江頭仏壇店   伝統文化を伝える「場」のデザイン

メインビジュアル:制作したウェブサイトのトップページと展示場の写真

お仏壇を通して伝統文化をつなぐ
ウェブサイトと展示スペース

福岡県大川市に本社を構え、西日本最大級の展示場を有する創業76年の仏壇・仏具の販売を行う株式会社江頭仏壇店様(以下、江頭仏壇店)の、公式サイトの制作および展示場の改修プロジェクトを担当しました。

  • ウェブサイト・サービス
  • 広報ツール
  • 販促ツール
  • ブランディング支援
  • デジタルマーケティング支援
  • デジタルプロダクト開発支援
  • メディア・コンテンツ開発

[ プロジェクトのポイント ]

  • リニューアルの本来の目的を整理することで、最適なウェブサイトと展示場の在り方を提案
  • 自社の利益だけに目を向けず、業界の未来・地元の活性化にもつなげるビジョン策定
  • 対面とリモートを織り交ぜながら、遠隔地同士のプロジェクトをスムーズに進行
サイトキャプチャ(8枚中1枚目):ウェブサイトトップページのメッセージ「駅に降りたときよりも見慣れた田園風景よりも実家の玄関をあけ仏間から線香の香りを感じたときわたしはああ、ふるさとに帰ってきたんだなと実感するのです」
サイトキャプチャ(8枚中2枚目):お仏壇の歴史を紹介するページ。お仏壇のルーツが奈良時代の玉虫厨子にあることなどが掲載されている
写真(8枚中3枚目):展示場の外観
写真(8枚中4枚目):展示場内の写真1。
写真(8枚中5枚目):展示場内の写真2。和室スペース
写真(8枚中6枚目):展示場内の写真3。仏壇を眺めるお客様の様子
写真(8枚中7枚目):展示場内の写真4。ショップスペースで販売されている工芸品
写真(8枚中8枚目):展示場の入り口に設置されている「彌榮」のモニュメント

プロジェクトの背景

核家族の増加や生活様式の変化によって、従来のお仏壇は生活に馴染みにくいものになり、現代のライフスタイルに合わせた新しいお仏壇の在り方が問われています。また、地域の過疎化やコロナ禍での外出自粛によって、対面販売だけではなくオンラインを含めた対応の必要性に迫られていました。

しかし、江頭仏壇店が大切にしてきた「お客さまに合ったお仏壇を適切な情報と共に提供する」「仏事コーディネーターによる丁寧な対面接客で、納得して購入していただく」という考え方をうまく生かした手法を見いだせず、オンラインツールの導入に踏み出せずにいました。

江頭仏壇店の「伝統的工芸品であるお仏壇と、お仏壇の文化的な背景を広めたい」という考えに基づき、営業活動の最適化を図るためのサイトと、新しい時代に合わせた展示場の在り方を検討するところからプロジェクトが始まりました。

問題解決までのアプローチ

まずはヒアリングを行い、業態・ステークホルダー・営業チャネルなど江頭仏壇店を取り巻く現状を洗い出しながら、全体像を整理しました。

画像:江頭仏壇店の始業活動全体を整理した図

次に、サイトと展示場の役割定義を行いました。サイトにおいては、既存サイトの課題やネットショップを開業する目的などをあらためて整理しながら、関係者同士の目線と認識を合わせていきました。その上で、サイト訪問者の特徴や目的を定義し、理想的なユーザー体験とは何かを検討。サイト上で提供できる価値を言語化しました。

画像:江頭仏壇店ターゲットユーザーの種類と、それぞれにどんなニーズがあるかを整理した図

その結果、サイトの役割を「お仏壇を販売すること」ではなく、「お仏壇の文化的な背景や、商品に対する理解を深めてもらうこと」に決定。販売のためのECサイトを構築するのではなく、現地に足を運ぶきっかけになるような情報サイトを制作するという方針を立てました。江頭仏壇店が伝えたい思いや情報を届けるためのコンテンツを拡充したり、来店予約のフォームを設置したりするなど、サイトから店舗への来店を促す仕掛けを考えました。

