
⼀眼カメラで写す⽇々を
エモーショナルなストーリーに
ファミリー向けミラーレス⼀眼カメラ「OM-D E-M10」シリーズは、OMデジタルソリューションズ株式会社様(以下、OMデジタルソリューションズ)が提供するカメラブランドです。E-M10 Mark Ⅳ機種を紹介するプロモーションツール⼀式の制作に当たり、クリエイティブディレクションをコンセントで担当しました。
- ウェブサイト・サービス
- 映像
- 販促ツール
- ブランディング支援
- メディア・コンテンツ開発
- クリエイティブ開発
[ プロジェクトのポイント ]
- 複数メディアを横断し、⼀貫したコンセプトでのクリエイティブ制作
- ⼤規模な撮影とチーム体制でスムーズな意思疎通を図る
- 製品の機能訴求とエモーショナルな表現の両⽴
プロジェクトの背景
「OM-D E-M10」シリーズは、”新⽶パパママ”をメインターゲットとした⼀眼カメラブランドとして、以前よりプロモーション活動を⾏ってきました。
ファミリー向けカメラは、すでに⼦どもがいるファミリー層に向けてプロモーションするケースが多く見られます。しかしOMデジタルソリューションズのリサーチによると、ユーザーの購買意欲が最も⾼まる時期は、⼦どもが誕⽣する以前の「出産準備期」であることが判明しました。
そこでE-M10 Mark Ⅳ機種の発売を機に、すでに⼦どもがいるパパママに加え、これから⼦どもが⽣まれる”プレパパママ”までターゲット層を広げたコミュニケーションを⽬指して、同ブランドのリブランディングを検討していました。
問題解決までのアプローチ
コンセプトを起点にクリエイティブへ展開
制作するプロモーションツールは、製品カタログ・プロモーションムービー・LPサイト・ポスターと、多岐にわたりました。効果的なブランド訴求のためには、それぞれ異なるタッチポイントでも⼀貫性のあるブランドイメージを伝える必要があります。そこで、全てのアウトプットで共通の指針となるクリエイティブコンセプトを策定することからスタートしました。
マーケティング戦略を踏まえ、提案と議論を経て決定したコンセプトは「新⽶パパの⼀眼デビュー」。競合製品ではママ向けのプロモーションが多く展開される中、あえてパパの視点を彷彿させることにしました。
このコンセプトを起点に、ユーザーに共感を抱いてもらえる設定やストーリーを詳細に落とし込み、世界観を強化していきました。ストーリーは、⼦どもの誕⽣を⼼待ちにするパパがはじめて⼀眼カメラを購⼊し、出産準備の様⼦や⼦どもが誕⽣し成⻑していく過程をカメラを通して⾒つめているというものです。

プロモーションムービーのワンシーン。新たに「君とのはじめては、はじめての⼀眼で。」というブランドコピーを開発した。
ストーリー検討と並⾏して、撮影プラン、製品カタログ・LPサイトのデザイン、ブランドコピーといったアウトプットの検討を進めました。
この過程では、コンセント内のビジュアル開発とコピー開発の担当者が密にコミュニケーションを取りながら進⾏しました。ビジュアルと言葉の両⽅から表現を具体化することで、OMデジタルソリューションズの担当者や制作チームへの提案・共有を的確かつスムーズに⾏うことができました。
⼤規模な撮影のための体制づくり
本プロジェクトでは、メインビジュアル含めたスチール写真、プロモーションムービーのための映像撮影を実施しました。ハウススタジオと野外ロケを含めた計3⽇間で、約130カットのスチール写真と映像を撮影しています。
コンパクトな撮影⽇程の中で予定する撮影を完遂するため、2名のフォトグラファーと1名のビデオグラファーをアサイン。3名のフォト・ビデオグラファーに対して、撮影の進⾏・クオリティ管理をするディレクターを1名ずつ配置し、ディレクションの体制を整えました。

撮影時の体制図(⼀部簡略)。全体のクリエイティブを統括するメンバーを中⼼に、映像とスチールを撮影するチームそれぞれにディレクターを配置して連携した。
⼤勢の関係者間でイメージを共有
展開メディアが複数あるときや規模が⼤きい撮影を⾏うときは、⽐例してプロジェクトのチーム体制も⼤所帯になります。その中で、各メンバーとどのようにクリエイティブの完成イメージを共有しつつ制作を進められるかが、クオリティを保つ鍵となります。
完成イメージの共有は、制作チームで定期的なミーティングを設定してコミュニケーションの機会を確保することと、詳細部分までビジュアルと言葉で具体的に資料化しながら共有することで実現しました。

プロジェクトの過程で作成した資料の⼀部。撮影ラフ(左)と⾐装の検討資料(右)
また本プロジェクトでは、撮影場所のロケハンやモデルのオーディションなど、撮影前の段階からフォト・ビデオグラファーが検討に参加しました。OMデジタルソリューションズの担当者やクリエイター、ディレクターなどそれぞれの⽴場から意⾒交換をすることで、全関係者が主体的にクリエイティブに向き合える環境をつくりました。
クリエイティブのポイント
クリエイティブ全体を通して重要視したことは、コンセプトに対してユーザーの共感を呼ぶエモーショナルな表現と製品の機能訴求を両⽴させることです。
製品特性として、ユーザーの製品理解が進むのは、店頭で実物を⼿に取ったことがきっかけになるケースが多い傾向にあります。そのため、プロモーションツールは店頭で思わず⼿に取ってみたくなるようなビジュアルやコピーを意識しました。
例えば製品カタログは、表紙と裏表紙の写真を連動させた構成にしました。表紙はピクニックでお昼寝をするママと⼦どもの寝顔の写真、裏表紙はその写真をパパが撮影しているシーンに。「この写真は、パパがこのカメラで撮ったんだ」というストーリーを、ユーザーが想起できるようにしました。

製品カタログの表紙(左)と裏表紙(右)。
製品カタログの中⾯には、⼿書き⽂字のあしらいを加えて、⼦どもの成⻑記録のようなコメントをちりばめ、コンセプトで表現したい世界観を演出しています。

⼿描き⽂字は、⼦どもの成⻑を⾒守るパパとママの声を想起させる内容に。
機能訴求の点で、紙⾯には作例写真*をふんだんに掲載しています。この作例写真は、機能紹介の役割を果たすことはもちろん、ユーザーがリアルに「撮ってみたい」と思えるかどうかという点も考慮したシーンを想定して撮影しています。
* 製品であるOM-D E-M10 MarkⅣで実際に撮影した写真のこと。

制作したクリエイティブの中で、特にコンセプトと機能訴求をうまく両⽴できたものの1つとして、プロモーションムービーがあります。
ストーリー仕⽴てで進む映像に機能紹介を織り交ぜ、エモーショナルな表現の中でも⾃然に機能訴求が伝わるようになっています。


プロモーションムービーの一部。日常のさまざまなシーンの中に製品の機能紹介を織り交ぜて構成した。
このプロモーションムービーは、ビデオグラファーが構成・演出を提案したものです。表現したいコンセプトや世界観をメンバー全員に共有できたからこそ、それぞれの創造性を引き出すことができました。
[ プロジェクト概要 ]
クライアント名 | OMデジタルソリューションズ株式会社 様 |
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URL | |
公開⽇/発⾏⽇ | 2020/09/18 |
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