遊びごころを大切に
チームで徹底的に品質を追求
株式会社JTBパブリッシング様(以下、JTBパブリッシング)のムックをデザインしました。「〇〇でしたい100のこと」シリーズ、「写真から見つける、ステキな〇〇」シリーズ、「着物さんぽ」シリーズなど、複数のシリーズのムックを合計十数冊、担当しています(2018年4月現在)。いずれもシリーズの立ち上げからデザインを担当し、重版がかかるなど順調に売上を伸ばし「定番化」に貢献しています。
- 雑誌・書籍・教科書
- クリエイティブ開発
[ プロジェクトのポイント ]
- クライアントと「一緒にものづくりをする感覚」を大事にしたデザインフロー
- 実用性とデザイン性のバランスにこだわった、遊びごころのある楽しい誌面
- 新刊の「定番化」に貢献するデザイン力
プロジェクトの背景
世に出版されている旅行ガイドは、なるべくその土地の詳細な情報まで解説した濃密なものから、情報量を少なくして企画性を高めたものなど、各社がターゲットに合わせて様々なものを企画しています。JTBブランドのムックでは、これまでにない新しいコンセプトを打ち出したいという意向がありました。情報量はある程度多くないと読者の満足度は上がりませんが、その情報量をうまくデザインし、読みやすさ、探しやすさなどの実用性と、「新しい切り口で」旅する楽しさを演出するデザイン性の両方を表現する必要がありました。
問題解決までのアプローチ
パッと開いたページをじーっと読んだり、パラパラとページを拾い読みしたり、どんな読み方をされても満足感を得られるように全体を設計する必要がありました。そのため、それぞれのページを認識しやすく、かつページの個性をコントロールし、1冊通して見ても飽きがこないように俯瞰しながら制作することを心がけました。たくさんの見開きを社内の複数のデザイナーに振り分けて同時制作するため、定期的に全ページのデザインを並べる時間をとり、進捗を確かめ合うなど情報連携を徹底的に行いました。
また、クライアントとの連携も密に行い、「一緒にものづくりをしている感覚」を大切にして進行しました。
「写真から見つける、ステキな〇〇」シリーズでのデザイン制作風景。複数のデザイナーが仕上げたページを並べ、本全体のストーリーを編集者と一緒に確認します。
クリエイティブのポイント
情報量はたっぷりだけど読みやすく、眺めるだけでも楽しい気分になれるデザインを追求しました。例えば、見出しなど強調したいところを手書き文字やイラストでアクセントをつけ、静的な情報(基本情報)と動的な情報(コメント)を差別化し読みやすくし、同時にページの印象にメリハリをつけたり、1冊通してあたたかみのある世界観を演出したりしています。
手書き文字やイラストはデザイナー自身でページの企画に合わせて制作。デザインする際の遊び心も積極的に出していきます。制作者の「デザインする楽しさ」は誌面ににじみ出るため、つくり手同士のコミュニケーションにも気を配ります。
また、伝えたいことをより魅力的に伝えるために、編集者からいただくラフイメージをそのままデザインするのではなく、企画にあった構成を何パターンか試しながら制作しました。状況によっては、ページの並びや組み合わせを変えることもあり、クライアントとの情報連携を密に行い洗練させていきました。
こちらは「〇〇でしたい100のこと」シリーズでクライアントの編集者に実際にいただいたラフイメージ。情報が整理されわかりやすく構成されています。
いただいたラフイメージをもとにページをデザインします。情報は整理されていますが、実際に誌面に落とすと、静的な印象でなんだかワクワクしません。
静的でワクワクしない印象を改善するために、レイアウトパターンを複数案検討します。写真が魅力的に表現されるか、読者の視線誘導に無理がないか、情報がきちんと伝わるか、など多面的に検討します。
レイアウトパターンの中から一案を採用し、再度デザインに起こします。誌面にメリハリが生まれ、切り抜き写真などで全体に動きがつきました。
しかし、まだワクワクが足りません。アートディレクターからデザイナーに「忍者感を出して遊びたい」という無茶振りが飛びます。
完成に近づきました。しかしわずかに堅さが残るので、最後の仕上げ作業で調整します。イラストでさらに遊び、フキダシなどの視覚的なあしらいを整理し、全体を仕上げていきます。
完成です。見出しの一部に手書き文字を採用し、パッと見てもじっくり見ても楽しいページに仕上がり、旅をする際のワクワクする気持ちをうまくデザインに落とし込むことができました。
プロジェクトの体制
- アートディレクター:1名
- デザイナー:3名
[ プロジェクト概要 ]
クライアント名 | 株式会社JTBパブリッシング 様 |
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URL | |
公開日/発行日 | 2015/10〜 |
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