良品計画 無印良品   書籍『包 日本の伝統パッケージ、その原点とデザイン』MUJI BOOKS特装版制作

暮らしに寄り添うための
カバーデザイン

良品計画 無印良品様(以下、無印良品)で展開しているMUJI BOOKSのために、コンセント刊行書籍『包:日本の伝統パッケージ、その原点とデザイン』の特装版を制作しました。「ずっといい言葉と。」のキャッチフレーズで、本のあるくらしを提案するMUJI BOOKSに本書の企画制作を協賛していただき、その姿勢や考え方をカバーデザインに反映しました。

  • コンテンツ戦略支援
  • 雑誌/ムック/書籍
  • クリエイティブ開発

[ プロジェクトのポイント ]

  • 本書の主題と無印良品の考え方を重ねる
  • 商品から宣伝要素を外し、暮らしに寄り添う書籍に
  • 刊行後、MUJI店舗でイベントを開催

クリエイティブのポイント

『包:日本の伝統パッケージ、その原点とデザイン』は、『包』(1972年、毎日新聞社刊)を底本とした目黒区美術館「包む:日本の伝統パッケージ」展の図録(2011年、ビー・エヌ・エヌ新社刊)に、新たに「岡秀行論」を増補した新装再編集版です。原著の編著者であった岡秀行(1905〜1995)は、日本のアートディレクター、グラフィックデザイナーの草分け的存在であり、戦前から戦後にかけて、まだ職能として大きな評価を得るに至らなかったデザインの啓蒙と実践に人生を捧げた人物でもありました。

本書の紙面で展開されている日本の伝統包装の在り方は、日本の近代デザインが軽んじてしまった、自然と共に生きてきた人間の営みへの視座をもっており、高度経済成長による文化の歪みに気づいていた岡秀行の内なる批評をうかがい知ることができます。本書刊行の企図はその点にあり、岡秀行の業績を再評価していくために「包:日本の伝統パッケージ、その原点とデザイン」と改題、「岡秀行のデザイン」という解説文をデザイン史家で多摩美術大学の佐賀一郎准教授にご寄稿いただきました。また、ブックデザインをアートディレクターでdirection Q 代表取締役の大西隆介氏にご担当いただきました。

無印良品は、「わけあって、安い」をキャッチフレーズとし、安くて良い品として1980年に生まれました。創業以来大切にしてきたのは、生活の基本となる本当に必要なものを、本当に必要なかたちでつくることであると言います。そして簡素であることは単に質素ではなく、豪華に引け目を感じることがない、むしろその中に秘めた知性や感性があると考えています。その姿勢は、上述の日本の伝統包装の在り方、編著者である岡秀行のデザイン哲学に通じるところがあります。

創業した1980年代には、手に入りにくい高価な海外ブランドに注目が集まると同時に、生活に必要なものすべてに安価な粗悪品があふれた時代でもありました。暮らしに寄り添うという姿勢には、そうならないために生活者目線でどうすべきかという批評が含まれており、これまでの成長発展に大きな影響をもち続けてきました。本書の特装版は、MUJI BOOKSの考えにふさわしい商品として、暮らしに寄り添うことを意識したカバーデザインをしています。

一般版(書店流通版)のタイトルは、書店棚で目立つように、仮フランス装のカバーの黒い用紙(NTラシャGA 黒)に白箔押し、宣伝文を記した帯をつけていますが、この特装版は、黒い用紙にタイトルを黒箔押し、帯はつけていません。題簽貼り(型押しされた箇所に用紙を貼り付け)されている、岡秀行のアートディレクションで撮影された「卵のつと」の写真のみが表紙に浮き上がるようになっています。また表4(裏面)のバーコードも印刷ではなく、弱粘着のシールで外しやすいように配慮しました。商品棚で目立つより、暮らしのなかで不要な宣伝要素をなるべく外して、暮らしに寄り添うものとしての書籍になるように特装版を制作しました。

これまでに無印良品主催の刊行イベントを、MUJIcom武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスとATELIER MUJI GINZA Loungeで行いました。MUJIcomでは《伝統包装、ローカルデザインの価値ってなんだろう?》、ATELIER MUJI GINZAでは《「包む」こととデザインについて、岡秀行が考えたこと》と題し、地域社会と自然風土を色濃く反映し、生活に根づいていた伝統包装の価値を現在の視座で捉え直すことと、岡秀行の業績をデザイン史の文脈で捉え直すイベントを開催しました。本書の出版活動としての刊行イベントは、今後も継続して企画協力していきたいと考えています。

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 株式会社良品計画 様
URL https://ryohin-keikaku.jp/

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