マネーフォワード   ビジョンレポート「Forward Map 2025」コンテンツディレクション・デザイン

メインビジュアル。ビジョンレポート「Forward Map 2025」の内容が並んでいる。

未来へむかうマネーフォワードの姿を、すべてのステークホルダーに届けるビジョンレポート

家計簿アプリ「マネーフォワード ME」や、法人向けバックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」などを通じて、個人・法人に向けてお金の課題を解決する多様なサービスをグループで展開する株式会社マネーフォワード様(以下、マネーフォワード)。マネーフォワードの中長期的な未来への挑戦を、より立体的に伝えるために、「統合報告書」から「ビジョンレポート」へ改称した『Forward Map』を制作しました。これまでの統合報告書の形式では伝えきれない組織の未来や現在の取り組みを、多様なステークホルダーに伝えるための企画とビジュアルづくりを担当。サイトに掲載する日本語版・英語版のPDF2種と、手にとって読める冊子を制作しました。

Forward Map 2025(PDF版)|contents.xj-storage.jp

  • 広報ツール
  • クリエイティブ開発

[ プロジェクトのポイント ]

  • 多くの関係者の認識を揃える進行とコミュニケーション設計
  • 企画とデザインの密な連携で、意思決定を促進
  • 96ページに込めた、“情緒”と“機能”が両立するデザイン

プロジェクトの背景

マネーフォワードは、2021年から統合報告書『Forward Map』を毎年アップデートしながら発行してきました。

しかし、従来の統合報告書の枠組みでは会社の挑戦や未来への姿勢を十分に伝えきれないという課題がありました。特に、「VISION/MISSIONの実現に向けて、ユーザーの皆さまへどんな体験をつくり、どのように取り組んでいるのか」といった変化のプロセスそのものを届ける手段を模索していました。

その届け先は、投資家やクライアントはもちろん、採用候補者や社員、これから関係を築いていくステークホルダーなど多岐にわたります。それぞれ立場や関心が異なるからこそ、伝え方にも工夫が求められます。

そうした状況を受けて、自社の理念や実績の紹介にとどまらず、“未来起点”のストーリーとして事業や組織の動きを描き出す『Forward Map』の制作をスタートしました。

問題解決までのアプローチ

プロジェクト全体を見通した進行設計

本プロジェクトは約1年かけて進行しました。そのため、企画からデザイン、印刷までの全てのフェーズで、プロジェクトメンバー全員が同じ方向を向き、迷いなく着実に進めるチームづくりが重要でした。

初期段階でマネーフォワードとコンセントの役割分担や進行フロー各工程の目的や中間成果物(企画素案、構成案、台割など)を可視化し、完成までの進め方イメージを共有しました。「なぜこの作業が必要なのか」といった各作業の意味や背景も合わせて伝えることで、チーム全体が納得感を持って進められる土台が整いました。
スケジュール管理では、前半は大まかな計画で全体の足並みを揃え、後半はページ単位の日割りに切り替えるなど、フェーズに応じて最適な形を選択。日常のコミュニケーションでは目的に合わせて最適なツールを活用し、定例ミーティングでは今後のアクション確認を欠かさず行うことを仕組み化しました。

こうした取り組みが合意形成をスムーズにし、安心感と納得感のあるプロジェクト進行につながりました。

使用ツールの設計

  • オンラインミーティング|ZOOM
  • ミーティングのアジェンダ共有、提出・レビューなど普段のコミュニケーション|Slack
  • 原稿やデザインデータのアップロード|box
  • 原稿作成|Googleドキュメント
  • 原稿進捗、台割、表記ルール、部数管理など|Googleスプレッドシート
進行設計に用いた、制作ブロセスの資料と日割りのスケジュール資料。

左:制作プロセス全体における2社のタスク、責任範囲を可視化した資料。
右:複数のタスクが同時並行する制作佳境では日割りの詳細スケジュールを作成し、抜け漏れが発生しない進行管理を行なった。

企画とビジュアルを同時に検討し、意思決定のスピードと精度を高める

企画の検討は、「ユーザーに届けたい未来・体験を語るストーリーとして紹介するレポート」をコンセプトに進行しました。

台割・構成の検討とあわせて、初期段階からビジュアルイメージも提示し、企画と見た目の両面から方向性のすり合わせを実施。「誰に、何を、どう伝えるか」という視点を軸に構成案とデザインを往復することで、「この方向で合っていそう」「ここはもう少し詰めたい」といった対話がしやすくなり、意思決定のスピードと精度が向上しました。

オンラインホワイトボードツール上で、構成案とデザイン案とを同時に検討する様子。

左側が構成案、右側がデザイン案。プロジェクト初期からビジュアルイメージを可視化することで議論が活性化し、クリエイティブの方向性が定まっていった。

クリエイティブのポイント

雑誌のようなメリハリあるデザインで迷わず読み進められる設計に

『Forward Map 2025』は「Introduction」「Forward Map」「Compass」「Facts&Data」の4パートで構成されています。

『Forward Map 2025』各パート概要

「Introduction」
グループCEOの創業時から変わらない想いを綴ったメッセージを中心に、目指す未来を案内

「Forward Map」
未来を実現するためにマネーフォワードが取り組んでいることを伝える

「Compass」
大切にしている指針や文化を浸透させるための取り組みについて紹介

「Facts&Data」
グループCFOのメッセージと共に2024年11月期の実績を掲載

『Forward Map 2025』全ページの一覧。

『Forward Map 2025』全ページ一覧。計96ページというボリュームでも自然と読み進められるように、デザインや全体の構成に工夫を凝らした。

制作当初にマネーフォワードから「メリハリを意識した雑誌のようなデザインにしたい」というリクエストをいただいたことを受け、全体が4パートで構成されていることがひと目でわかる構成を設計。各ページのデザインやレイアウトにもリズムを持たせ、読み手が迷わず情報にたどり着けるよう意識しました。見た目の美しさだけでなく、「どこに、どんな情報があるのか」が自然と伝わる視線の誘導や構成を心がけ、情緒性と機能性を兼ね備えたデザインを実現しています。

