味の素   伴走型 事業開発プログラム

机の上に「DIGI-NO-MOTO」のロゴが表示されたノートPCと手帳が置かれている。

実践を通したデザイン思考の定着支援
主体性重視の伴走型プログラムを提供

味の素株式会社様(以下、味の素)が取り組む新規事業開発プロジェクトに対し、デザイン思考の導入アドバイザリーとして支援を行いました。
既存の枠にとらわれない、顧客体験や顧客価値に重点を置いた新規事業を開発することを目的として、プロジェクトの部署横断などの組織開発、デジタル活用やM&Aによって広がる新たな顧客層に向けたビジネスモデル設計などの事業開発、双方をリモート環境下で行うプログラムを実施しました。

  • 事業開発支援
  • 組織開発支援

[ プロジェクトのポイント ]

  • 味の素従業員が主体的にデザインリサーチや検証を実施
  • デザイン手法のインプットとアウトプットがセットになった実践型プログラム
  • オンラインツールを活用したフルリモート環境でのプログラム遂行
4枚中1枚目:プロジェクトのレポート。見出しは「プロジェクトの基本方針・主体的なインサイトと創造的発想をつなぐ」。プロジェクトチームがどのようにワークを進めていくかが図解されている。
4枚中2枚目:プロジェクトのレポート。見出しは「プロジェクト後の動きについて・ユーザー価値と体験(UX)の検証」。体験プロトタイプの作成と検証を、5日間で行う流れが図解されている。
4枚中3枚目:プロジェクトのレポート。見出しは「プロジェクト実施環境・COVID –19の影響によりオンラインへ完全移行」。オンライン会議ツール「Zoom」やオンラインホワイトボード「miro」、オンライン調査支援サービス「Sprint」を活用し、対応を進めていることが図解されている。
4枚中4枚目:プロジェクトのレポート。見出しは「オンラインでも多くのリサーチを遂行」。「4人の専門家へのオンラインインタビュー」「合計50人以上へのユーザーインタビュー」「専門会社での市場リサーチの共有」の3項目が図解されている。

プロジェクトの背景

味の素では、デジタル活用やM&Aによって広がる新たな顧客層や市場に向けた事業開発を行うため、コーポレート戦略部が主導し、プロジェクトを推進していました。しかし、新しいビジネスモデルを設計するためのナレッジや方法論の社内での共有が進まないことや、そもそも新規事業を立ち上げた経験者が少なく、ノウハウを持っている人財が不足していることが進行上の課題となっていました。先入観にとらわれない新たな視点での事業開発を行っていくためには、それらの課題を解消する必要がありました。

問題解決までのアプローチ

本プログラムでは、まず「新規事業開発プロジェクトを行う目的」をあらためて組織全体で捉え直すことでプロジェクトのゴールの認識を揃えました。また、リサーチ、顧客視点の事業アイデアの発想と検証、具体的なアウトプットへの落とし込みまでの一連の活動を、味の素従業員が主体的に行っていくことを意識しました。


第0段階:なぜイノベーションが必要なのか?を問い直す

プログラム開始時に、まず「なぜ新しい事業を考える必要があるのか?」「自分たちは本当に変わる必要があるのか?」といったプロジェクトに対する根本的な問いに立ち返って議論するワークショップを実施しました。その結果、新規事業開発担当部署だけでなく、研究所や企画部などの他部署を巻き込み組織横断することの重要性をメンバー間で認識。社内公募で広く従業員参加を呼びかけ、メンバーを拡張してのワークショップの再実施を決定しました。


プロジェクトのレポート。見出しは「インサイト探索とアイデア発想のフェーズ」。プロジェクトが何のために行われるかや、その対象をどう定義するかなど、一連の流れを図式化している。

第1段階:新規事業開発の方向性を考える

他部署からの参加者を交え、あらためて事業開発プロジェクトの要否から議論する場をセッティングしました。そこでの議論をもとに、プロジェクトの必要性を自分たちの言葉で示した“プロジェクト憲章ポスター”を作成しました。

また、プロジェクトに携わるメンバーの意識を統一するため「味の素らしくない」既存の枠を超えた事業を考えるチームにふさわしい名称を検討。決定したチーム名「Digi-no-moto(デジのもと)」のロゴを入れたオリジナル手帳を作成し、プロジェクトメンバーがいつでもどこでも事業開発のヒントを探求できるよう後押ししました。