画像2点:(左)ユーザーをタイプ別に分類した図(右)トップページのコンテンツ内容を検討するために、情報の優先度などを整理した図

具体的なサイトコンテンツ検討にあたりターゲットユーザーをより具体的に視覚化し、サイト構造や動線設計、情報優先度付などの検討は以下のようなコアモデルを作成しながら、ワークショップ形式で検討しました。江頭仏壇店・ユーザーのそれぞれの要望とサイト設計、コンテンツをひも付けることでサイトの具体的イメージを共有し、納得感を持って組み立てることができました。

サイトキャプチャ:えがしらスタイルページトップ。お仏壇やお仏具に関する様々な情報が掲載されている

お仏壇やお仏具に関する基本的な知識や、さまざまな供養の方法などを紹介するコンテンツ

サイトキャプチャ

来店予約フォーム。各ページに「来店予約」ボタンを設置して、フォームに誘導する。

展示場の改修においては、時代背景を鑑みて「展示空間を縮小した方がよいのではないか」という意見も出ましたが、「一生大事にするものだからこそ納得いくまで選んでいただきたい」という思いから、実際にお仏壇に触れて技術の高さや美しさを体感できる場所が必要だという結論に至りました。

画像:展示場改修の課題と目的、最終的に目指す姿を整理した図

また、空間をお仏壇の展示だけではなく、伝統工芸品の販売やワークショップを実施できる多目的スペースとして設計することで、年中行事や通過儀礼を大切にする日本の文化を伝承できる空間としました。

こうした思いを、施工を依頼した地元企業の株式会社プロセス井口様にも共感していただき、デザインから設計、施工までご担当いただきました。空間内の什器、家具、建具、装飾などは全て大川市の職人の手によって制作されたもので、「木工の街・大川」として全国的に知られる大川市の木工技術を最大限活用した展示場へと生まれ変わり、地元の活性化にもつなげることができました。

写真:展示場の写真4点。(左上)展示場の受付とショップスペース(右上)ショップスペースで販売されている工芸品の一部抜粋(左下)和室スペース(右下)仏壇と休憩スペース

クリエイティブのポイント

本プロジェクトでコンセントは、主に江頭仏壇店が「やりたいこと」を視覚化・言語化するサポートを行いました。

ブランディングにおいては、まず既存のコーポレートロゴの色を再定義。高級さを想起させる落ち着いた赤色をキーカラーとして採用し、家族の繁栄や亡くなった方への鎮魂の思いを込めました。さらに、大川市を代表する場所になってほしいという願いから、大川市の書道家の先生に「彌榮(いやさか)」という展示場名のロゴの制作を依頼しました。展示場や「彌榮」の名に込めた思い、今後の方針などを言語化し、ブランドメッセージとして明示するなど、江頭仏壇店らしさを大切にできるブランディング支援を行いました。

画像:ロゴ2点

左:ブランドカラーを再定義したコーポレートロゴ、右:新展示場「彌榮」のロゴ

展示場の改修においては、目指したい姿が定まらず、各担当者間で完成イメージを共有できないという課題がありました。そこで「展示場を、お仏壇を見せる場所ではなく、おもてなしをする場所として捉えるのはどうか」などと視野を広げるための提案をしたり、ユーザー体験の全体像を資料にまとめたりすることで、江頭仏壇店と施工会社のコミュニケーションの架け橋になりました。その結果、双方が共通認識をもちながらアイデアを出し合えるようになり、より良い形で展示場をリニューアルできました。

福岡と東京という遠隔でのプロジェクト進行になりましたが、江頭仏壇店への理解を深めるためにプロジェクトメンバーが現地を訪れたり、意見を活発に取り交わす必要のある場面では対面でのワークショップを実施したりするなど、意思の疎通や合意形成をスムーズに図れるようなコミュニケーション設計を意識しました。

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 株式会社江頭仏壇店 様
URL https://www.butsudan.co.jp/
公開日/発行日 サイトオープン:2022/10/18
展示場オープン:2023/02/23
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