
世界観や価値を正しく伝えるクリエイティブで商品と手に取る人とのつながりをつくる
穀物を中心とした食品の製造を手がける株式会社はくばく様(以下、はくばく)の新商品のパッケージ開発と、既存商品のリニューアルを支援しました。はくばくが商品に込めた思いが消費者に伝わるように、コンセプト設計やコピーライティング、そしてパッケージデザインまで担当しています。
- 販促ツール
- ブランディング支援
- クリエイティブ開発
[ プロジェクトのポイント ]
- コンセプトの検証調査で消費者の声や感覚をくみ取り、より響くキャッチコピーを開発
- 商品の顔として、世界観と機能価値を正しく伝えるパッケージをデザイン
- メンバーが自然と主体的になれる場づくり
プロジェクトの背景
穀物を中心とした食品を多数手がけ、日本の食卓に寄り添い続けてきたはくばく。同社はかねてより、次なる定番品・売れ筋商品として手軽に生活に取り入れられる「大さじ一杯から栄養プラス!」シリーズの開発を進めていました。
また、発売から15年以上愛され続けるロングセラー商品「五穀ごはん穀物専科」「発芽玄米と八穀ごはん」についても、時代の変化や新しい世代の暮らしに合わせたパッケージへの刷新が求められていました。
そこで私たちは、商品を手に取る人の暮らしや心に寄り添いながら、新商品・既存商品のパッケージの在り方をはくばくの皆さまと共に模索しました。
問題解決までのアプローチ
消費者の感覚をくみ取ったコンセプトとコピーの開発
パッケージは単に包装ではなく、ブランドの価値を伝え、消費者が手に取るきっかけを生み出す大切な接点です。だからこそ、新商品のコンセプトとキャッチコピーはただの仮説に終わらせず、消費者の評価をもとに、「なぜそれが良いのか」という根拠を可視化しながら開発しました。
具体的には、まず複数の仮説コンセプトを立て、クライアントと共に5つまで絞り込みました。続いて、それらをもとにコンセプト受容性調査を実施し、購買意欲や共感度を検証。その結果を踏まえ、消費者にとってのベネフィットと、商品ならではの魅力がきちんと伝わるコピーへと仕上げていきました。
こうしたプロセスを経ることで、表現が押し付けにならず、客観的な裏付けと商品ならではの独自性を両立させた、納得感と共感を生むキャッチコピーを目指しています。

回答結果を整理・分析し、キャッチコピーを仕上げていった。
アイデアを可視化して、発想の広がりや偶発性をつくる
デザイン開発では「商品の特徴や機能を正しく伝える」ことと、「商品の世界観を適切に表現する」ことの両立を意識しました。方向性の検討段階から複数のビジュアル案を制作し、はくばくとコンセントのメンバーが具体的なイメージを共有しながら議論ができるように工夫しました。視覚的にアイデアを共有することで、チーム全体が自然と意見や要望を交わせるようになり、「当初は想定していなかったアイデアが偶発的に生まれる」、そんなプロセス自体も楽しみながら進めていくことができました。

デザイン要素を可視化してコミュニケーションすることで、プロジェクトメンバーの意思決定がしやすくなった。

複数案をもとに表現の方向性を探ることでさまざまなアイデアが広がり、当初はなかった「炊飯ジャーを取り入れたビジュアルにする」という斬新なアイデアが生まれた。
メンバーが自然と主体的になれる場づくり
はくばくとコンセント両社のプロジェクトメンバーが安心して意見を交わし、主体的にプロジェクトに臨めるよう、ミーティングの進め方も工夫しました。例えば、週に1度の定例ミーティングの冒頭では、ライトに近況や思いを共有する「チェックイン」の時間をつくることで、メンバー同士がお互いを知り、親近感を抱くきっかけになることを狙いました。こうした小さな取り組みの積み重ねで心理的安全性の高い状態が自然と生まれ、各々が主体的に意見を伝え合う、温かなチーム環境が生まれました。
クリエイティブのポイント
新商品の「大さじ一杯から栄養プラス!」シリーズでは、手軽さや身近さという特徴を伝えながら商品の世界観を醸成するため、イラストレーションでの表現を採用しました。「炊飯ジャーに大さじ1杯混ぜて炊くだけ」という使い方を伝えながらも機能訴求に偏り過ぎないよう、イラストの表情やポーズ、写真との絡み方を調整し、商品の機能性と世界観がバランスよく調和することを目指しています。



パッケージの検討。商品の内容が正しく伝わるよう、雑穀のディテール表現にもこだわった。ニュートラルな親しみやすさとユニークさを併せ持つunpisさんのイラストレーションを起用し、店頭で目を惹きつつ幅広い層に自然に受け入れられることを狙った。
ロングセラーの「五穀ごはん穀物専科」「発芽玄米と八穀ごはん」では、既存顧客にも変わらず手に取ってもらえるよう、リニューアルのさじ加減に配慮しました。従来のトーン&マナーはそのままに、フォントやアイコンなど、細やかな工夫で新たな印象を加えています。さらに、店頭でパッと見たときに「どんな商品か」がすぐに伝わるよう、商品の特徴を表すアイコンやイラストレーションを取り入れ、手に取りやすく、使いやすさも感じられるよう細部まで丁寧に整えています。


新パッケージはより若い客層にもアプローチするデザインにしたほか、文字の太さを調整したりUDフォントを採用したりするなど、誰にとっても読みやすく、手に取りやすい仕上がりに。

入っている穀物を視覚的に伝えるアイコンと、使い方が直感的に伝わるようなイラストレーション
さらに、新商品・既存商品ともにパッケージに使用する写真は一から撮影。雑穀の豊かな色合いやシズル感を際立たせ、消費者が手に取った際に「おいしそう」「食べてみたい」と感じるような、魅力的なビジュアル表現を模索しました。


パッケージ写真の撮影ディレクションも担当。現場で写真を確認し、穀物がより魅力的に映るよう、器の種類や構図、ライティングなど細部にもこだわった。
[ プロジェクト概要 ]
クライアント名 | 株式会社はくばく 様 |
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