オリジナル手帳の表紙と中面。メモが書かれている。

第2段階:従業員自身がテーマを決めてリサーチする

次ステップのワークでは、あらかじめ定まっていた「デジタルを活用した味の素らしくないビジネス」というプロジェクトのメインテーマをもとに、チーム内で新たな機会が発見できそうな詳細テーマと、それに紐付くリサーチ対象を検討しました。自分たちが主体的に興味をもつことができるかという観点でテーマを選定し、並行してデザイン・リサーチの基本的な考え方の学習とオンラインインタビューのトレーニングを行いました。
その後、コンセントのフォローアップを受けながら各メンバーが個別に10人前後の顧客インタビューを実施。リサーチの状況は定期的にメンバー間で共有し、テーマへの理解を深めていきました。


第3段階:リモートワークショップでアイデアを発想する

次ステップのアイデア発散ワークショップは、新型コロナウィルス感染症の影響を受け、対面ではなくmiro*というツールを用いたオンライン開催となりました。リモート環境にもかかわらず、半日で生み出されたアイデアは実に300以上。その中からメンバー各自がそれぞれ1〜2個のアイデアをピックアップし、チーム内のプレゼンテーションを実施。その際に、心理的な安全性を担保した上で遠慮なく意見を述べ合うワークを通して、アイデアの弱点を洗い出しました。

*miro
オンラインのホワイトボードサービス。マインドマップやブレインストーミングなど、複数人が同時にリアルタイムでコラボレーションすることが可能。


プロジェクトのレポート。見出しは「Miroを用いたオンラインブレスト」。編集中のMiroの画面のスクリーンショットが添付されている。

第4段階:サービスの対象である「顧客」と検証する

ワークで出た意見を踏まえて改善したアイデアについて、コンセントの用意した検証用のフォーマットに則って実際に顧客と対話し、顧客にとっての魅力と価値を検証しました。


プロジェクトのレポート。見出し「検証用フォーマット/ツール」の1枚目。語りすぎない、飾りすぎないように端的にまとめるフォーマットとして、アイデア・コンセプトの名称やキャッチコピーなどを記入する欄がある。2枚目。検証ポイントを比較できるようにヒアリングフォーマットを揃えるためのもの。「共感」「理解」「魅力」の観点から評価ができる仕様になっている。

第5段階:ビジネスモデル設計とプレゼンテーション

最後に、絞り込まれたアイデアについて、市場の有望性、事業の発展性や競合優位性、ビジネススキームの独自性などを企画書にまとめました。コンセントは、企画書やプレゼンテーションの個別レビューや評価の際のフォーマット整備を行い、企業内の意思決定に関する支援を行いました。
味の素社内でのプレゼンテーションの結果、本プログラムで生まれたいくつかのアイデアが事業化検討や全社に向けたプレゼンテーション実施のフェーズに発展しました。


チームメンバーがプレゼンテーションを行った際のスライド一覧。

このプログラムを経て、新規事業開発チームメンバー自身が顧客視点をもってリサーチやアイデアの発散・収束に主体的に取り組めるナレッジを獲得しました。リサーチと検証を実際の顧客を介して行うことで、アイデアは「味の素」既存の枠に捉われず、顧客ニーズを踏まえた説得力のある内容となりました。
チームメンバーにはこれまで事業開発に携わったことのない方もいましたが、参加者の能動性・主体性を重んじながら、要所ではコンセントが適切なバックアップを行うプログラムに対し、「多くの学びと自信を得ることができた」「他のアイデアでも試してみたい」など前向きなフィードバックを頂きました。


味の素 プロジェクトリーダーから

プロジェクトを振り返ると、チームの初期セットアップ時に全員で「プロジェクトの北極星を決めよう」という大指針を共創したことは、皆で前に進むための指針としてとても役立った。
次にアイディエーションとリサーチ。広く浅く、ではなく、1人でもいいので深く刺さるものを見つけよう、という考え方は、正直、最初は馴染みがなくよくわからなかったが、進めていくうちにその重要さを体感できた。
ビジネストレンドについて議論することは組織内でもよくあるが、トレンドの先を行くような、新しいことが生まれつつある『未来のシグナル』を探っていくには深く人やニーズを探るリサーチが効果的だと感じた。

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 味の素株式会社 様
URL https://www.ajinomoto.com/jp/

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