
「変化を待つ時間は、希望とともにある」
未認知層の共感を得るキーメッセージ
法務省主唱「第75回社会を明るくする運動」のコミュニケーションデザインを担当しました。ポスター、リーフレット、動画CM、ラジオCM、ウェブサイト、SNSといった複数の広報チャネルの制作物も手掛けました。
- 映像
- 広報ツール
- メディア・コンテンツ開発
- クリエイティブ開発
[ プロジェクトのポイント ]
- 運動への共感を呼ぶキーメッセージ作成、クリエイティブ開発
- 若年層へのアプローチを強め、動画CMへの展開に力を入れたコミュニケーション設計
- クリエイターと意見を交わしながら共創する制作プロセスで表現力を向上
プロジェクトの背景
「社会を明るくする運動」は法務省が主唱する全国的な取り組みで、犯罪や非行の防止と明るい地域社会の構築を目指しています。運動に参加している方はもとより「更生保護」という取り組みを知らない方々に対しても、仕組みや支援の重要性について広く理解を促すことを重要視しています。
コンセントは、「受け手の目線に立ったストーリー」と「それを体現するクリエイティブ」の提案を評価いただき、2021年度から継続して広報支援を行っています。
問題解決までのアプローチ
2025年度は、活動の認知度が低い10〜40代に対して「社会を明るくする運動」の名称の認知を広めることにも力を入れたい、そのためインターネット広告への出稿も検討したい、という要望がありました。それを受け、まずは未認知層の理想的な行動変容を描き、それぞれのフェーズでの改善点や取り組んだ方がよいアクション、表現で押さえておきたいポイントを洗い出し、コミュニケーション方針についてディスカッションを行いました。
動画CMやポスターは、未認知層が運動に出合う最初の入り口です。運動名を強調することで認知拡大を狙うことは可能かもしれません。ですが、「更生保護」や「再犯防止」への理解につなげるためには、運動名だけを覚えてもらうのではなく、運動の姿勢への共感を得ることまでを担うべきではないかということが、ディスカッションの中で再認識されました。そこで、犯罪や非行をした人が立ち直れる社会づくりへの共感を得るという方針は継続しつつも、10〜40代に響くキーメッセージやクリエイティブ開発に取り組むことになりました。

未認知層の理想的な行動変容を描いた資料の一部
クリエイティブのポイント
キーメッセージ「Time with Hope」に込めた思い
立ち直りには時間が必要です。今回のキーメッセージには、「変化を待つ時間は、希望に満ちている」という思いが込められています。どんなに困難な状況でも、友人や家族からの励ましや周囲の支援を通じて、状況がポジティブに変化していくことや、「待つ時間」は希望と共にあり、成長や未来をつくるための大切な時間になっていることを伝えています。
アニメーションでは、キーメッセージをストーリーとして展開。歩き始めそうな赤ちゃんに喜ぶ両親、練習に取り組む少年を励ますコーチ、懸命に働く女性を見守る保護司と、社会に生きる多様な人たちが登場。たとえ困難なことがあったとしても、希望と共に進んでいく姿を描いています。

それぞれの分野のプロフェッショナルの視点を掛け合わせる
イラストレーションは、前年度に引き続き
氏が担当。今回の「Time with Hope」というテーマに込めた思いに加え、登場人物設定として、主人公たちの生い立ちから現在までのストーリーを伝えることで発想を広げてもらうという形を取りました。アニメーションは、より短い時間で見る人の興味を惹く表現を取り入れました。冒頭は街で人々が“待つ”瞬間をテンポよく描き、風や光で視線を誘導しつつシームレスに場面転換。後半は主人公と保護司の関係に焦点を当て、視線や表情の変化を丁寧に描いて感情を伝えています。BGMも刻まれるビートや音色から、懸命に生きる人たちの鼓動や期待感を感じさせるサウンドになっています。
今回のプロジェクトには、イラストレーター、アニメーター、サウンドクリエイター、コピーライターなど、各分野のプロフェッショナルが参加しています。それぞれの専門性やアイデアが自然に混ざり合い、より良い表現につながるよう、制作プロセスやコミュニケーションの在り方を設計。コンセントが一方的に指示を出すのではなく、関係者同士が意見を交わせる場づくりを重視しました。
例えば動画CMの絵コンテ制作では、コンセントの元案をベースに、アニメーターやイラストレーターと一緒に各カットの構成や見せ場、最適なカメラアングルについて意見を出し合いました。それぞれの目線から生まれる気付きやアイデアを柔軟に取り入れることで、表現のクオリティをさらに引き上げることができました。

左は、シャボン玉を希望のモチーフとして描いたキービジュアル。右は、登場人物の生い立ちから現在までを書いた設定資料

(30秒版・字幕あり)。アニメーションは 、サウンド制作は が担当。
マルチチャネル展開(関連制作物)

リーフレットのデザイン
上記に加えて、Instagramに掲載するコンテンツも開発。2025年度は動画などを見てSNSにたどり着いた人が「社会を明るくする運動」とは何かを知るはじめの一歩として制作。更生保護のキャラクターたちが登場し、親しみを感じさせるトーンで制作している。

。2025年度は動画などを見てSNSにたどり着いた人が「社会を明るくする運動」とは何かを知るはじめの一歩として制作。更生保護のキャラクターたちが登場し、親しみを感じさせるトーンで制作している。
[ プロジェクト概要 ]
クライアント名 | “社会を明るくする運動” 中央推進委員会(主唱:法務省) |
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[ 関連リンク ]
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