ビジネス成功の鍵を握る「コンテンツ戦略」とは? ユーザーの理解・納得・共感を⽣む体験のデザイン
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こんにちは。コンテンツストラテジストの⼩⼭ 純です。
この記事では、マーケティング・ブランディング・PR活動に取り組む際、ビジネス成果に寄与するコンテンツを戦略的に開発・活⽤する⼿法「コンテンツ戦略(コンテンツストラテジー)」についてお伝えします。
私は普段、企業や教育機関、官公庁といったクライアントのコミュニケーション活動⽀援に携わり、戦略⽴案やコンテンツ開発を通して、さまざまな課題解決に取り組んでいます。
コンテンツストラテジスト?コンテンツ戦略?あまり⽿慣れない⾔葉かと思います。
コンテンツ戦略は、組織でウェブサイトやSNSなどのメディア運営をはじめとした発信活動で、よくある悩みを解決に導く有効な考え⽅のひとつです。ぜひ、⽇々の業務に役⽴つヒントをもち帰っていただければと思います。
今の時代に潜むコミュニケーション課題
組織の発信活動に携わる⽅は、例えばこのような悩みや課題をもっていませんか?
「メディアが乱⽴してしまっている」
「発信が計画性に⽋ける」
「ねらったリアクションが得られない」
「発信活動に効果があるか計れない」……
なぜ、このような事態に陥るのでしょうか?
その要因のひとつは、ビジネス戦略とコミュニケーション活動の実態に“乖離”があることです。つまり、これらの課題はあくまで表層上の課題に過ぎず、コンテンツ発信においてビジネスの⽬的に紐づいたロジックをもてていないことが本質的な課題です。
今は、コンテンツが世に溢れている時代です。⼈が接する情報は、その種類も量も増え、情報⾏動は複雑さを増しています。
そしてさらに、世はさまざまな価値観やライフスタイルが認められる多様性時代。⼈がどんな情報を基準に製品を選ぶか、どんなメッセージに⼼惹かれてそのブランドを好むのかも、さまざまな背景があるはずです。
そのような時代、コミュニケーションには当然「ひとつの解」が存在しません。企業はこのような時流に向き合い「⾃分たちのビジネスゴールを達成するためのコンテンツの在り⽅はどのようなものか?」「ユーザーのニーズをどのように満たし、コンテンツを通してどんな体験をもたらすべきか?」ということを複合的に捉える姿勢が必要になります。
「コンテンツ戦略」とは何か
ー 体験を導く“マップ”と“コンパス”をもつ
そのために有⽤なアプローチが、コンテンツ戦略(コンテンツストラテジー)です。この考え⽅は、2010年代から複数の専⾨家やプロフェッショナルが提唱しはじめ、徐々に発展してきました。
コンセントではこの「コンテンツ戦略」を、独⾃に次の通り定義しています。
コンテンツ戦略とは: 企業・⾏政のビジネスゴール達成に向けて、コンテンツを活⽤したコミュニケーションを計画・実⾏すること※
※ コンセントによる独⾃の定義
つまり私たちは、コンテンツを単なる情報発信ではなく、ユーザー体験(UX)とコンテンツ体験を⼀体として考え、デザイン思考のもとにコミュニケーションをデザイン・構築することに取り組んでいます。
ビジネスゴール達成のために、ユーザーがどのような体験を経るべきか考え、その“マップ”を描くこと。
そして、ユーザーがコンテンツから何を読み取り、どんな思いを抱いてもらう必要があるのか定め、指針となる“コンパス”をもつこと。
この“マップ”と“コンパス”を⼿にして、ユーザーの⾏動や⼼理を“ジャーニー”として捉えること。これが、企業とユーザーとのコミュニケーションを理想的に展開することにつながります。
コンテンツは、理解・納得・共感といったユーザーの⼼理変容を無理なく醸成し、次の⾏動へと促す⼒を秘めています。その⼒を⼗分に⽣かすためには、次の条件が⽋かせません。
コンテンツの⼒を⽣かす3つの条件:
