歓迎を形にするデザイン

〜内定証書を通して伝える「ようこそコンセントへ」〜

  • 吉山 理沙デザイナー

  • 長沼 千夏デザイナー

最初に受け取る贈り物

令和元年10月。2020年度新卒入社内定式が行われました。プログラムを終えて内定者の皆さんが受け取った「内定証書」には、こんなコメントが寄せられました。

イラスト:内定者の皆さんからのコメント。「込められた想いや証書に入った社員の皆さんのサインを見て、あらためて身が引き締まる思いがしました。」「証書の仕組みに驚き、アイデアやオリジナリティ含めデザイン会社だからできる内定証書の形に、あらためてデザイン会社に入社したことを実感しました。」「一人ひとり時間を割いて名前を書いていただいたことで、迎え入れていただける感じが伝わりました。」「意外な形の証書に驚くと同時に、コンセントの『デザインをする文化』というのを感じることができて嬉しかったです。」

内定者が手に取った内定証書とは……?

コンセントに脈々と受け継がれる内定証書のプロジェクト。今回、2020年度内定証書の制作を担当した新卒入社2年目の吉山理沙と1年目の長沼千夏が、内定証書制作の裏側をお伝えします。

歓迎の気持ちを込めて選んだ形

「コンセントのメンバーが内定者の皆さんの入社を心待ちにしていることを、手づくりの内定証書を通して伝えていきたい!」
プロジェクト開始にあたって人事担当部署からこのようなリクエストが。この言葉を念頭に置きながら、アイデアの検討を重ねていきました。

最終的に私たちが採用したのは、「真っ白なノートを贈る」ということ。

制作者の吉山には、困ったときや悩んだときに新人の頃、取ったノートを見返して助けられたという実体験がありました。新卒で入社するということは、「社会にはじめて出る」ということ。わからないことだらけの世界に飛び込み、覚えることは山のようにあります。

大切なことを忘れないようにするために、まずできることの1つは、ノートを取ることです。社会人としてのスタートを目前にして、不安なこともたくさんあるに違いない内定者の皆さんに、未来の自分を助けてくれるアイテムとして真っ白なノートを贈りたいと考えました。

ただし、真っ白のノートでは内定証書になりません。このノートと一緒に贈るのにふさわしい内定証書は……? その結論が、ブックカバーという形でした。このような経緯から、今年は「ブックカバー型の内定証書」を制作することになったのです。

受け取る人に新たな門出のワクワク感を

形は決まりました。しかし、どのような内容にしたら内定者の皆さんに喜んでもらえる内定証書になるのか。私たちが内容の検討にあたって特に大切にしたことは「ワクワクしてもらう」「コンセントに入社するという実感をもってもらう」の2つです。

新卒内定式は、実は人生で一度しかありません。人生の節目となる大切なイベントのために、一生の思い出になるような、心に残る内定証書を贈りたいと考えました。

まず1つ目のポイントは、初見で「何だろう?」と興味をもってもらうこと。ブックカバーの折り方を工夫し中身をチラ見せすることで「これを広げたら何があるのだろう?」とプレゼントを開けるときのようなワクワク感を演出しました。

2つ目のポイントは、贈り物としての細部へのこだわり。「自分たちがこれを貰ったら嬉しいか」を軸に、ハレの日にふさわしい華やかな紙、会社のイニシャルがあしらわれたシーリングスタンプなど、受け取った人に喜びと驚きを与えられるよう細部まで工夫を凝らしました。

3つ目のポイントは、先輩たちの直筆サインをあしらったデザイン。コンセントの内定証書には毎年代表取締役会長の上原が直筆で内定者の名入れをします。直筆で書かれた自分の名前が先輩たちのサインに囲まれている構成にすることで、「コンセントの一員になる」という実感をもち、また、入社を歓迎されているということを感じ取ってほしいという想いを込めています。

白いノートになぞらえた内定者の無限の可能性

内定証書には内定者へのメッセージを掲載しますが、その文章も自分たちで考えました。

写真:内定証書に掲載した内定者へのメッセージ。「2020年、これから新たなスタートを切るあなたがコンセントの一員として過ごしていく時間の中でどんな線を描き、どんな色を付け、どんな形を作っていくのか。なりたいもの、やりたいこと、たくさんの可能性の中から『あなたらしさ』を見つけてください。そしていつかこのまっ白なノートと共に作り上げられたあなたと世の中に良いものを届けることができた喜びを分かち合えることを、心より願っております。」

文章を考える上で意識したことは、コンセントは「なりたい自分になれる会社」であるということ。そして、内定者の人となりを知る人事から事前に伝えられていた「今年の内定者の皆さんは個性豊か」であるということです。真っ白なノートを、「可能性に溢れた内定者の皆さん」と、「社員それぞれのやりたいことを突き詰めることができるコンセントの環境」になぞらえ、持ち前のもっている個性を存分に活かしてほしい。ノートのページを埋めるように「自分らしさ」を見つけていってほしい。そんな想いを込めました。

ノートを贈るにふさわしいブックカバーという形。贈り物として細部までこだわったデザイン。内定者の皆さんを想って考えたメッセージ。最初から最後まで試行錯誤しながら制作を進め、無事に今年度の内定証書が完成しました。

コンセントメンバーの一員として、共に働く日を待ちわびて

今回、この内定証書制作を進める中で印象に残ったのは、人事のメンバーが内定式に向けてひたむきに準備を進める姿や、担当役員が内定証書に何度もフィードバックをくれる姿でした。

内定者は、内定式の前に内定通知書という書類を貰います。そこには役員からのこんなメッセージが書いてありました。

「コンセントでは、プロジェクトに関わる全員がそれぞれの得意分野を活かし、補い合い、総合的にデザインを行います。」

コンセントは内定者を同じ目線に立って働く大切な「一員」として迎え入れているのだと、内定証書制作に関わる面々の熱心な姿を見てあらためて感じました。

今回はデザイン会社で働く人間として、受け取った人の目が喜ぶようなものづくりにも力を入れました。モノの第一印象はデザインに欠かせない要素であり、受け手の行動に影響を与えます。対話からヒントを得てコンセプトを決め、アイデアを練って形にし、最後のディティール調整までを一貫してこだわり抜く姿勢で内定証書制作に取り組めたことを、今後の仕事にも繋げていきたいと思います。

コンセントではこのように毎年新卒入社者を迎え入れることを心待ちにし、準備をしています。これからも続いていくであろうこのプロジェクトでつくられた内定証書を受け取った皆さんと、切磋琢磨しながら共にものづくりができることを楽しみにしています。

[ 執筆者 ]

コンセントは、企業と伴走し活動を支えるデザイン会社です。
事業開発やコーポレートコミュニケーション支援、クリエイティブ開発を、戦略から実行まで一貫してお手伝いします。

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