本質部分の検討に時間を生むための切り札

ウェブサイト制作を支える共通言語としての「CONNECT」

キャプチャ:座談会参加メンバーの集合写真

ウェブサイトの安定的な管理・運用を支援する、ウェブサイト構築パッケージ「CONNECT(コネクト)」。誕生の背景には、開発メンバーによる度重なる検討と、大切にした指針がありました。ディレクター、アートディレクター、エンジニアなど様々なスキルを持つ開発メンバーがリモート座談会で集まり、その本音を語ります。


プロフィール写真:見野伸太郎

見野 伸太郎

CONNECTプロジェクトリーダー/アートディレクター/デザイナー

2002年より、デザイナーとしてコーポレートサイト、キャンペーンサイトの制作に携わる。2011年、コンセントに入社。アートディレクターとしてデジタルメディアの設計・デザインに従事。大手化粧品メーカーのブランドサイト、大手電機メーカーのコーポレートサイト、大手エンターテインメント企業のAEM基盤構築、業務管理システムのUIなど、さまざまな業種業態のプロジェクトにおいて立ち上げから運用支援まで幅広く携わっている。

プロフィール写真:小山直樹

小山 直樹

フロントエンドテクノロジスト

ウェブデザイナーとして受託制作・サービス開発を経験し、2013年フロントエンドテクノロジストとしてコンセントに入社。主にコーポレートサイト、ブランドサイトのフロントエンド開発を担当。大手電機メーカーBtoBサイト統合プロジェクトや大手エンターテインメント企業のキャラクターポータルサイト基盤構築開発プロジェクトなど大規模サイトの基盤開発に従事する。

プロフィール写真:浜島恵美

浜島 恵美

ディレクター

2004年よりウェブコンサルファームにて、大規模サイト再構築、ガイドライン・ガバナンス策定、ECサイト立ち上げ・運用などを経験。
2009年より情報アーキテクチャを大切にするコンセントのディレクターとして、大手の学習塾、紳士服メーカー、下着メーカー、酒類メーカー、出版社など、ウェブ関連プロジェクトの戦略フェーズから運用フェーズまで幅広く従事している。

プロフィール写真:五井瑠衣子

五井 瑠衣子

フロントエンドテクノロジスト

2002年よりインタラクションディベロッパーとして、キャンペーンサイトを中心にRIA(今でいうSPAの前身の技術)からバナー制作まで、幅広いFlashコンテンツ制作に携わる。
2010年よりフロントエンドテクノロジストとしてコンセントに入社。
ActionScriptで培った経験をJavaScriptに生かしつつ、大手電機メーカーのBtoBサイト統合プロジェクトや、大手出版社のデジタル教材開発など、さまざまな業種業態のプロジェクトにおいてフロントエンド全般の設計・開発に従事している。

標準化は究極の属人から生まれる

———CONNECTを開発するきっかけは何だったのでしょうか。

小山:これまでウェブサイトを制作する際は、フルスクラッチ(既存のものを流用せずに新規に開発すること)で実装することがほとんどでした。でも、どのプロジェクトも基礎部分は同じようなコードを書いていました。そこを汎用化して、ベースの品質を担保しながらプロジェクト固有の課題に注力できるようにしよう、というのが開発のきっかけです。

見野:同じようにディレクターもデザイナーも、それぞれの業務でテンプレートをつくって品質向上や効率化を試みていました。でも、それぞれの職能の中で閉じて模索していた。設計・デザイン・実装で、職能をまたいだプロセスの標準化を試みたのがCONNECTです。

浜島:私もディレクターの観点で同じ課題を感じていたので、CONNECT開発のタスクフォースが立ち上がった時にメンバーの一員に加わりました。それが2016年。2017年にプロジェクト化して、本格的に動き出しました。

小山:タスクフォースが立ち上がったばかりの頃は、さまざまな人から意見を取り入れようとメンバーを増やしたこともありました。そうしたら全然話がまとまらなくて。「これはゴールしないやつだ」と、愕然としたことを憶えています(笑)。

浜島:そうだったね。だから各職能の代表を1人ずつ決めて、最小限のチームに組み直して。

小山:プロセスの標準化って、みんなが使えるように多くの人の意見を取り入れるんじゃなくて、属人的なスキルや考え方をひらいていく作業なんです。誰もが納得できるロジックがあったりすると、それが標準になっていく。その点で僕がすごく影響を受けたのは見野さんです。

キャプチャ:話している見野

五井:それ、わかります!すごく考えが深くて、1人で違う次元にいっちゃうようなところがありますよね(笑)。

小山:耐久性とか汎用性とか、コンポーネント1つに対してもどんな使われ方をされるのかというイマジネーションがすごいんですよね。

五井:そう、ロジックとエモーションのバランスがとてもいいのだと思います。見野さんはデザインを感覚値のままにせず、コード化まで見越して共有してくれるのでいつも助けられていますね。

浜島:CONNECTのバージョン1をリリースする直前、本当にギリギリのタイミングで「この整理じゃ足りない」と見野さんがストップをかけたことがあって。その時は「えっ、それ今やる!?」ってなったよね(笑)。

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CONNECT デザインキットの内容の⼀部

見野:そうだった(笑)。リリースするためには、どこかで検討を止めてパッケージ化する必要があるのだけど。でも、考えてるとそこから変わっちゃうんだよな。

浜島:盛り込みたいことはたくさんあるもんね。おかげでいいものがリリースできたと思います!

