労働組合からPeople Union へ
時代に合わせた組織変革を支援
三井物産労働組合は、時代の変化とともに果たすべき役割が変化してきました。経営と組合の二項対立の構図ではなく、労使共創して会社全体が協調してより強い組織へと生まれ変わるために、どのような存在であるべきか。その活動方針の再定義と、それに伴うリブランディングの支援を行いました。
- VI・CI
- 広報ツール
- ブランディング支援
- メディア・コンテンツ開発
- クリエイティブ開発
[ プロジェクトのポイント ]
- 目的やニーズを明確化してからのコミュニケーションの設計
- 組織のミッションが適切に伝わるストーリー設計
プロジェクトの背景
1961年の三井物産労働組合設立当初から求められていた給与や労働環境をはじめとする待遇面が、労使交渉を重ねていく中で次第に改善されると共に、外部環境の変化や社員の価値観の多様化が進む中、従来の労働組合の存在意義が薄れていくという課題に直面。2000年代後半から組合執行部の担い手が集まらず、解散も選択肢として視野に入れながらも、組合員に求められる組織へと変革すべく、様々な活動の抜本的な改革を進めました。
問題解決までのアプローチ
1. ワークショップ実行支援
プロジェクトの最初に、会社、組合、個人それぞれにおける課題を抽出するワークショップを行いました。組合の執行部メンバーにレイヤーごとの課題を書き出してもらい、何が要因となって課題が生じているのかを探りました。ワークショップで抽出した課題と、組合員に対して実施したアンケート調査の結果を総合して、今後の組合の在り方などを議論していきました。
2. 広報誌を通じた活動内容の浸透
労働組合の存在意義や新しい活動について、全4号の広報誌によるコミュニケーションで組合員に浸透させるストーリー/企画づくりを行いました。これまで組合からの情報発信は決定事項や結果報告などが中心でしたが、今回は組合員にも活動を自分ごととして捉えてもらえるように、アンケートやインタビューで交わした意見を広報誌にも反映することで浸透を図りました。
1号:会社に対して求めるだけの“闘争型”ではなく、ともに課題意識を共有し持続的な成長を目指す“共創型”の組合へ−−。働く環境の整備を目的とした問題提起を行った。
2号:知られているようで知られていない組合の活動内容に触れつつ、ワークショップや組合員アンケートによって見えてきた会社や社員に関する課題と、その打開策を展開した。
3号:現場の生の声を届けるために若手社員、女性社員へのインタビューを実施。また組合役員と会社役員両方の経験をもつ顧問と組合委員長との対談も実施。経営層と組合員の間にあるギャップを探りつつ、会社全体がどうあるべきかを問いかけた。
4号:名称を新たに『Mitsui People Union』とした組合が力を入れて取り組むこと、「変わり続ける組合」であることを宣言した。
広報誌は1号ごとに、PDFマガジンとしてメール添付で発信しました。全4号分の発信が完了したあと、あらためて冊子版として1冊にまとめて配布しました。
3. 組合名の変更支援
時代とともに組合の役割や立場が変容していることから、従来の「三井物産労働組合」という名称から想起されるステレオタイプからの脱却を目指し、もっと親しみやすい組合名にしたいという話題がプロジェクト開始前から出ていました。より多様な働き方や価値観が内包され、かつ「人」にフォーカスした組織を実現したいことなどを踏まえ、アイデアとしていくつか出ていた中から「Mitsui People Union」に決定しました。それに伴いロゴのデザインを一新し、名刺、ステッカーなど関連ツールも充実させました。
クリエイティブのポイント
既存の広報誌は決定事項の報告型で制作されていましたが、今回は経緯・考え方も含めた報告型に転換しました。組合の議論内容をインフォグラフィックで端的に表現したり、施策検討の様子を写真撮影し、ドキュメンタリーとして伝えています。
新しい組合ロゴは企業ロゴをベースに、丸みのある柔らかな処理を施すことで親しみやすさを表現。根本にあるものは変えず、時代に合わせたスタイリングを施すことにより、労働組合の形を再定義したという意味合いも込めています。配色にはグラデーションを利用し、品の良さと先進性を表現しました。
労働組合新ロゴ
[ プロジェクト概要 ]
クライアント名 | 三井物産労働組合 様 |
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