従業員の心身の変化を、
企業の支援につなげるための導入検証
FUJIYAMA BRIDGE LAB株式会社様(以下、FUJIYAMA BRIDGE LAB)が開発したAIフェムテックサービス「つきのかたち」の検証プロジェクトとして、コンセント社内で試験導入し、実利用環境での検証を行いました。検証では、定量調査と定性調査を組み合わせ、利用者・未利用者・離脱者・導入企業それぞれの視点から、サービスの実効性やUX上の課題、導入における意思決定や運用上のハードルを整理。AIによって取得可能になった利用者の主観データをどのように解釈し、組織の意思決定や支援につなげていくかについての改善示唆を支援しました。
※本プロジェクトは2025〜2026年に実施した導入検証です。「つきのかたち」は現在提供を終了しています。
- 事業開発支援
- UXコンサルティング
[ プロジェクトのポイント ]
- サービスをコンセント社内に試験導入し、実際の業務環境における検証を実施
- 定量調査と定性調査を組み合わせ、サービス利用者・未利用者・離脱者・導入企業それぞれの視点からトライアル結果を分析
- AIにより従来把握できなかったデータが収集可能となる一方で、その活用や意思決定へのつなげ方に関わる課題を整理
プロジェクトの背景
近年、企業における従業員の健康課題への対応やメンタルケアへの関心は高まっており、制度や相談窓口の整備が進んでいます。一方で、従業員の体調や感情といった日常的な変化は可視化されにくく、組織として把握しづらいという課題があります。
FUJIYAMA BRIDGE LABが開発したBtoBtoE型フェムテックサービス「つきのかたち」は、見えにくい日常的な変化を可視化することを目的に、AIとの対話を通じて女性従業員の体調や感情の変化を記録し、個人のセルフケア支援と組織への改善示唆を行うサービスです。
本プロジェクトではこのサービスをコンセント社内に試験導入し、次の観点による検証を行いました。
- 実際の業務環境の中でサービスがどのように利用されるのか
- どのような使いづらさや課題が生じるのか
- 企業が導入・運用する上でどのようなハードルがあるのか
コンセントは「サービス評価者」と「導入企業」の両方の立場を担い、リアルな業務環境下での導入検証を行いました。
問題解決までのアプローチ
本プロジェクトでは、「実際の利用状況」と「企業側の判断や運用の難しさ」の両面を捉えるため、以下のアプローチを採用しました。
1. 実利用環境での体験検証
まず、コンセント社内に「つきのかたち」を試験導入し、実際の業務環境の中での利用状況を検証しました。調査対象は、サービスを利用する女性従業員だけでなく、導入を検討・推進する担当者も含めています。
女性従業員については、「利用者」「未利用者」「離脱者」の3タイプに分けて体験を分析し、利用された理由だけでなく、利用されなかった理由や継続に至らなかった理由も把握しました。
また、導入担当者に対してはサービスの価値評価や導入判断、運用における課題について調査を行いました。これにより、利用者と導入企業の双方の視点から実運用時に発生する課題やつまずきポイントを把握することができました。
2. 定量・定性の両面からの分析
トライアル結果の分析は、アンケートによる定量調査とインタビューによる定性調査を組み合わせて実施しました。
定量調査では利用頻度や利用傾向、課題の発生状況などの全体像を把握。定性調査では利用開始や離脱、導入判断の背景にある考え方や心理を深掘りしました。これらを組み合わせることで、「何が起きているのか」だけでなく、「なぜその行動や判断が生まれるのか」という背景まで立体的に捉えることを狙いました。
3. ジャーニーマップによる体験構造の可視化
調査結果をもとに、サービスの認知から利用開始、継続、導入判断、運用に至るまでの一連の体験をジャーニーマップとして整理しました。
利用者側については、サービスへの関心が利用開始につながるまでの流れや、初回利用時の受け止め方、利用価値の実感につながる要素などを確認し、導入企業側については、得られるデータの解釈・活用方法、組織としての支援や運用につなげるための検討事項などを整理しました。
これにより、サービスを利用する従業員の体験だけでなく、導入を検討・推進する企業の体験も含めて、今後のサービス展開に向けた検討ポイントを可視化することができました。
検証結果から得られた気付き
利用体験のみでなく、導入・運用の体験も重要な設計対象
BtoBtoE型のサービスでは、プロダクトを利用する従業員だけでなく、導入を検討する担当者、意思決定者、運用を担う人事・管理部門など、複数のステークホルダーが関わります。そのため、サービスが企業内で導入・運用される上では、利用者にとっての使いやすさや価値実感だけでなく、企業側の関係者がそれぞれの立場で必要とする情報や判断基準、抱える不安まで含めて捉えることが重要になります。
今回の検証では、利用者側と企業側の双方の体験を可視化し、サービス利用時の体験に加えて、導入判断に必要な情報、関係者への説明材料、導入後の運用イメージなど、企業内で導入・運用する際に検討すべきポイントを整理しました。
支援や環境改善につなげるためのデータ活用が必要
「つきのかたち」が扱っている従業員の日常的な体調や気分の変化、言語化しにくい違和感といった主観的なデータは、これまで企業が把握しづらかった領域です。今回の検証では、AIとの対話を通じてそれらの変化を記録し、個人のセルフケアや企業の施策検討につなげられる可能性が確認されました。
一方で、データの取得から自然と支援や環境改善へつながるわけではありません。個人のセルフケアと企業の支援をどう接続するか、得られた情報をどのように活用し、環境改善にどう生かすかといったサービス設計の検討事項も明らかになりました。
お客様の声
- コンセント社内への試験導入という形をとったことで、サービスを使う従業員側の体験だけでなく、導入担当者として意思決定や運用をどう進めるかという企業側の課題も、同時に把握することができました。ジャーニーマップには、各フェーズの課題に対して利用者の行動と感情が併記されており、「何が起きているか」だけでなく「なぜそうなるのか」まで読み解けたことで、改善策の検討が具体的になったと感じています。「利用者と導入企業、双方の体験を同時に考える」視点の重要性を、このプロジェクトを通じて実感しました。
- 定期ミーティングでいただく示唆は、サービスにすぐ反映できるものも多く、利用者から「AIの反応が変わった」「使いやすくなった」といった声をいただき、手応えを確かめることができました。また、フェムテック領域への知見と熱意を持つメンバーの皆さんに伴走いただいたことは、事業の終盤局面においても前を向く力になりました。本当にありがとうございました。
[ プロジェクト概要 ]
| クライアント名 | FUJIYAMA BRIDGE LAB株式会社 様 |
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