「つなげる」が最大の要

———CONNECTの1番の強みとは何でしょうか。

小山:それはやっぱり「つなげる」というところですね。デザインとコードをつなぐツールはオープンソースでも提供されているけど、CONNECTは画面設計・デザイン・実装の担当者間をつなぐ共通理解として機能するので、そこが他にはない強みだと思っています。

五井:それに、CONNECTってサイト制作の知見がまだ浅いメンバーや新卒社員のスターターキットにもなるんです。次の工程を踏まえて考えないといけないポイントが詰まっているから、「ウェブサイト制作において何が大事か」に気付ける。私はそこも魅力だと思います。

キャプチャ:話している五井

———単に作業を効率化してラクをするということではないんですね。

見野:当初は社内から「CONNECTを使ったらコストを抑えてウェブサイトがつくれるんでしょう?」と言われることもあったんだけど(笑)。そんなことはなくて。設計、デザイン、実装それぞれの工程で、対象について検討すること自体は減らないので。周辺の下準備はしておいたから、クライアントやプロジェクトの課題にしっかり向き合ってくれ、というメッセージでもあります、CONNECTは。

小山:いま企業は自分たちの事業やサービスを成長させるためにデザインシステムを活用しはじめています。僕たちは運用まで見越したウェブサイトの基盤を提供したいと思っていて、「コンセントが考えるデザインシステム」のひとつのかたちがCONNECTだと言えるかな。

キャプチャ:話している小山

浜島:そうだね、運用観点はとても大事。サイトリニューアルのご相談をいただくときに挙がる課題は、運用に関するものが多くて。ウェブサイトは簡単に「建て増し」ができてしまうので、自由に運用し続けると、いつの間にか見づらい・使い勝手がよくない・統一感がないサイトになってしまいます。そうならないために、はじめにしっかりルールをつくって、サイトを管理・運用していきましょう、と。

見野:うん。ウェブサイトはつくって終わりじゃなくて、公開してからがスタートだから。運用に耐えられるデザインかどうかはとても大事。CONNECTはパターン定義やルール化の雛形になっているので、そこを担保した上で制作が進められる。だから、たとえコンセントの手を離れたとしても、クライアントが自分たちでサイトを運営していける仕組みを提供できると思っています。

*メディア制作やプロダクト開発において、一定のクオリティを満たしたデザインを、一貫性をもって提供するための仕組み。デザインガイドラインやUIコンポーネントなどを指す場合もある(参考:デザインシステムとは何か)。

込められた「意志」が、人の心を動かす

———2017年にリリースしてから2021年で4年になりますが、手応えは感じていますか?

見野:そうですね。実際にプロジェクトで使われることが増えて、CONNECTで定義した言葉やフォーマットありきのコミュニケーションがされています。新卒研修の教材としても使われていて、いろいろなキャリアを持つコンセントメンバーを橋渡しする共通言語がつくれたように思います。まさに、CONNECTできてるなあと(笑)。

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2021年度新⼈研修の成果物の⼀部。架空のウェブサイトを企画から考え、CONNECTを使ってワイヤーフレームとデザインを制作した。

浜島:CONNECTはあらかじめ基本コンポーネント一式を定義しているので、そこからスタートできる。これまで毎回踏んでいたプロセスを短縮して、クライアントの課題や想いを理解するために時間を使えるので、密度の濃い検討ができていいよね。どのプロジェクトでも言い続けているけど、「制作」ではなく「検討」に自分たちの時間を使ってほしい。

———検討というのは、どうつくるかではなくて、何のためにつくるのかということでしょうか。

浜島:そうです。プロジェクトの目的や、誰のためなのかをしっかり考えるということです。制作物はあくまで手段でしかないので。「つくる」ことにとらわれず、本質的な課題に向き合ってほしいと思います。

キャプチャ:話している浜島

見野:うん。形にしないことには手に取れないので、つくることももちろん大事なことだけど。そこに意図や意志が込められていないと、見る人に届かない。

ウェブサイトは公に開かれた場所なので、そこで発信するということは「自分は何者である」を世の中に提示することだと思います。そこにブレや揺れ、間違いがあると伝わるものも伝わらない。企業は「誰のために」「何のために」を伝え続ける必要があるし、それをコントロールする必要がある。CONNECTがその支えになるといいなと思います。

キャプチャ:座談会参加メンバーが雑談している様子

コンセントは、企業と伴走し活動を支えるデザイン会社です。
事業開発やコーポレートコミュニケーション支援、クリエイティブ開発を、戦略から実行まで一貫してお手伝いします。

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