個々人の思いや考えを可視化して
組織変革の土壌を築く4日間
東大阪に本社を置く株式会社竹中庭園緑化様(以下、竹中庭園緑化)は、観葉植物のリースをはじめ、造園工事・植栽管理、ブライダル装花、販売事業などを手がける花とみどりのプロフェッショナルです。
コンセントではこれまで、会社案内やコーポレートサイトのリニューアルを通じて竹中庭園緑化のブランド構築を支援してきました。その過程で見えてきたのは、「これからの竹中庭園緑化にふさわしい組織のあり方」を見つめ直し、進化していく必要性。その進化を支える土壌づくりとして、組織変革プロジェクトの支援を行いました。
- デザイン経営支援
- トレーニング・研修
- デザイン思考組織化支援
[ プロジェクトのポイント ]
- 組織間の関係性をほぐし、連携の土壌を築く独自のプログラム
- 創作を通じて、言語化されていなかった思いや考えを可視化する
- ありたい姿を組織の日常へ落とし込むアクション設計
プロジェクトの背景
竹中庭園緑化は、長年培ってきた高い技術力と社員同士のチームワークを強みに、時代の変化に対応しながら成長を続けてきました。
一方で、穏やかで堅実な文化を持つがゆえに、柔軟な発想やスピーディーな意思決定が生まれにくいという課題も見え始めていました。特に現場を支える部門長層では、長年の慣習から失敗を避ける傾向が強く、新たな挑戦に自ら踏み出しにくい状況が見られました。
そこで、部門長層を中心とした「これからの時代にふさわしい組織のあり方を探索するプロジェクト」が発足し、コンセントが支援を担当しました。
問題解決までのアプローチ
現状把握と解決策の提案
はじめに、組織の現状を把握するために部門長を対象としたアンケートと個別ヒアリングを実施しました。その結果、いくつかの共通した傾向がありました。
- 部門間で”会社のありたい姿”に対する認識のズレがある
- 連携より自部署優先になりがち
- 会社を良くしたい気持ちはあるが、経営層や他部署の部門長に本音を伝えにくい
このような、外からは見えづらい”関係性のこわばり”こそが、新しい挑戦へのブレーキになっていることが見えてきました。
その解決策として部門長18名を対象に、コンセントが開発した組織変革プログラム「プレイフルボックスキャンプ」を実施しました。
「プレイフルボックス」とは、コンセントが開発した組織の創造性を育み、関係性をほぐすためのツール。オンラインホワイトボード「Miro」のテンプレートとして無料で公開している。
プログラムの設計意図
プログラムの目的として、各部門長が自らの手で「竹中庭園緑化の未来」を可視化し、共有することを設定。その実現のために、プログラム設計では「寄り道」と「対話」を大切にしました。
「寄り道」は、普段の役割や常識を一度手放し、柔らかな発想と気付きを取り戻すための要素。「対話」は、お互いの考えや思いに触れ、共通の土壌を育んでいくための要素です。
ワークショップを単に知識やノウハウを学ぶ場ではなく、寄り道と対話を行き来しながら、組織に無意識に染みついた思考や関係性のパターンをほどき、未来を考える”余白”を取り戻していく場にする。そのための全4回のアクティビティを設計しました。
プログラム:Day1「自分の根っこを分かち合う対話」
Day1では、自己認識と相手への理解を深めることを目的に、「自分の人生を根っことして描く」ワークを実施。生まれてから今日までの価値観や出来事を植物の根に見立てて絵にすることで、自分の内面を振り返ります。
絵を描いた後は、ワークシートに記載されている問いを通して自ら深掘りを行い、最後にチームでお互いの根っこを見せ合いながら対話を重ねました。
参加者からは、「自分のターニングポイントをあらためて考える機会になった」「意外と似ているところが多くて驚いた」といった声が上がるなど、お互いを理解し合うための共通の土壌が築かれ始めました。
植物を扱う会社だからこそ「根」のメタファーと参加者の親和性が高く、内省と対話がスムーズに進んだ。
プログラム:Day2「組織の今とこれからを探索する対話」
Day2では、普段の業務からいったん離れて、手を動かす2つのワークを通じて言葉にしづらい「働く意味」や「組織の未来」を探り、目に見える形にしていきます。
