メッセージ性あるストーリーに乗せて
保護司の声を代弁する
法務省主唱「第74回社会を明るくする運動」のコミュニケーションデザインを担当しました。ポスター、リーフレット、動画CM、ラジオCM、ウェブサイト、SNSといった複数の広報チャネルの制作物も手掛けました。
- 映像
- 広報ツール
- メディア・コンテンツ開発
- クリエイティブ開発
[ プロジェクトのポイント ]
- 過去3年の活動を経て、異なる切り口から訴求を試みるキーメッセージ設定
- 新しいキーメッセージを体現するイラストレーターの新規選定、ディレクション
- 登場人物の人物像を詳細につくりこんだ、リアリティを追求したストーリー
プロジェクトの背景
「社会を明るくする運動」は法務省が主唱する全国的な取り組みで、犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場で力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な地域社会の構築を目指しています。運動に参加している方はもとより「更生保護」という取り組みを知らない方々に対しても、仕組みや支援の重要性について広く理解を促すことを重要視しています。
コンセントは、「受け手の目線に立ったストーリー」と「それを体現するクリエイティブ」の提案を評価いただき、2021年度から継続して広報支援を行っています。一連の取り組みを評価され、2023年には第73回「社会を明るくする運動」法務大臣感謝状を授与されました。
問題解決までのアプローチ
プロジェクトの最初に、過去3年間の広報活動の振り返りを行いました。
2024年のメインターゲットはこれまでと同様に更生保護への認識の浅い「一般の方」ですが、3年にわたってプロジェクトに伴走してきたコンセントは、実際に更生保護活動に参加している方々の日々の活動自体がこの運動の要であるという認識を強くもっていました。
そこで、一般向けに活動への認知・興味・共感をつくることを前提としつつ、「活動参加者に普段の活動への意欲をより高めてもらうこと」も目指す方向性を提案しました。
今年度は「活動参加者」に意欲を高めてもらうべく、活動に対する思いを乗せたストーリーをメインに展開することを提案
ストーリーの主人公を、活動の中心にいる「更生保護ボランティア」に設定した際に、その日々の活動を端的に、わかりやすく、共感をもってもらえるキーワードは何だろうか。更生保護ボランティアである保護司へのアンケートや更生保護関係団体の方へのインタビューから見えたのは、「相手も人だから、自分の思う通りにはいかない。ありのままを受け入れ、相手の変化を『待つ』ことも支援の一つ」という活動への姿勢です。
近年、「時短」「タイパ」といった言葉に代表される、物事にかける時間に対してシビアに相応の効果を求める風潮がある中で、「待つ」ことの大切さを理解し体現するその姿勢は、一般の方に対してもあらためて提言したい行動の一つだと考え、「待つ」というキーメッセージを提案。それを軸に、広報物のクリエイティブを検討しました。
更生保護活動の中心にいる保護司を主人公に据え、更生保護に関わる人の「待つ」姿勢から活動の大切さを訴える方向性に決定
クリエイティブのポイント
ビジュアルの一新
イラストレーターに水元さきのさんをアサインし、新しいキーメッセージに合わせたクリエイティブトーンをつくりました。
色合いのみずみずしさが特徴の水元さんのイラストレーション。
登場人物のリアリティを追求
シナリオに登場する人の姿が現実とかけ離れてしまっていては、共感が得られません。保護司と保護観察を受けている人がどのような人か、実際の現場をよく知る方と対話しながら人物像を詳細化し、リアリティを追求しました。
動画で保護司を演じてもらう声優には、上記のプロセスでつくり上げた保護司の内面を描いたサブストーリーを事前に読み込んでもらうことで、待つ姿勢を大切にする心の理解を促し、演じてもらいました。
更生保護活動の中心にいる保護司を主人公に据え、「待つ」人の姿勢から活動の大切さを訴える方向性に決定
保護司に見守られながら、時間をかけて徐々に変化していく青年を描いた本編ストーリー
イラストレーションの雰囲気を生かしながら新しいキーメッセージの世界観を表現。青年の「変化」が伝わるように、青年と保護司との関係を端的に捉えた象徴的なシーンをいくつも重ねた。
マルチチャンネル展開(関連制作物)
リーフレットのデザイン
Instagram掲載コンテンツ
[ プロジェクト概要 ]
クライアント名 | 法務省 保護局 様 |
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URL |
[ 関連リンク ]
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