4パート構成の『Forward Map 2025』内で、パートの切り替わりを伝える4つのページ。

各パートの切り替わりページ。「Introduction」で青い服を着ている人物はマネーフォワードを象徴しており、手に持っている双眼鏡は常にユーザーに寄り添い、進む先を見据える「ユーザーフォーカス」の姿勢を表現。その視線の先にある「Forward Map」や「Compass」は、目指す未来に向けた具体的な取り組みを示している。「Facts&Data」では通期売上高の変遷を棒グラフで見せることでにより、未来への期待を高めている。

『Forward Map 2025』内で、企画ごとに印象をわけて制作した4つのページ。大きくイラストを使う、背景色を変える、あしらいを変えるなど様々な工夫を行なっている。

企画ごとの目的や想定ターゲットに合わせてデザインを制作。多様なステークホルダーに向けて、パラパラめくっても、じっくり読み込んでも、どんな読み方をしても楽しく理解できるよう工夫した。

未来のサービスを具体的にイメージさせるイラスト

未来に向けた取り組みを紹介するページのイラストでは、マネーフォワードの事業と紐づく未来の図を具体的な利用体験として描くことを重視しました。将来ユーザーに提供したいサービスや取り組みをヒアリングし、その内容をもとにシーンやモチーフを提案。例えば、「ビジネスカードとクラウドの連携」を表す際には、カード決済とクラウド共有の様子を組み合わせることで、未来のサービスをリアルにイメージできるようにしています。

イラストレーターへの依頼資料とラフ。それを受けて出来上がった完成イラスト。

未来のサービスを利用したときの体験をイメージできるラフ。イラストレーターに依頼する際は、「どんな場面やモチーフを描いてほしいか」を資料を添えて具体的に伝えた。

『Forward Map 2025』内で、図解を扱った2つのページ。

上:ものづくりページでは、ユーザー中心で回るプロセスを円を用いた図解で分かりやすく表現した。
下:読み流されがちなデータ一覧ページもインフォグラフィックを用いることで目をひくデザインに。

「人」と「場所」、双方の魅力を引き出す撮影ディレクション

誌面にはサービスを利用しているユーザーの方々や、多くのマネーフォワード社員が登場します。「その人らしさ」がにじみ出る撮影を目指し、撮影中はリラックスできるよう声をかけ自然な表情を引き出しました。

また、撮影前にはオフィスへ赴きマネーフォワードのカルチャーが体現されている空間を念入りにリサーチ。オフィスの様子がバリエーション豊かに伝わるよう撮影場所を選定しました。

撮影のための資料。

左:撮影場所を事前に下見した際の写真や撮影カット。右:スケジュール表。

日本語・英語、言語ごとにデザインを最適化

ウェブ閲覧用のPDFは、日本語版と英語版を制作しています。日本語から英語へ翻訳すると文字量は約1.5倍に増加します。そのため英語版では、文字量が増えても圧迫した印象にならないように余白や改行を調整し、言語に適した見栄えにしました。

日本語版と英語版の『Forward Map 2025』抜粋ページ。

上:日本語版デザイン。下:英語版デザイン。

色再現のクオリティを担保するための印刷立会い

印刷は、冊子の完成度を左右する重要な工程です。その中でも欠かせないのが最終仕上がりを確認するための印刷見本。データ上の色と紙に印刷された色とでは差が出やすいため、そのまま本番の印刷に進むと仕上がりとイメージがずれる可能性があります。そのため印刷前には両社のデザイナーと印刷会社が集まり、色の出方をシミュレーションしました。

印刷当日は工場に赴き、「ブランドカラーのオレンジ」が正しく再現されているか、「写真の色合い」が意図どおりに表現されているかなど細かな色の差異を確認し、印刷担当者と相談しながらインクの濃度を最終調整して完成へと導きました。

印刷前の印刷所との打ち合わせと、印刷当日の立ち合いの様子。

左:印刷工程に入る前に色校正で仕上がりイメージを確認。中央・右:印刷工場での立会いの様子。

クライアントの声

  • 私たちの意向をしっかりと汲み取って、適切なアドバイスやご提案をいただくことができました。双方が意見を出し合いながら進行することができ、非常にスムーズにプロジェクトを進めることができました。ターゲットを広げて幅広い層に読んでもらうこと、コンテンツの企画の精度を高め、魅力的に伝わるデザインでクオリティアップを図るという目的を達成できたと考えております。今回のプロジェクトを通じて、コンセント様の企画力とデザイン力から多くのことを学ばせていただきました。
  • 定例ミーティングを通じてこまめに認識をすり合わせ、締め切りスケジュールもこちらに合わせて柔軟かつ適切に調整いただき、スムーズにプロジェクトを進行していただけました。
  • 本プロジェクトは、社内の月間MVPにも選出され、関係各所からアウトプットに対する評価も高いと思います。クライアント側にクリエイティブに精通しているメンバーがいると、ある種やりにくい所もあったかと思いますが、的確なスタンスで共創していただき大変感謝しています。とても心強かったです。

プロジェクトメンバー
プロジェクトマネジメント、企画、コンテンツディレクション:松田彩
アートディレクション:白川桃子
コンテンツディレクション:田中くるみ
デザイン:菊地 春菜、遊佐リツ子、山﨑 菜緒、長谷川 弓希子(英語版)
カスタマーサクセス:橘 泰良

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 株式会社マネーフォワード 様
URL https://corp.moneyforward.com/
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