっています。そんな中、少しだけマニアの世界への敷居を下げ、はじめてこの地を踏む新しいお客様にも秋葉原のディープな世界を垣間見せてくれる「SEEKBASE」は、この都市が独自に育んできた文化がもつ混沌としたエネルギーを次代へつないでいく大切な場所になるはずです。今回のブランディングには、そのような想いを込めています。

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 株式会社ジェイアール東日本都市開発 様
URL https://www.jrtk.jp/seekbase/
公開日/発行日 2019年12月12日

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