堅い印象の「ガイドライン文書」を
身近に感じてもらえるように
近年ますます深刻化するハラスメントについて、大学としてどう定義付け、どのような対応策を整えているか。明治学院大学様(以下、明治学院大学)が定めた『ハラスメント防止および解決のためのガイドライン』のアートディレクションとデザインを担当しました。
- ドキュメント・スライド
- メディア・コンテンツ開発
- クリエイティブ開発
[ プロジェクトのポイント ]
- 程よい親近感のあるトーン&マナー設計
- イラストやチャートを使用した読みやすい誌面
- 文意を整理・デザインしたメリハリのある構成
プロジェクトの背景
いわゆる「ガイドライン」といえば、画一的な書面の体裁が多いものの、それでは本当に読んでほしい人たちには届きにくいのではないか。また、内容を知るだけでなく、人を思いやることこそがハラスメントのない環境づくりにつながるというメッセージも感じてほしい──。明治学院大学にはそのような想いがありました。
センシティブなテーマである一方で、学生や教職員だけでなく、大学に関わる多くの人を対象者と定めていることから、「ガイドライン」としての品性は保ちつつ、読みやすさと親近感を備えたデザインが求められました。
それと同時に、「ガイドライン文書」を活用してもらうためには、相談先である「ハラスメント相談支援センター」の認知度を上げる必要があることから、認知度向上のためのポスターも制作することになりました。
問題解決までのアプローチ
この「ガイドライン文書」はWeb上でPDF公開することが前提でした。そのため、まず明治学院大学が作成したテキストを、PDFの状態でスムーズに読み進められるよう、表紙以降の序文から本文、そしてあとがきへ、緩急とまとまりを意識したページネーションにしました。さらに、随所にイラストや親しみやすいあしらいを加えることで、読み物のように読める流れのある誌面展開にしています。
リーフレットは、「ガイドライン文書」の流れを生かし両観音開きを採用。最初にメッセージ、開くとハラスメントの定義が目に入る仕様にしました。
ポスターは、センターの認知度向上を主目的としつつ、「悩んでいる人と共に考え支援する」という目線で訴求することで、「ガイドライン文書」と同じく“人を思いやる”温かさを感じられるような表現を検討しました。
クリエイティブのポイント
「ガイドライン文書」とリーフレットは、明治学院大学のキーカラーであるイエローを全体的に使用し、オフィシャル感を基調に。一方で、フォルダを模した形をあしらう、事例を1つずつ吹き出しのように配置する、ユーモアのあるイラストを入れるなどで、カジュアル感を演出し、飽きずに読み進められる工夫をしています。
見た目を整えるだけではなく、「伝えたいことをきちんと伝える」ために、必要な情報を省いたり、追加したりといったご提案をしながら、明治学院大学とともに盛り込む内容自体も練り上げていきました。その中で、あとがきを追加し、表紙とあとがきで対になるようなイラストを入れることをご提案。そうすることで、規約だけでなくメッセージを発信できる構成になりました。
左が表紙、右があとがき。表紙ではもやもやを抱えていたイラストの人物たちが、あとがきでは生き生きとした表情に変化している。
ポスターも同様のトーン&マナーでデザイン。「ガイドライン文書」表紙のキャッチコピーやイラストをポスターでも転用し、関連ツールとして統一された世界観で表現することで、両ツールの根底に共通したメッセージ性を感じられるようにしています。
[ プロジェクト概要 ]
クライアント名 | 明治学院大学 様 |
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公開日 | 2019年10月1日 |
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