デンソー   社会課題解決の事業化企画支援

社会課題の因果関係を構造化し、
体系的な事業企画を支援

「社会課題解決の事業化」をミッションとして、新規事業アイデアを出すための企画支援を行いました。事業アイデアの企画にあたって、取り組むべきテーマの構造化と、既存事例から抽出した社会課題を解決する「ソーシャルドライバー」の分析をもとに、事業性と社会課題解決を両立させるビジネスモデルとユーザー体験ストーリーの案を検討しました。

  • ドキュメント・スライド
  • 事業開発支援

[ プロジェクトのポイント ]

  • システム思考を応用して、社会課題解決のテーマと因果関係を構造化
  • ワークショップをベースにしたプロジェクトメンバー全員での認識共有
  • テーマの整理と「ソーシャルドライバー」をもとにした体系的なアイディエーション

プロジェクトの背景

依頼いただいた株式会社デンソー様(以下、デンソー)の担当部署では、社会課題解決のための新規事業開発をミッションとしています。ただ、「社会課題」と一口に言っても取り組むべきテーマをどのようにフレーミングし、社会的インパクトと事業性を両立するような事業アイデアをどのように検討するかが課題となっていました。そこで、近年、サービスデザインにおいて注目されつつある「システム思考」のアプローチを応用して、体系的に社会課題解決の事業アイデアを出すための企画プロセスを設計しました。

問題解決までのアプローチ

本プロジェクトは、具体的な事業アイデアを考える前に、「取り組むべきテーマの構造化」「社会課題を解決する因子の抽出」という2つのステップを経て、その観点をもとに、具体的なアイデア出しに取り組みました。

まず、ステップ1の「取り組むべきテーマの構造化」では、デンソーの既存事業や、各プロジェクトメンバーが取り組みたいと思っていることを洗い出しました。その上で、「バリューグラフ」というフレームワークを使って、「なぜやるのか?」という上位の目的と「どうやって実現するのか?」という下位の手段を階層構造によって可視化。この構造化によって、より上位の目的である取り組みのテーマをプロジェクトメンバー全員で共有し、同じテーマに対する解決策の代替案を構造的に把握、検討しました。


ステップ2では、国内外で社会課題解決を事業化している既存事例を収集してその因果関係を可視化し、その中で重要な因子となる「ソーシャルドライバー」を分析しました。社会課題には、多くの場合、生活を取り巻く環境や文化、社会的背景などさまざまな要因が関連するため、解決策は1つではありません。「サービスエコロジーマップ」というフレームワークを用いて、さまざまな角度からエコシステム(生態系)全体の因果関係を整理し、可視化しました。
その結果、社会課題を解決するための因子を「インフラ」「ネットワーク」「アクティビティ」という3つのレイヤーでとらえ、それぞれのレイヤーで重要な因子となる「ソーシャルドライバー」をいくつか抽出しました。


最後に、これまでの検討で得られたテーマの構造化と「ソーシャルドライバー」をふまえた事業案のアイディエーションを実施。STEP2で洗い出したソーシャルドライバーを起点として、社会課題や事業特性を掛け合わせたアイデア発散を行いました。ワークショップで出た200以上のアイデアから、「バリューグラフ」における構造上の位置付けをふまえていくつかのアイデアを絞り込み、ビジネスモデルとユーザー体験ストーリーの側面から事業アイデアを具体化し、次フェーズでの実証実験に向けた検討を行いました。

これらのステップを、ワークショップをベースにしたプロセスとして設計し、検討過程を可視化したことで、プロジェクトのステークホルダー全員での認識を共有し、今後個別の事業企画を進める上でも立ち返ることのできる全体像の整理に貢献しました。

プロジェクトの体制

  • サービスデザイナー:3名

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 株式会社デンソー様

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