沿線都市のレジリエンスを考える
防災プロジェクトの立ち上げ支援
「東急、次の100年を創る」をミッションとし、2019年から活動するイノベーション推進組織である東急株式会社フューチャー・デザイン・ラボ様(以下、フューチャー・デザイン・ラボ)。
地震が起きることが前提としてある日本で、災害時に東急グループ各社がどのようなサービスを提供できるのか、また各社の強みをどのように連携させられるのかを考えたいという思いから、グループ横断で災害レジリエンスを考えるプロジェクトが発足しました。
コンセントはプロジェクト立ち上げに当たり、参加者が組織の枠を超えて対話し、各社の知見や既存サービスをもとに連携の可能性を見いだすためのワークショップ設計・進行を支援しました。
- 広報ツール
- 販促ツール
- 事業開発支援
- クリエイティブ開発
[ プロジェクトのポイント ]
- 役員や管理職層を含むグループ各社のキーパーソンが参加するワークショップの実施
- 肩書や役職を超え、「一生活者」として考えるためのワーク設計
- 各社の既存サービスや強みを起点に、災害時の連携可能性を見いだすコミュニケーションデザイン
プロジェクトの背景
首都直下型地震の発生が想定される中、沿線市民の暮らしを守り、災害発生後にも必要なサービスを届け続けられるレジリエンスの高いまちづくりの実現を目指すフューチャー・デザイン・ラボ。
東急グループ各社が企画・提供しているサービスや、それぞれがもつ事業アセットを有機的につなぐことができれば、災害時により実効性の高い支援やサービス提供が可能になります。
しかし、現実にはグループ会社や各組織において防災・災害対応に関する施策や取り組みは個別に進められており、それぞれがもつ知見やサービスが十分に連携されているとは言い難い状況にありました。
問題解決までのアプローチ
本プロジェクトでは、グループ会社を横断した災害時のサービス提供や連携の可能性を考えることを目的とし、6社が参加する4時間×3回のワークショップを実施しました。
また、この取り組みから生まれたつながりを起点にして、東急グループ内にとどまらず、行政など外部の関係者とも意見交換ができるよう、既存サービスやワークショップで出てきたアイデア、今後のアクションを整理したレポート作成も行いました。
「わたしの話」から始めるプログラム設計
本プロジェクトでは、グループ会社間の連携可能性を具体的に検討する上で、各社のキーパーソンが直接議論に加わることが重要だと考えました。そのため、各社で防災・災害対応サービスを推進する担当メンバーや役員に声をかけ、ワークショップへ参加してもらいました。
しかし、参加したメンバーの業務内容や防災・災害対応に関する知識や視点はさまざまでした。足並みをそろえて共に考えていくために、参加者一人ひとりが「わたしの話」から始められるワークを実施し、災害が起きたときに自分や家族の生活がどう変わるかを考えることを起点に、防災やレジリエンスについての認識を深めながら進行しました。
現在取り組んでいることや所属する会社が異なっていても、日本に住んでいる以上、誰であっても被災する可能性があるという状況は同じです。そこで、肩書や役職、組織上の役割にとらわれず同じ前提に立って考えるために、「一生活者」の立場から語り始めることに意味がありました。
各ワークショップの実施概要
DAY1「実際にあった災害例から課題を知る」
- 災害が起きた際にどのような課題が発生し、どのように深刻化するのか。実例をもとに参加者間で目線を合わせながらディスカッションを実施した。
DAY2「既存サービスからアイデアを発散する」
- アイデア検討時の条件として「既存サービスの活用」を設定し、発散する幅に制約を設けた。どうすれば既存サービスをフェーズフリー*にできるか?の観点で議論を行った。
DAY3「ターゲット別にアイデアを具体化する」
- グループ各社のソリューションやポテンシャルを生かしたパッケージ型事業の方向性を議論し、連携するための土台を築いた。
*フェーズフリーとは「日常時」と「非日常」という社会状況(フェーズ)から自由(フリー)になり、「いつも」を豊かにするものが「もしも」においても暮らしと命を支えてくれるようにデザインしようという防災にまつわる新しい考え方。引用元:『フェーズフリー「日常」を超えた価値を創るデザイン』佐藤 唯行著 翔泳社
ワークショップ当日の様子。組織の立場を超え、一生活者としての視点も交えながら議論を行った。
過去から学び、現在から考える
いつ起きるのかも、起きるのかどうかもわからない災害に対して備えることは容易ではありません。また、防災に関する取り組みは日常ではコストと判断されやすい性質もあり、それらを取り扱うビジネスを考えることも簡単なことではありません。
今回のワークショップでは、そのような状況を乗り越えるために「備えられない」を前提とし、日常時のサービスが災害時にも価値を発揮するフェーズフリーという概念を取り入れて考えました。
また、理想の未来から逆算して考える「バックキャスティング」という手法では、アイデアが発散し過ぎてしまう恐れがありました。そこで、過去の被害や現在提供されているサービスを起点に現実的にどのような対応や連携が考えられるかを検討する「フォアキャスティング」の考え方を取り入れ、ワークを設計しました。
過去の災害事例や現在のサービスを起点に、災害時の対応や連携の可能性を検討した。
一緒に進行し、場に一体感をもたらす
本ワークショップは、グループの垣根を越えて継続的に協業していくためのキックオフになることを目指しました。「東急グループ社員同士でつくる場」にするべく、ワークショップの進行はプロジェクト担当者とコンセントが協働して行いました。参加者の様子や場の雰囲気に合わせてプログラム内容を臨機応変に調整しながら、参加者同士が互いの視点や関心を知り、各社の関わりしろを見いだしていけるよう、3日間のワークショップ運営を支援しました。
クリエイティブのポイント
取り組みを外に開き、共創するための足掛かりをつくる
グループ会社間で見えてきた連携の可能性を次のアクションにつなげるためには、ワークショップでの議論をその場限りにとどめず、第三者にも共有しやすい形に整理する必要があります。
そこで、ワークショップで出てきたアイデアや今後のアクションをまとめ、行政などの外部関係者との情報交換・意見交換に活用できるレポートを作成しました。




東急グループのフェーズフリーに関する考えをまとめたレポート。外部関係者との情報交換・意見交換に活用できるよう、サービス紹介や官民連携の可能性も含めて構成した。
災害対応やフェーズフリーに関する東急グループ各社の取り組みや課題意識を整理・可視化することで、外部も含めた連携の可能性を検討する足掛かりをつくりました。
お客様の声
[ プロジェクト概要 ]
| クライアント名 | 東急株式会社フューチャー・デザイン・ラボ 様 |
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