企業内の物語を共有していく社内報
経営と現場をつなぐ編集とデザイン
トヨタ自動車株式会社様(以下、トヨタ)が従業員向けに毎月発行している社内報『トヨタイムズmagazine』のリニューアル計画において、編集アドバイザリーおよびデザインを担当しました。本誌は社内ニュースの伝達にとどまらず、従業員の相互理解を育むインターナルコミュニケーションを目的に刊行しています。
- 広報ツール
- メディア・コンテンツ開発
- クリエイティブ開発
[ プロジェクトのポイント ]
- コンテンツの価値を適切に判断・発信できる体制づくりの支援
- 経営と現場、互いの情熱をつなぐデザイン
- クオリティ担保に寄与する制作フローの見直し
プロジェクトの背景
トヨタでは、コロナ禍の状況下で社内情報発信・コミュニケーションを考え直しながら、インターナルメディアとしての社内報の在り方を模索していました。本プロジェクトでは、編集方針や誌面構成の見直しと併せて、企画立案サポート、記事内容の価値・熱量に相応しいデザインの検討、クオリティを担保していくための制作フローのリデザインを行いました。
問題解決までのアプローチ
社内報が伝えるべき価値、もち得る価値をあらためて問い直すため、トヨタの社内報編集部員を対象にオリエンテーションとワークショップ、リニューアル検討会議、編集会議を複数回行いました。
最初は以下3つの観点から、現況においての社内報の意味、意義について再検討しました。
- 経営ビジョンなどの「新時代のための価値観の伝播」
- 会社組織としての「共通認識や連帯感の醸成」
- 企業体の礎をつくってきた「価値観の継承」
組織規模に比例し、同じ企業の従業員同士でも心理的距離が生まれやすくなる場合があります。その課題に対して、社内報を通じて各々の現場での取り組みやトップメッセージを当事者目線で伝えることで、お互いの心理的距離が近づくように働きかけることができます。そのような自社メディアの編集方針を確認しながら、企画編集からライティング、デザインまでの基本的な制作フローを見直し、考え方を共有しました。
クリエイティブのポイント
既存の誌面では、記事の編集担当者が各自でレイアウトを考えていたため、全体としての統一感に欠ける印象がありました。そこでデザインリニューアルでは、全体に統一感がある誌面になるアートディレクションを徹底できるように、版面のグリッド設計はじめとしたルール化を重視しました。具体的には、本文の読みやすさと適切な情報量を整理し、あらゆる記事に対応できる柔軟性のあるフォーマットを作成しました。また、社内報の読者は、従業員だけでなくその家族までを想定しています。そのため、見た目をただ格好良くするだけではなく、幅広い年齢層の読者が親しめるようなデザインを心がけています。
新技術などの専門性の高い記事も多いので、わかりやすさと全体像のつかみやすさに配慮しながら、興味が湧くようなキャッチーな誌面に。
社会人アスリートを雇用・支援している企業でもあるので、彼らがどのような哲学や意志をもって競技生活にのぞんでいるのかを伝える企画も。アスリートのポートレートは、フォトグラファーに依頼して撮影。素の表情が垣間見られるようにディレクションして撮り下ろしている。
表紙デザインは、毎号異なるトピックスを視覚的なインパクトをもって伝えることを重視。すでに媒体のイメージとして定着している既存のロゴを用いながらも、可変性のあるトリミングと色面設計で、その都度新しさを感じてもらえることを意識しています。
[ プロジェクト概要 ]
クライアント名 | トヨタ自動車株式会社 様 |
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