アズビル   新製品「仮想カタログ」編集プログラム

カタログ上に並ぶ様々なオブジェクトと、それらを複数人の手が動かしてプロトタイプしているビジュアルイメージ

仮説定義と価値創造を
編集デザインで考える

制御・計測機器の技術開発を行うアズビル株式会社様(以下、アズビル)が現在開発を検討している某新製品。その製品の社会・顧客への提供価値はどのようなものか。その仮説を検討し定義することを目的として、「仮想カタログ」をプロトタイプする5日間の編集プログラムを提案・実施しました。

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  • メディア・コンテンツ開発
  • クリエイティブ開発

[ プロジェクトのポイント ]

  • 短期集中プログラムでクイックな意思決定を促進
  • デザイナーの視点で編集ワークをリード
  • 具体的なプロトタイプを制作し製品の提供価値を可視化

プロジェクトの背景

アズビルは、「人を中心としたオートメーション」をグループ理念に掲げ、工場やプラント、建物に対して、計測・制御分野における製品やソリューションの提供を通じて持続可能な社会への貢献を目指すメーカーです。
同社では、新製品の開発プロジェクトが進行しています(2021年時点)。開発段階であるその製品について、仮説検証のための製品カタログのプロトタイプを制作したいという考えがありました。いわば、まだ世に存在しない製品の「仮想カタログ」です。

目的は、その製品における社会・顧客への提供価値を可視化し定義すること。その成果は、社内の製品に対する共通理解をより深めていくことや、マーケティング施策の検討に活用するねらいがありました。

問題解決までのアプローチ

仮想カタログ制作は、アズビルとコンセントがワークショップで共創していくスタイルを提案しました。プログラムは、半日×5日間の短期集中型で設計・実施。この限られた期間内で、「仮想カタログ」を具体的な形に落とし込みました。

プログラムの流れ。DAY1で要件定義、DAY2で編集方針策定、DAY3でラフデザイン、DAY4で本デザイン、DAY5でチューニングを実施。

プログラムのポイント

当プログラムの設計・実施におけるポイントは、次の2点です。

あえて短期集中型にすることで意思決定をクイックにする
紆余曲折しがちなコンセプト策定や仮説定義において、あえてワーク時間を制限し、集中してプロトタイプする。これはクイックに意思決定を促すための有効な手段の1つです。
また、限られた時間の中でアズビルの担当者とコンセントが共創するシチュエーションをつくり出すことで、双方が能動的に製品に対する理解を深めていくことをねらいました。

編集デザインの思考で情報整理をする
カタログ冊子の形でプロトタイプするというワークの特性上、遂行には編集的な観点と判断が必要でした。そのため、ワークのリードはエディトリアルデザインの知見が深いコンセントのアートディレクターが担当。
カタログの使用シーンや読者の心理を想定した仮説に基づいて、冊子に掲載するにふさわしい情報整理の手法や、より効果的な訴求ができるビジュアル表現など、編集ノウハウのレクチャーを交えながらワークをサポートしました。

お客様の声

クライアントであるアズビルのご担当者に、プロジェクトの感想や成果について伺いました。

写真:お話をうかがったアズビルの長田光彦様(中央左)、千崎昌彦様(中央右)と、コンセントのプロジェクトメンバー

お話をうかがったアズビルの長田光彦様(中央左)、千崎昌彦様(中央右)と、コンセントのプロジェクトメンバー

Q.今回のプロジェクトについて所感をお聞かせください。
当社の抱えていた課題解決につながるイメージ通りのプログラムでした。
以前から、より効果的な製品訴求をするためにも「顧客視点」をもって製品資料をつくる必要性があると感じていました。しかし、社内で資料をつくるとどうしても開発者目線が勝ってしまったり、単なる情報の羅列になったりしがちです。
その課題に対し今回のプログラムでは、実際の雑誌を例にしたストーリーのつくり方や、情報量のコントロール方法などを具体的に提示してもらえました。現役デザイナーのコンセント社員によるレクチャーと、当社内のデザイン部門メンバーの参加もあり、社内外の両視点を取り入れられたこともよかったです。

写真:アズビルの千崎様がお話ししている様子

Q.特に参考になったこと、印象的だったことを教えてください。
課題だった「顧客視点」を理解するための具体例があったこと、さらに実際のワークを交えながら、ステップ・バイ・ステップで取り組めたことで学びが深められたと思います。これまでは、読み手に“読ませる”ためのツールだったものが、読み手との対話や行動を生む“コミュニケーション”のためのツールとして、精度を上げることができました。
進行面では、初回ミーティングで全5回のプログラム内容について全体像の説明がありました。何をどのような手順でやるのか最初に把握でき、安心して取り組めました。

写真:アズビルの長田様がお話ししている様子

Q.制作した「仮想カタログ」の活用方法をお聞かせください。
顧客へのヒアリングや社内での合意形成に活用する予定です。
今回は「仮想カタログ」というツールの特性上、試験運用では、顧客がある程度こちらの意図と違うアクションをしてくれるような潜在的発見を得られることがねらいになります。そのためにも、仮想カタログはよりリアリティがあってそもそも理解しやすいツールである必要があると思います。今回作成したカタログなら、それが実現できるのではないかと思っています。

写真:アズビルの永田様、千崎様とコンセントメンバーが談笑している様子

Q.最後に今後の展望をお聞かせください。
今後さらにマーケットを切り拓いていくためには、これまでより一層市場の変化を捉え、顧客視点を足し合わせていく考え方が必要だと考えています。当社の技術やプロダクトそのものに強みがあるからこそ、磨いていくことをしないと凡庸や高コストになる可能性もあります。だからこそ、人やストーリーを軸にしてコンセプトへと昇華していくことが重要だと、今あらためて考えています。

写真:アズビルの永田様、千崎様

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 アズビル株式会社 様
URL https://www.azbil.com/jp/index.html

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