ウェブサイト運営の「よくあるお悩み」を戦略的に解決する方法
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自社のウェブサイトの運営に日々関わられている皆さん、最近のお悩みは何ですか?
一口にウェブサイト運営といっても、コンテンツの更新だけでなく、セキュリティや法律といった外部環境の変化への対応があったり、サーバやシステムが関係する内容が含まれていたりと業務は多岐にわたります。専門性の高い作業も多くなるため、多くの企業では、パートナー企業と一緒にウェブサイト運営が行われていると思います。
コンセントもそうした企業に対してさまざまなサポートを行っていますが、今回の記事ではウェブサイト開発・運用を支援する専門家の視点から、ウェブ担当者が直面しがちなお悩みと対応例をご紹介します。
課題① 問題意識はあるが、どう対処したらよいかわからない
ウェブサイトやコンテンツのリニューアルのご相談をいただく際に「サイトが使いづらい」「更新しづらい」「情報がアップデートできていない」━━このようなお悩みをいただくことが多くあります。私たちがサイトの改善に取り組むときにまず行うのは、この漠然とした「問題意識」から、解決のために取り組む「課題そのもの」を特定していくことです。
課題の特定には、サイトの現状調査や関係各所へのヒアリングが有効です。その問題意識は何から生じているのか。システムの状態によるものか、コンテンツ構成によるものか、あるいは運用体制によるものか、といった解決に向けた取り組みの対象を明らかにします。この段階で課題の具体性と解像度を高めておくことで、施策の有効性や対応の優先度を整理することができます。
漠然とした問題意識を解決に導くには、取り組む「課題そのもの」を明らかにすることが重要。
課題② 誰とどのように進めたらよいかわからない
組織改編などで担当者が変わりやすい組織や、複数部署でウェブサイト運営を行う組織でしばしば耳にします。特定の運営フローが決まっていないウェブサイト全体に関わる改修などの際に「どう進めるべきかの道筋がつけられない」という状況が起こります。
こうしたケースでは、関係者の洗い出しと責任範囲を明らかにすることが第一歩となります。ウェブサイトはサーバ等のインフラから、システム、コンテンツまでそれぞれに管理者が存在しています。必要な部署・人材に協力を仰ぎ、 PMO(Project Management Office)━━つまりプロジェクト事務局を立ち上げましょう。部署をまたいだ推進体制を構築することが重要です。
PMOを中心にプロジェクトの各種役割を担う主担当を明確にし、情報の共有・エスカレーションの方法やタイミングを整理して計画を立てることで、プロジェクトを推進する具体的な道筋が見えてきます。
PMO体制のイメージ。プロジェクトオーナーがPMO推進を担い、関係者への働きかけを行う。
課題③ 人手が足りない
既存の業務に加えてウェブプロジェクトの担当になったため、手が回らなくて困っている、というのもよく伺うお話です。
特にウェブプロジェクトの立ち上げ期においては、方針を考えたり、資料を作成したり、社内の各部署と調整を図ったり、パートナー企業を取りまとめたり……と、実にさまざまな業務が発生します。プロジェクトオーナーが全体を見通すマネジメントに専念できるように、プロジェクトの推進に関わる業務をサポートしてくれる協力者をアサインしましょう。
委任する範囲の明確化とチェック機能は必要ですが、調査や資料作成、パートナー管理やスケジュール管理などの作業を他のメンバーと分担することができれば、プロジェクトはより効率的でよりクオリティの高いものとなるはずです。
コミュニケーションの推進や具体施策の実行に携わる担当者を別途アサインするなど、プロジェクトのスムーズな進行には役割決めと分担が大切。
課題④ 相談相手がいない
「ウェブサイトの担当を長くやっているけれど、はたして自分のやり方が正しいのかわからない」━━ウェブサイト運営に関して、自身の取り組みに悩みや迷いを感じている方も多いです。
メディアからの情報収集や勉強会への参加なども良いですが、社内外限らず、知見をもつ人に「相談役」を依頼し、プロジェクトの体制に組み込むのも有効な手段の一つです。専門家と共に現状の評価や今後の計画、成果指標の設計などを行うことで、業務の質を向上させ、ウェブサイト運営をより意味あるものにできる可能性が広がります。
ポイントは、小さなことでも気軽に相談できて、その関係を長く継続できる人材を選ぶことです。ウェブサイト運営への適切な意見やアドバイスを得るためには、「相談役」にもプロジェクトメンバー同等のサイト課題や文脈への深い理解が必要だからです。
さいごに
このところ、デジタル人材育成への関心が高まっています。全ての企業でデジタル人材の育成目標が達成され、組織が強化され、適切な体制のもとでウェブサイト運営が行われることが理想の姿と考えられますが、現実的には、それが実現するのは少し先の未来になりそうです。
ウェブサイト運営には幅広く専門性の高い知識が必要です。自社内で運営が完結せず、パートナー企業と共に運営に取り組んでいる状況を逆手に取る形で、その知見やアドバイスをより効果的に活用できるような新しいパートナーシップを検討してみるのはいかがでしょう。ウェブ開発・運営の専門家との協働から得るナレッジは、きっとあなたの組織にとって有益なものになるはずです。
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