- ⽬的:コンテンツそのものに発信の⽬的をもたせる
- 体験:ユーザー体験を起点に、接点となるコンテンツを考える
- 価値:コンテンツに事実情報以上の付加価値をつける
これが、コンテンツ戦略の考え⽅と、私たちがコンテンツ開発で重要視することです。
実践に向けて、まずやるべきこと
ー 基本フローを知り“現在位置”を⾒極める
コンセントでは、どのようにコンテンツ戦略のアプローチをプロジェクトに取り⼊れているのか?その実践⽅法を紹介します。
コンテンツ戦略の基本フローは、⼤きく4つのフェーズに分類できます。それは「ユーザー分析・メディア分析」「ユーザー体験設計・コンテンツ体験設計」「コンテンツデザイン」「評価・改善」です。
コンテンツ戦略の基本フロー
これは、どのフェーズから始めるという決まりはありません。それぞれのビジネス課題やクライアントのステータスに応じ、実施するアクティビティやパワーのかけどころを決めていきます。
そして、このフローは必ずしも⼀⽅通⾏ではなく、時には⽴ち戻り、⾏き来しながら実践します。
また、どこまで実施すれば完結ということもありません。都度状況を⾒極めながら、継続的に取り組みます。これが私たちが取り組む「コンテンツ戦略」の全体像です。
では、実際に皆さんがご⾃⾝の業務で取り組む場合、何から着⼿すればよいか?その判断が難しいと思います。ここからは、よくあるケースごとに着⼿したいアクションを紹介します。
ケース1|ゼロからコミュニケーション活動を始めたい
「新規事業を⽴ち上げるので発信計画を考えたい」「新たにメディアを⽴ち上げたい」。そのような場合は、ユーザー分析・メディア分析から着⼿します。ペルソナ整理・作成や、競合メディアのリサーチなどを通して、戦略⽴案に必要な情報の収集・分析に取り組みます。
ケース2|コミュニケーション活動に⽬的をもちたい
「メディア運営や発信をしているが⽬的が不明瞭」「発信テーマの決定⽅針がない、計画性がない」という場合は、ユーザー体験・コンテンツ体験の設計から着⼿します。ジャーニーマップ作成やメディアの動線設計など、ユーザーの体験を起点にコミュニケーション設計を⾏います。
ケース3|コンテンツそのもののクオリティ・納得度を⾼めたい
コンテンツ開発をする中で「アウトプットが伝えたいことを表現しきれていない」「制作担当者間で意思疎通を図ることに苦戦している」という場合は、コンテンツデザインから着⼿します。ビジネス戦略に紐づく形で、編集⽅針やクリエイティブ⽅針を定め、その⽅針をもとにコンテンツの制作に取り組みます。
ケース4|今のコミュニケーション活動を⾒直したい・効果を⾼めたい
⼀定期間発信を続けていて「コンテンツ資産を蓄積できている」「アンケートやクチコミなど、ユーザーレビューを追える」という場合は、評価・改善から着⼿します。蓄積したデータの解析やユーザーインタビューをもとにコンテンツ評価を⾏い、さらなる改善や拡張に取り組みます。
いかがでしょうか?実際には、プロジェクトやビジネスの状況によってアプローチ⽅法はさまざまです。そのため私たちは、都度クライアントへのヒアリングや相談を重ね、それぞれの⽬的や状況に応じて最適化したプランニングをしています。ここで紹介した内容はあくまで⼀例ですが、少しでも実践のイメージを掴んでいただければうれしいです。
おわりに
コンテンツには、⼈の⼼を動かし、⾏動を後押しする⼒があります。
情報が溢れる現代では、ひとつのコンテンツがユーザーへもたらす効果は決して⼤きくないかもしれません。でも⼤切なのは、その⼩さな発信が⼤きな変化につながると信じ、継続していくことだと思います。
この記事も、世の中に無数に溢れるコンテンツのひとつです。微⼒ではありますが、少しでも読んでいただいた皆さんの気づきやヒントとなれば幸いです。
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