① 自分を架空の植物で表現する
「あなたが会社で働く意味を、オリジナル植物で表すとしたら?」そんな問いかけからスタートし、約30種類の素材を組み合わせながら、自分自身を象徴する植物をつくります。色や質感、形といった感覚的な選択に身を委ねて表現に没頭することで、普段は言葉にされにくい、それぞれの「なぜ働くのか」をあらためて見つめ直す時間になりました。
ある参加者は「ツドイギ」という植物を創作。宿木のように共生する強さをもつ姿に、本人の仕事観が象徴されている。
② 理想の職場を植物園として表現する
続いて、個人がつくった植物をチームで1つのボードに配置し、架空の植物園=理想の職場として表現するワークを行いました。普段は話すことのないそれぞれの立場や距離感が表れ、部門長同士の関係性や理想の職場のあり方を新しい視点で捉え直すきっかけになりました。
あるチームは、経営層と部門長の間にある壁を「白い網」で表現。網を切りながら高さを調整していく中で、「思っていたより壁は高くないのかもしれない」という気付きが生まれた。
プログラム:Day3「アクションを宣言し、動き出す対話」
Day3では、Day2で可視化した「ありたい姿」を実現するために取り組むアクションを決定します。変化の兆しや気付きが生まれても、意識だけでは組織は変わりません。組織変革は「行動 → 意識」の順番で起こります。そのため、2種類のアクションを検討し、宣言してもらいました。
- 1.今後1年をかけて取り組むアクション
- 2.明日からすぐに実践できるアクション
1を見据えた上で2から着手することにより、変化が自分ごと化して継続しやすくなります。Day3を経て、未来に向けた行動のスイッチが入りました。
参加者同士でアクションを共有し合う時間を設けたことで、「みんなで取り組んでいく」という連帯感や、応援し合う雰囲気が生まれた。
プログラム:Day4「小さな一歩から変化を根づかせる対話」
最終回となるDay4の目的は、これまでの学びや気付きを「日常に根づく形」へとつなげていくことです。Day3で宣言したアクションを実際にやってみて、その結果をペアで振り返るところからスタートしました。
「どんな行動をしたか?」「どんな反応や変化が起きたか?」「自分が感じた手応えは何か?」といった問いを通じて、自分の小さなアクションが組織を動かせるという実感をつかんだ。
最後に、全員で「ありたい姿」に向けたモットーをつくりました。自分たちの言葉と絵でつくるモットーは、これからの行動や判断を支える共通の指針としてチームの土壌になります。
言葉にして、絵にして、全員で掲げる。そのプロセス自体が、組織としての思いを束ねる時間であり、変化を文化として育てていくための第一歩になりました。
プロジェクトの成果
組織変革は一度の取り組みで劇的に変わるものではなく、小さな一歩の積み重ねです。今回のプログラム前後で行ったアンケート評価から、竹中庭園緑化にさまざまな「変化の土壌」が生まれたことが見えてきました。
プログラム後に見えた変化を支える土壌
- 自己理解の深まり
自分の価値観や行動の背景にある「根っこ」の言語化を通じて、「なぜこの会社で働くのか」という目的意識が明確になった。 - 関係性・コミュニケーションの質の変化
部門長それぞれの立場や背景の違いを共有したことで、意見の違いを前向きに捉えられるようになり、部門を超えた連携がしやすくなった。 - 共通認識の形成
個々の思いや考えを持ち寄り対話を重ねることで、「大事にしたいこと」「向かう方向」という共通の土壌が共有された。 - 組織変革への手応えの獲得
自ら宣言したアクションを実践し、周囲からの反応を得る経験を通して、「変革は与えられるものではなく、自分たちでつくることができる」という実感が育まれた。
これらの土壌を持続的な変革につなげるため、計画したアクションの実施と振り返りを継続的に行っていきます。
[ プロジェクト概要 ]
| クライアント名 | 株式会社竹中庭園緑化 様 |
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