法務省保護局   「第73回 社会を明るくする運動」広報支援

画像:動画のキャプチャー。「生きづらさを生きていく。」というコピーと空を見上げる男性のイラストが合わさったビジュアル。

現場のリアルな声を反映し、
当事者の思いを伝えるコミュニケーション

法務省主唱「第73回社会を明るくする運動」のコミュニケーションデザインを担当しました。ポスター、リーフレット、動画CM、ラジオCM、SNSといった複数の広報チャネルの制作物も手掛けました。

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[ プロジェクトのポイント ]

  • インタビューをもとに当事者のリアルを表現したストーリー
  • 3カ年かけて多視点で更生保護を描き、多角的に理解を深めるコミュニケーション設計
  • 主人公の感情を表現し、共感を生むアニメーション演出

プロジェクトの背景

「社会を明るくする運動」は、法務省が主唱する全国的な取り組みであり、犯罪や非行の防止と明るい地域社会の構築を目指しています。運動に参加している方はもとより「更生保護」という取り組みを知らない方々に対しても、仕組みや支援の重要性について理解を促していくことが重要です。コンセントは2021年度、22年度に引き続き、23年度も広報支援を行いました。

問題解決までのアプローチ

このプロジェクトでは3カ年通じて「人の言葉で思いを語り伝える」をクリエイティブコンセプトとし、更生保護とは何かを描いてきました。21年度は「支援者の目線」として保護観察を経験した青年と保護司を、22年度は「当事者の目線」として非行に至った過去を持つ女性と、彼女に似た境遇の少女を取り上げています。23年度は「コミュニティの目線」を取り上げるということを計画していましたが、コミュニティという抽象度の高い対象をどう描くか、見る人にリアリティをもって訴えかけるストーリーは何なのかを具体化する必要がありました。

そこで、更生保護の現場でどのような関係性が築かれているのかについての理解を深めるために、更生保護に関わる民間団体の方々へインタビューを実施しました。

画像:(右)実際にインタビューをしている様子。(左)インタビュー内容をまとめたメモ。

インタビューは民間団体の事務局長6名を対象に実施。具体的なエピソードや個人的な考えを聞き、対象者の苦悩や立ち直りのきっかけについて探った。

インタビューからは、「関わりの多さが更生につながる」ことが共通項として浮かび上がりました。一対一の深い関係性だけが大事なのではなく、一対多の接点を増やすことも社会復帰のために必要であること、そのために地域やコミュニティの存在が重要であると強調されました。それらの意見から、保護観察を終了した男性と彼を支える周囲の人々を描き、他者との接点を複数もつことの重要性を伝えるという23年度のテーマが生まれました。

クリエイティブのポイント

インタビューを踏まえて策定した今回の施策のテーマは「きちんと一人、でも孤独じゃない」。保護観察を終えた主人公は最終的には社会復帰し、自立を目指すことが目標です。日常にあるさまざまなつながりを一つひとつ築いていくことで、主人公が社会の中に戻っていく様子を表現します。

これは今回の主人公のような境遇にある人のみに向けたものではなく、社会で暮らしている人皆に訴えかけるメッセージであると考えています。見る人が自分にも重ね合わせて共感できるように、そして脳裏に浮かべるつながりが見る人自身のものであってほしいという思いから、コミュニティを具体的には描かず主人公の内省として表現しています。

画像:ポスターの画像。

ポスターは、あえて主人公一人の内省をコピーに。一日の終わりに、空に浮かぶ月や星、街の灯りに支えてくれる人たちの顔を重ねる、というシーンを描いています。

動画CMでは、登場人物たちの関わり合いをより詳細に伝えることを重視。社会復帰した後、悩みながらも働いて日常生活を営む主人公の一日を追う形でストーリーが展開されます。ふとした瞬間に周りの人から差し伸べられる手が、言葉が、苦悩する主人公に光を与えていきます。

画像6点:動画のキャプチャー。食堂のおばさんとのやりとりや、職場の上司に励まされるシーンが描かれている。

主人公に差し伸べられる支援の手

画像4点:動画のキャプチャー。食堂で考え込む主人公の様子、缶コーヒーを飲み夜空を見上げている主人公の様子。

自立について考え、周りの人々の支えに気が付く

画像2点:動画制作に使用した絵コンテ

23年度はアニメーターに企画段階から参加してもらい、より感情や物語性を豊かに表現する動画に。イラストの枚数も増やし、人物の心情の機微をこまやかに表現できるようにした。また、声優の起用を4名に拡大し、多様な人との関わりをより生き生きと描写することに注力した。

他にもリーフレット、ラジオCM、SNSといった複数の広報チャネルの制作物を手掛けました。3カ年を通して、イラストレーションを山崎真理子氏、アニメーションを窪田祥氏、アニメーション制作をmimoid、音楽とナレーション制作をSounds of Memoryが担当しています。

画像:

リーフレットのデザイン

画像:

Instagram掲載コンテンツ

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 法務省 保護局 様
URL https://www.moj.go.jp/hogo1/kouseihogoshinkou/hogo_hogo06.html
公開日/発行日 2023/07/01

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